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レポート:柴田久仁夫     

 
 
第14戦 イタリアGP

(株)本田技術研究所 マネージング ダイレクター
保坂武文のひとりごと 

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 ホンダの200戦というのは、まあ無言の重圧としては感じてましたね。先輩たちの汗と涙が結晶の塊になって、その辺にごろごろ転がってるのが目に見えるようなね。今回来ていた川本前社長も、60年代には油まみれになってマシン整備をしていたわけです。勝てるようになるまで、本当に苦闘の連続だった。でもレースが始まったら、そういうことは一切忘れて目の前のことだけに集中していました。

 いいポジションのスタートだったし、1コーナーの混乱も2コーナーの大クラッシュも、ジャックはみごとに切り抜けた。あの人は危険回避の能力に関しては、本当に動物的なものを持ってます。そういうのも一流のドライバーの条件なのかもしれません。

 戻ってきたら、シューマッハ、ハッキネンに次ぐ3位。しかも後ろのラルフは完全に押さえてたし、「いよいよ表彰台か」って思いましたよ。エンジンも絶好調に回ってました。ところが14周目ですか、突然エンジンが止まってしまった。テレメトリーでもまったく予兆がなく、いきなりのストップでした。あとで調べてみると、電気系のトラブルでした。振動か何かで瞬間的に断線して、エンジンへの電気供給が断たれてしまったんです。回収したマシンをガレージで点火してみたら、何事もなかったかのように回りました。よけい悔しさが募りましたね。

 今回は、日本GPで投入予定のスズカスペシャルエンジンの一部のパーツを先取りしたものを、予選だけに使いました。私は本来、予選用エンジンという考え方は好きではない。シャシーを含めて、クルマ全体がカチッと仕上がっていくのが本来の姿だと思ってますから。それに予選だけのぶん回すエンジンを作れというと、ピーキーなものになりやすいですし。

 今回は主にパーツの供給体制の問題で、予選だけになりました。ちなみに次のアメリカGPも、おそらく今までのエンジンということになると思います。今回はこのニューバージョン、そしてレースエンジン、すべて問題なかった。予選であれだけの成績が上げられたのも、エンジン、シャシーがともに進化した結果だと思ってます。しかもトップ2強の一角を、実力で崩した。ポールシッターのシューマッハとの差も、コンマ5秒足らずでしたしね。

 でも上だけ見ていると、足元をすくわれてしまいます。たとえばBMWウィリアムズは、スパ以来かなり速くなってる。BMWエンジンのパワーが上がってきているのが、目で見てわかります。信頼性も高いレベルにあるようですし。でも敵がその気なら、こちらも受けて立ちますよ。絶対に後ろは見せません。