ホンダは、英国シルバーストーンサーキットにおいて、現地時間12月7日 「ブリティッシュ・アメリカン・レーシング・ホンダ」として、初めてのテスト走行を実施した。ときおり冷たい風の吹くものの天候にも恵まれ、気温摂氏 4度、午前10時にテストを開始し、予定されたプログラムを実行した。
今回のテストはホンダの新開発 F1エンジン「RA000E」と 2000年シーズン向けに新しく開発された車体「BAR002」との組み合わせでは初めての走行。テストにはホンダ側の開発責任者の保坂武文、 HRDテクニカルディレクターの西澤一俊他エンジン担当者を中心とした開発者やメカニック20名が参加し、ジャック・ビルヌーブ(Jacques Villeneuve)がドライブした。
新エンジンは、本田技術研究所栃木研究所が開発設計および製作を行い、HRDを経由しブリティッシュ・アメリカン・レーシングで車体に組み付けた。
このテストの目的は、来週スペインのヘレスサーキットで予定されている本格走行テストに向けて、エンジンをシャシーに組み付けた際の電装関係・駆動系・補機類・冷却システムなど各部の動き、配管・配線といった基本項目の確認を行うことであったが、予定どおりテストプログラムを消化した。
開発責任者の保坂武文(本田技術研究所 マネージングダイレクター)は 「今回はブリティッシュ・アメリカン・レーシングの新シャシーにホンダの新F1エンジンを搭載して初めてのテスト走行で、これから始まる本格的な実走テストにそなえて各部の動きを確認した。今日の走行は予定以上に走行でき大変満足している。来週のヘレスでは本格的な走行ができると思う。一歩一歩着実に準備を進めていき高い目標に向けて、着実に歩を進めていきたい。」 とコメントしている。
また、ドライブを担当したジャック・ビルヌーブはエンジンについて「振動もよく抑えられており、予想したよりドライブしやすかった。次のテストが楽しみだ。」とコメントしている。
<HRD = ホンダ レーシング ディベロップメント (Honda Racing Development Ltd.) 概要>
社長 : 田 中 詔 一
テクニカルディレクター : 西 澤 一 俊
所在地 : 英国バークシャー州 ブラックネル
活動内容 : F1レース活動の前線基地として
・車体技術の日本へのフィードバック
・エンジンのメンテナンス
・渉外/広報活動 等
<BAR 002 1号車 エンジン諸元>
名称 : ホンダRA000E
型式・排気量 : V型10気筒自然吸気 3.0リットル
バルブ駆動方式 : エアーバルブ(4バルブ/気筒)
吸気方式 : 可変吸気
出力 : 800馬力以上
以上
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