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1999 All Japan Road Race Championship Series
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1999 全日本ロードレース選手権シリーズ
第10戦 レポート
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世界選手権シリーズからトップライダー達が参戦 華やかなムードと緊張感に包まれた全日本最終戦

貫禄をみせた岡田忠之
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今季最終戦は、すべてのクラスでチャンピオンが決定する緊張感が漂う一方で、すでに全日程を終えているグランプリ、スーパーバイク世界選手権シリーズから多くのトップライダー達が参加。シリーズをしめくくるにふさわしい華やかな雰囲気のなかで開催された。
負傷のためレースには参加できなかったが、M.ドゥーハン(H)も来日し、トークショーやTV出演など、日本のファンとの交流を図っていた。また、今季WRR500ccクラスのチャンピオンに輝いたA.クリビエ(H)は、オーストラリアGPで負傷した左手首の治療のため、残念ながら来日をキャンセルすることになった。
しかし、500ccクラスで日本人最多勝を飾った岡田忠之(H)、250ccクラスでし烈なタイトル争いを演じた宇川 徹(H)、そして今季急成長を感じさせたS.ジベルノー(H)が参戦。また、WRR250ccクラスの中野真矢(Y)、スーパーバイク世界選手権シリーズからは芳賀紀行(Y)、柳川 明(K)なども参戦し、華やかな雰囲気を漂わせていた。

M.ドゥーハンも来日
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注目のタイトル争いは、GP250では3ポイント差を巡って、加藤大治郎(H)が松戸直樹(Y)に挑んだ。スーパーバイクでは吉川和多留(Y)と梁 明(S)が、GP125でも仲城英幸(H)と藤岡祐三(H)がタイトル獲得に最後の闘いを繰り広げた。
GP250の加藤は今戦直前に行われた事前テストで、2000年型となるニューNSR250のシェイクダウンを行った。このテストでは、非公式ながらコースレコードを約2秒も短縮。このタイムは、同時にテストを行っていたスーパーバイクよりも速いもので、タイトル獲得に向けて周囲の期待が大きく膨らむこととなった。
予選でもコースレコードを記録した加藤は、周囲の予想どおりポールポジションを獲得。決勝では4連勝で今季5勝目を飾ったが、残念ながらタイトル獲得とはならなかった。
松戸が2位に入賞したことで獲得ポイントは171。優勝を飾った加藤も171ポイントとなり、開幕戦から繰り広げられてきたし烈な闘いは、同点という劇的なエンディングをもたらした。加えて、優勝回数は松戸も加藤も5勝。また、2位入賞回数も4回ずつと、ふたりの今季の成績は、その内容までもまったく同じものとなった。

今季、急成長したS.ジベルノー
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非常に珍しい結果を導き出したタイトル争いの決着は、規定により前年度シリーズランキング上位の松戸がシリーズチャンピオンとなった。しかし、最後までベストを尽くし、見事に独走優勝を果たした加藤には、観客から惜しみない拍手が贈られていた。
このような激戦が繰り広げらたGP250の他、スーパーバイクとGP125でもチャンピオンが決定した。
スーパーバイクでは、梁が4位に入賞したが、吉川も5位に入賞しチャンピオンを獲得した。また、GP125では、ベテランの仲城がチャンピオンに輝いたのに加え、シリーズランキング2位に藤岡、同3位に菊池寛幸(H)が着け、ホンダ勢が上位を独占している。
加藤大治郎(優勝/GP250)
「とにかく勝つことだけを考えて走りました。走り終えて、表彰台の前のスタッフが、沈んだ表情をしていたので、チャンピオンは逃したんだとわかりました。とても残念なことですが、精一杯に走ったので、悔いはありません。来年のことは何も決まっていませんが、いずれにしろ、勝利だけを目指して走りたいと考えています。」

宇川は不本意な結果に表情も暗い
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宇川 徹(リタイア/GP250)
「加藤選手のタイトル獲得に向けたサポートができず、とても辛いレースとなってしまいました。なかなかマシンのセットアップが決まらず、予選では大変に苦労をしてしまいました。しかし、決勝では手応えを感じられるようになっていたので、この結果は非常に残念なものと感じています。」
岡田忠之(3位/スーパーバイク)
「グランプリに出場するようになってから、シーズンの最後は日本のファンの皆さんの前で走ることが恒例となりました。今季も楽しみにしていたのですが、アルゼンチンの転倒で傷めた足など、体調が万全でなかったことが悔やまれます。それでも勝利を狙っていたのですが、追い上げるタイミングを逃し、トップに届かず3位となってしまいました。しかし、若いふたりのライダーと走れたことは、とても良い刺激になりました。」
伊藤真一(6位/スーパーバイク)
「またしてもタイヤとのマッチングに悩み、結果として失敗してしまいました。レース序盤はいいペースをキープできたのですが、後半になって辛くなり、不甲斐ないレースになってしまいました。今季の結果についてはまったく満足できるものがありません。この悔しさをバネに、来季は心機一転、チャンピオンを目指したいと思います。ご声援ありがとうございました。」
S.ジベルノー(11位/スーパーバイク)
「ボクは11位になるために日本に来たわけではないのですが、スーパーバイクはどうも苦手です。鈴鹿8時間のときはもっと時間があったのですが、今回は十分に走る時間がなく、レースができるマシンに仕上げることができませんでした。日本のファンの皆さんの前で、もっといい走りがしたかったと思います。」
武田雄一(12位/スーパーバイク)
「予選では、岡田さんが引っ張ってくれて、勉強することができました。このときに良いタイムも出ていたので、マシンの感触も良好に感じました。しかし、いつものようにタイヤの選択に悩み、朝のフリー走行で試したタイヤで決勝に臨みました。このタイヤをうまく使い切ることができず、序盤からペースを上げることができませんでした。最終戦ということで、勝つことだけを考えていたのですが、満足なレースもできず無念さばかりが残っています。来季は、今季の反省点を活かすレースをしたいと思っています。」
青木拓磨(チームHRC助監督)
「加藤選手は、ニューマシンで圧倒的な速さをみせてくれました。タイトルを手中にすることはできませんでしたが、チャンピオンにふさわしい存在感を備えていると思います。スーパーバイクでは、シーズンを通じて、ライダーの頑張りにふさわしいマシンセッティングを引き出すことができませんでした。伊藤選手も頑張っていたし、武田選手もいい仕上がりだったと思います。それだけに残念な結果となってしまいました。来季は、チーム一丸となって、タイトル奪取を目指したいと思います。」
A.クリビエ('99WRR500ccチャンピオン)
「日本のファンの皆さん、日本に行けなくなってしまい大変に残念です。オーストラリアGPで負傷した左手首に、プレートを入れる手術を受けるために、今回はレースの出場を見送ることになってしまいました。1日も早く負傷を癒して、来季に向けたトレーニングを始めたいと思っています。来季も応援をよろしくお願いします。」
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