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レポート:柴田久仁夫     

 
 
第16戦 日本GP

(株)本田技術研究所 マネージング ダイレクター
保坂武文のひとりごと 

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 ひとことで言って、われわれの存在感の薄い週末になってしまいました。3日間を通じていいところがなく、当分悔しくて眠れそうにありません。

 スズカに向けて一生懸命努力してきましたが、トップ2の強さはわれわれの想像をはるかに超えるものでした。シューマッハには、素直におめでとうと言いたいです。それに対してわれわれは、せっかく集まってくれた15万人のお客さんたちに、「これがホンダだ」というのを見せつけることができなかった。

 6位入賞こそ果たしましたが、今回のレースは「敗戦」という認識です。敗因はいろいろありますが、まず一番の理由は、マッチングの問題ですね。エンジン、シャシー、タイヤ、ドライバー、それぞれが今季最高の成績獲得という目標に向けてがんばったはずなのに、うまく噛み合わなかった。

 まずエンジンは、ご存知のように今季最強の「スズカスペシャル」を投入しました。シャシーも、大きな変更こそありませんでしたが、スズカに合わせた木目細かなリファインを行なってきた。そして今回1種類だけだったタイヤも、前週のシルバーストンテストでいい感触が得られていた。さらにドライバーたちも、ホンダのホームサーキットでのGPということで、かなり気合いを入れてくれていた。

 それらがうまく噛み合えば、表彰台も夢ではなかった。ところが最後までちぐはぐなまま、終わってしまいましたねえ。

 もう一つの敗因は、予想を大きく上回るトップチームの速さでした。去年のジャックの予選タイムと比較すると、今年は2秒半速くなっている。この3日間のタイムの伸びも、順調だった。ところが上位2チームは、そんなわれわれ以上の努力をしていた。1分35秒台の予選タイムというのは、正直言って驚き以外の何物でもありません。

 来年は、もう一歩踏み込んだ車体開発にもかかわりたいですね。ホンダ側のアイデアが実戦にも活かされるよう、今以上の深いデータを取って、ちゃんとしたデータベースを作り上げることが第一歩。それができたら、テストでの走りこみを今年以上の密度でやりたい。今シーズンは、目前のGPに追われて、長い視野でのテストがなかなかできませんでしたからね。

 残り1戦あるわけですが、セパンも決して楽なコースではない。でも今年のマシンの限界を引き出すことで、シーズンの区切りにしたいと思っています。