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  1999 Road Racing
World Championship Series


1999 ロードレース世界選手権シリーズ
第13戦 レポート 




ホンダがマニュファクチャラーズタイトルを獲得
クリビエはチャンピオンシップ獲得に大きく前進!

岡田には勝負強さが感じられた
 岡田には勝負強さが感じられた 
'89年から開催されてきたオーストラリアGPは、メルボルン近郊のフィリップアイランドではじまった。その後、'91年から'96年まではシドニー近郊のイースタンクリークで開催されていたが、'97年からは再び風光明媚なフィリップアイランドに舞台を移している。

ここ数年はシーズン終盤に開催されてきたこともあり、チャンピオンシップを左右する重要な1戦となってきた。昨年はM.ドゥーハン(H)が母国開催のグランプリで5連覇を飾り、シーズン最高の盛り上がりをみせた。

コースはアップダウンと高速コーナーが続くダイナミックなレイアウト。グランプリコースのなかでも屈指のテクニカルコースとして知られている。難しい高速コーナーが多く配置されていることで、マシンの性能差が生じ難いコースとなっている。

こうしたフィリップアイランドは、ホンダ勢がオフシーズンのテストで走り込むコースでもある。そのためにセッティングデータは豊富に蓄積され、過去2年間ではA.クリビエ(H)、ドゥーハンが勝利を飾っている。

母国での復帰も見送られたドゥーハン
 母国での復帰も見送られたドゥーハン 
第3戦スペインGPでの負傷により、長期に及ぶ欠場を強いられているドゥーハンは、母国GP開催に合わせて懸命のリハビリを行ってきた。しかし、ここで復帰のリスクを負うよりも治療に専念することを選んだドゥーハンは、地元ファンの期待に応えるためにその勇姿を披露。決勝レースの直前に、S.ジベルノー(H)のマシンで2周のデモ走行を行った。

こうして迎えた決勝には、ホンダの通算12回目、6年連続となるマニュファクチャラーズタイトルの決定がかかっていた。加えてクリビエのチャンピオンシップ獲得も目前に控えており、ホンダファンの注目がスタートの瞬間に注がれることになった。

だが、クリビエは金曜日の予選で転倒し、左手首の手根骨を骨折してしまった。辛うじてマシンには乗れるものの、好調なライバル勢を考えれば上位進出は非常に難しい状況に。しかし、グランプリドクターの懸命な治療にも助けられ、クリビエは決勝グリッドにマシンを並べることができた。

苦戦を強いられたクリビエに代わって、ホンダ勢では岡田忠之(H)が2番手争いに加わった。レース終盤には、トップを快走していたK.ロバーツ(S)の脱落にも助けられ、うれしい今季3勝目をゲット。ポイントランキングでもロバーツを上回り2番手に浮上し、クリビエとの1-2態勢を整えた。そのクリビエはブレーキングに苦戦しながらも5位に入賞。クリビエと岡田の差は41ポイントとなり、いよいよ初のビッグタイトルが目前に迫ることになった。

3位表彰台に上った宇川 徹
 3位表彰台に上った宇川 徹 
岡田忠之(500cc/優勝)
「予選からリアのトラクション不足に悩んだが、決勝直前のウォームアップで試したセッティングが良かった。これで決勝ではペースを上げることができた。しかし、今日のレースはロバーツには追いつけそうもなかった。ロバーツにトラブルが発生したことで、どうにか優勝するチャンスが巡ってきた。最終ラップで逆転して優勝できたが、自分にもそうした力が付いてきたのかもしれないと実感した。マシンのセットアップに全力を傾けてくれたスタッフと、スポンサー、そして多くのファンに感謝している。」

A.クリビエ(500cc/5位)
「金曜日の怪我を考えると、こんなに素晴らしい結果を残せたことが信じられない。自分のレースキャリアのなかでも、ベストレースに数えられると思う。スタート前はポイントがとれればいいと思っていた。走っている間も手首がとても痛かった。特にブレーキングの際にとても辛かった。ロバーツの脱落にも助けられたが、今日のレースは本当にラッキーだったと思っている。」

S.ジベルノー(500cc/6位)
「タイヤにブリスターが発生してしまい、レース終盤には完全にグリップを失っていた。マシン自体は勝利を狙えるレベルにまで仕上がっていたので、とても残念で仕方がない。タイヤがこうした結果になってしまったのは、自分の選択が間違っていたからだ。クリビエに接触してしまいそうになった時には、本当に焦ってしまった。」

M.ドゥーハン
「母国開催ということで、決勝直前にデモ走行をさせてもらった。足の負傷が完全には治っていなかったことで、今回の復帰は見送ることにした。だが、負傷前の感覚で走ることができたことには、自分でも驚いている。改めて、自分はバイクに乗ることが好きなんだと実感することができた。だからこそ、ここまでレースを続けてこれたのだと思う。本当に素晴らしい瞬間だった。」

宇川 徹(250cc/3位)
「マシンは完璧に仕上がっていた。それだけに、今日の結果は残念で仕方がない。勝てるチャンスは十分にあったし、チャンピオンシップのことを考えれば勝たなければいけなかった。だが、残された3戦を諦めずに全力で闘っていくつもりだ。」