藤波(ホンダRTL)、初日6位。2日目は2位表彰台!
ノルウェーでの史上初めての世界選手権トライアルは、'98年シリーズの最終戦として、ノルウェーの首都オスロから西へ10kmの場所で開催された。
たくさんの観客を迎えて、しかし激しい雨が1日中降り続いた。岩のセクションは、泥々となってグリップがとてもむずかしい状況となった。コースは観衆の観戦が容易なように、短めに設定されていたのも、ノルウェー大会の特徴だ。
第1ラップが終わったとき、3人のライダーが同一ポイントに並んでいた。クリーン11の黒山健一(ベータ)、クリーン10のM.コロメ(モンテッサ)、クリーン9のB.カモッジ(ガスガス)、いずれも減点は10点だった。2年目の世界チャンピオンを決めたばかりのD.ランプキン(ベータ)は彼らに遅れること1点、減点11で4番手につけていた。藤波貴久(ホンダ)は17点で6番手である。
2ラップめ、コロメ(モンテッサ)が素晴らしい走りを見せた。このラップ、コロメ(モンテッサ)の減点はたったの5点。黒山(ベータ)は4セクションまでに6点をとっていたし、ランプキン(ベータ)も12セクションの5点で優勝戦線からは脱落した。
しかし黒山(ベータ)は、ランキング3位を守り切ることがほぼ確定的となり、ひとまずこのシーズンに満足しているようだった。
藤波(ホンダ)は、ランキング4位争いのライバル、G.ジャービス(スコルパ)に同点ながら破れ、ランキングポイントも5点差と再びわずかながら差が開いてしまった。残りは、泣いても笑っても1戦だ。
一夜明けて、今度はいいお天気になって、しかしセクションはよりむずかしくなった。観客は、ひとりのライダーを注目し続けていた。ワールドチャンピオン、D.ランプキン(ベータ)だ。1ラップめはたったの7点。もちろんトップだ。2番手D.コボス(ガスガス)は12点、3番手藤波貴久(ホンダ)は15点。彼らにチャンスは訪れるのだろうか。
しかし2ラップめに入ると、いくつかのセクションはさらにむずかしくなり、ランプキンの力をさらに際立たせることになった。M.コロメ(モンテッサ)は1ラップめは非常に悪かったのだが、そのコロメが18点で2ラップめを回ったほかは、20点以下の減点で2ラップめを終えたライダーはひとりもいなかったのだ。コロメ(モンテッサ)でさえ、18点を献上した。20点ちょうどで回ったのが、藤波(ホンダ)と北欧ライダーのヒンドレン(ガスガス)のふたり。しかしランプキンはわずかに8点で2ラップめを終えてしまったのだ。これは尋常ではない。藤波(ホンダ)はシーズン最後の大会で、2位を獲得することができた。
この日も、観客はとっても多かった。お天気がよくなったから、なおさらお客さんは多かった。そんな中、ホンダ-モンテッサに乗り替えたガブリエル・レイエスは初ポイントを得て、1ラップめに15番手だった田中太一(ベータ)は非常にアンラッキーなことに、たったふたつのクリーン数の差で、ポイント獲得ならずに終わったのだった。
藤波貴久(TEAM HRC 6/2位)
(1日目)
ランキング4位は、まだあきらめていない。最後の最後まで、ジャービスを追いつめていく。ぼくの戦いは、まだ続いているんだ。
(2日目)
今日は、とっても満足だ。きのうは5点がいくつかあったしミスも多かった。結果的には、わずか1ポイント差でジャービスを抜くことはできなかったけれど。
ぼくは来年はナンバーファイブだ。
●ご声援、ありがとうございました。
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