1999年1月14日
株式会社 無限 発表
株式会社 無限(代表取締役:本田博俊、所在地:埼玉県朝霞市)は、本年もF−1を頂点とする内外のフォーミュラカーレース、JGTCをはじめとする一般生産車によるレースへのエンジンコンストラクター、そしてレーシングチームとして世界選手権、全日本選手権等へ挑戦してまいります。
弊社は、F−1をはじめ、フォーミュラニッポン、F−3、F−4、カートのフォーミュラカーレース、そしてJGTCからシビックワンメイクレースを含むツーリングカーレース及びジムカーナ等、幅広い活動の中で“Enjoy it!”のキーワードの下、ホンダのモータースポーツ活動を補完し、ホンダとの技術協力関係を築きつつ、さらにより良いモータースポーツ環境の形成を目指してまいります。
お陰様を持ちまして昨年は、ジョーダン・グランプリへのエンジン供給によるF−1世界選手権チャレンジにおいて、ベルギーGPにて1−2フィニッシュを飾り、過去最高のコンストラクターズ4位を獲得しました。また、英国など海外のF−3へのエンジン供給を行なってまいりました結果、モータースポーツの本場英国におきまして、3年連続のチャンピオンを獲得いたしました。
国内におきましても、フォーミュラニッポン、F−3、F−4等へエンジンコンストラクターとして挑戦し、JTCCでは(株)童夢(代表:林みのる、本社:京都市左京区)とのジョイントによる無限×童夢プロジェクトとして、エンジンのみならずコンプリートマシンとしても供給し、さらにレーシングチームとしても挑戦してまいりました。結果は、JTCCの後半戦で4連勝を飾るなど、数々の成果を挙げることができました。
そして本年、F−1レース活動においては、昨年同様ジョーダン・グランプリに対して、’99年度新規開発V10エンジン「MF301HD」を供給し、F−1世界選手権にチャレンジいたします。
フォーミュラニッポン・エンジンMF308では、これまでのエンジン供給体制を継続、昨年同様改良型V8エンジンも更に開発・熟成を進め供給してまいります。
F−3についても、MF204Bの供給体制を継続、さらに開発・熟成を進め、国内及びヨーロッパにてエンジン供給してまいります。
F−4エンジンでは、開発・実践参戦より6シーズン目を迎え、安定した高性能で定評の有るMF184エンジンをより広く供給すべく進めています。
また、本年よりスタートする将来のトップドライバー育成のための新たなプロジェクト、フォーミュラ・ドリームへも、H22Aをベースとしたエンジンを開発、供給してまいります。
さらに発表・発売以来ご好評いただいている、「乗る楽しみ」を主体としたカート「無限プレイングカート」は、レンタル専用サーキットが北海道から沖縄まで全国262ヶ所に広がり、「Enjoy Sports」と呼ぶにふさわしい位置づけに成長しつつあります。引き続き本年も諸施設等のご要望に答える形にて販売を続けると同時に、「プレイングカート90」をツインリンクもてぎに加えて鈴鹿サーキットでも展開。また新たな展開として、年少者用の「キッズカート50」や身障者用カートの開発、販売をすすめてまいります。
また、カート用無限リードバルブエンジンのワンメイクレース(RSO)も全国数ヵ所でシリーズ化され、入門用カートレースとして位置づけられつつあります。
これらのカート活動は、ファン及びドライバーの両方を育てる道具として活かすべく、今後もよりいっそう推進してまいります。
このフォーミュラカーレースと並ぶもう一方のモータースポーツ活動が、一般生産車によるレースです。’97より本格的に参戦してきたJGTCでは、ホンダの技術支援を得て、(株)童夢との共同開発による「無限×童夢プロジェクト」を継続。N−GT仕様NSXのさらなる開発を進めてまいります。また、「無限×童夢プロジェクト」としてN−GT仕様NSXを、全日本GT選手権参戦チームへ供給いたします。
この他N1レース、スーパー耐久シリーズ、シビックワンメイクレース等のホンダとの技術協力によるレース用パーツの開発、供給を通し、一般生産車を使用するレース全般の活性化に向け活動を続けてまいります。
上記のモータースポーツ活動は、ホンダ車専用のスポーツパーツ開発・販売とともに弊社の企業活動の大きな柱となっています。
本年も昨年にも増して積極的にモータースポーツ活動を推進してまいりますので、より一層のご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
■'99 MUGEN HONDA F1レース用エンジン主要諸元
名 称
| ムゲンホンダ MF301−HD
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形 式
| V型 10気筒 NA
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総 排 気 量
| 3.0 litres
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最 大 出 力
| 510kw以上
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全 長
| 625mm以下
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全 幅
| 520mm以下
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全 高
| 455mm以下
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バルブ数 / 気 筒
| 4/気筒
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インジェクション・システム
| ホンダ PGM−FI
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イグニッション・システム
| ホンダ PGM−IG
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※ジョーダン・チームに供給。
PVRS(エアバルブスプリングシステム)採用。
■'99 MUGEN HONDA F3レース用エンジン主要諸元
名 称
| ムゲンホンダ MF204B
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形 式
| H22A 直列4気筒 DOHC 16バルブ
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総 排 気 量
| 1997cc
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ボア×ストローク
| 85.0×88.0mm
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最 大 出 力
| 150kw以上
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ト ル ク
| 260Nm以上
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インジェクション・システム
| PGM−FI(レース用に設定)
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イグニッション・システム
| PGM−IG(レース用に設定)
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重 量
| 95kg
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■'99 無限+童夢プロジェクト
'97年より、国内レーシングカー・コンストラクターの一方の雄である(株)童夢との共同事業「無限×童夢プロジェクト」により、N−GT仕様NSXを開発し、JGTCへ参戦してきた。本年は、さらに開発・熟成を進めた'99年型ホンダNSXを「無限×童夢プロジェクト」より、JGTC参戦チームへ供給し挑戦するほか、レーシングチームとしても参戦する。
また、ホンダの開発支援および要請による、様々なレース・プロトタイプ車両の開発活動もプロジェクトとして継続する。
《車両概要(N−GT仕様)》
<車体>
型 式
| NA2
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全長×全幅
| 4,430×1,910(mm)
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ホイールベース
| 2,530(mm)
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トレッド(フロント×リア)
| 1,580×1,585(mm)
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重 量
| 1,100kg以上
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フレーム
| アルミモノコック構造+ 鋼管ロールゲージ +CFRP補強 |
<エンジン>
型 式
| C32B(DOHC VTEC)ベース
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形 式
| 水冷V型6気筒横置
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総 排 気 量
| 3.5litres
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燃 料 供 給 形 式
| ホンダ PGM・FI
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点 火 形 式
| ホンダ PGM・IG
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バ ル ブ 形 式
| DOHC 4バルブ
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最 高 出 力
| 350kw以上
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最 大 ト ル ク
| 400Nm以上
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ミッション
| ヒューランド製 6速シーケンシャル
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サスペンション
| ダブルウィッシュボーン+ ショーワ製 インボードダンパーユニット
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ブレーキ
| AP製 フロント6ポット&リア4ポット キャリパー
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タイヤ
| フロント 280/35R18 : リア 330/40R18
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《参戦体制》
Nakajima Racingとチーム国光がそれぞれ1カーで参戦するほか、「無限×童夢プロジェクト」が2カーのレーシングチームとして参戦、計3チーム4台体制での参戦となる。
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