
国内最大のロードレース・イベント、鈴鹿8時間耐久ロードレース。開催22年目を迎える1999年、世界の名だたるライダーを迎えてスタートする8耐に、もうひとつ、大きな話題が加わった。それは、熱烈な8耐ファンにホンダが贈るビッグプレゼント。ロードレース・シーンにその名を刻んだチャンピオン達による“ドリームチーム”の参戦。フレディー・スペンサーとジョン・コシンスキーというふたりのチャンピオンが、1999年の8耐を駆け抜けることになった。

1980年代半ば、ワールドグランプリに彗星のごとく現れ、天才の名を欲しいままにしたフレディー・スペンサー。1985年には500ccと250ccの2クラスでダブルタイトルを獲得するなど、グランプリの歴史に燦然と輝く足跡を残している。
スペンサーの魅力は、それまでの常識を覆したライディングにあった。常にフルパワーが引き出されスライドし続けるマシンを、スペンサーは自在にコントロールしてコースを駆け抜けた。コースに黒々と残されたブラックマークこそ、彼が“天才”であることの何よりの証だった。
スペンサーの出現によりワールドグランプリは急速な変化を遂げていった。この変化をもたらしたのは、スペンサーに代表されるアメリカン・レーシングライダーの台頭だった。スライドを繊細にコントロールする術を身につけた彼らは、それまでのオーソドックスなライディングスタイルを打ち破り、まったく新しい迫力に溢れた時代を築き上げていった。そんな時代の流れの中で、その後、スペンサーらに続いて登場したのが、ジョン・コシンスキーだった。
コシンスキーは、スペンサーの最大のライバルであったケニー・ロバーツの愛弟子として注目を集め、グランプリフル参戦開始と同時に250ccクラスのチャンピオンに。その後、500ccクラスにステップアップした後、1997年にはスーパーバイク世界選手権シリーズを制覇。現在は再びロードレースの最高峰、ワールドグランプリに参戦している。闘争心を全身から発散させるアグレッシブなライディングは、まさにアメリカンライダーの系譜を受け継いでいる。ライディングを含めた自由奔放な振る舞いも“異端児”と呼ばれる所以。
スペンサーとコシンスキー、時代を象徴するふたりのチャンピオンによるドリームチーム。彼らのライディングを間近で堪能できるチャンスがこの8耐。ロードレースファンであれば、見逃すことのできないイベントとなったハズ。ホンダがファンに贈るビッグプレゼントを、じっくりと楽しんでもらいたい。
フレディー・スペンサー Freddie Spencer (USA)
生年月日: 1961年12月20日
国 籍: アメリカ
身 長: 177.8cm
体 重: 67.4kg
趣 味: バスケットボール、自転車、テニス
デビュー: 1968年
主な戦績: 1978年 AMAノービス250cc チャンピオン
1979年 AMAエキスパート チャンピオン
1982年 ロードレース世界選手権500cc 3位
1983年 ロードレース世界選手権500cc チャンピオン
1984年 ロードレース世界選手権500cc 4位
1985年 ロードレース世界選手権250cc、500cc ダブルチャンピオン
1992年 鈴鹿8耐 4位
ジョン・コシンスキー John Kocinski (USA)
生年月日: 1968年3月20日
国 籍: アメリカ
身 長: 179cm
体 重: 54kg
趣 味: モトクロス
デビュー: 1981年
主な戦績: 1987年 AMA 250ccチャンピオン
1988年 AMA 250ccチャンピオン
1990年 ロードレース世界選手権250cc チャンピオン
1991年 ロードレース世界選手権500cc 4位
1992年 ロードレース世界選手権500cc 3位
1993年 ロードレース世界選手権250cc 12位
1994年 ロードレース世界選手権500cc 3位
1996年 スーパーバイク世界選手権 3位
1997年 スーパーバイク世界選手権 チャンピオン
鈴鹿8耐 2位
1998年 ロードレース世界選手権500cc 12位
鈴鹿8耐は7月22日(木)〜7月25日(日)に開催されます。
ホンダチームへのご声援、よろしくお願いいたします。
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