伊藤/宇川組が、“真夏の祭典”鈴鹿8時間耐久V2を飾る!
ホンダ、1-2-3、表彰台独占!!

表彰台で、喜びを新たにする伊藤 真一(右)/宇川 徹(左)
予選トップを獲得した伊藤は、レース序盤から繰り広げられたトップ争いを冷静に見ながら、誰かが逃げようとするとアタック。絶妙な走りでレースをリードした。ペアライダーの宇川も、持ち前の速さで、伊藤が広げたリードを保つ。事前テストから、最もバランスの取れたペアとして優勝候補の筆頭にあげられていたふたりは、予想通りの走りを見せた。
今年からスーパーNKマシンも正式エントリーすることから、タイム差のあるライダーが増えることで、周回遅れの処理が、キーポイントと言われており、伊藤が周回遅れと絡み、コースアウトするという場面もあった。また、オイルを吹いたライダーが出たため、ペースカーが入る波瀾で、ふたりのリードが削られた。だが、そのどれもが、絶好調のふたりには、問題とはならなかった。自信に満ちたパーフェクトな走りを貫き、栄光のチェッカーを潜った。'97年は雨での勝利、今回は晴れでの勝利、どちらでも、速いことを証明したふたりは、V2を達成した。
2位にはレースウィークに入ってから転倒し、ダメージを受けながらも追い上げだジベルノー/バロス組が入った。3位には、スーパーバイク世界選手権で活躍するエドワーズとイタリアGPで負った左手首骨折の傷の回復のために世界GPをキャンセル、鈴鹿8時間耐久に照準を合わせトレーニングに明け暮れた岡田忠之が入った。ホンダが表彰台を独占、圧倒的強さを示した。
武田/加藤組は、激しいトップ争いを見せ堂々の走りを見せたが、2位を走行中の64ラップ目にトラブルが発生、なんとか、ピットまでたどり着いたが、マシンは修復不可能と判断、リタイアとなってしまった。
(文中の写真は、トップを走行する伊藤真一。最後のライダー交代目前)
伊藤 真一(優勝)
序盤のトップ争いは、様子を見ていました。トップが逃げたら、すぐに追いかける準備も出来ていたし、自分のペースで走ることができました。2回目の走行時、デグナーカーブで金安選手と接触してコースアウトしましたが、転倒せずにコース復帰出来て良かった。とにかく、一周、一周を大切に走ることを心掛けて、リラックスしようと努めて走った。去年はウエットでの優勝でしたが、今年はドライで優勝することが出来て、夢のように嬉しい。
宇川 徹(優勝)
伊藤選手の走行中に、ペースカーが入ったので、せっかく、広げた2番手との差がなくなってしまうのかと心配でしたが、20秒程のロスですんで良かった。スタッフもマシンもタイヤも、何もかもが、最高で、不安を感じることがなかったです。ドライで勝つことが出来て、本当に嬉しい。去年より、ずっと、嬉しい。気持ちがスカッとして、本当に最高の気分です。
S.ジベルノー(2位)
今回は、僕にとっての初の耐久レースだし、おまけに4サイクルマシンでレースをするのも初めてだった。不安もあったが、記念すべきホンダ50周年の年の8耐で2位に入れたことを本当に喜んでいる。8耐は大きなレースで、ホンダにとって、いかに重要か分かっているので、その一員としてくわわれたことを光栄に思っている。来年も出場して、今度は優勝したい。
A.バロス(2位)
2日前にはレースに出場することさえ難しいと思っていたんだ。ドクターには本当に感謝しているよ。ホンダが今年も僕に8耐出場のチャンスをくれたことにとても感謝している。去年に引き続き2位だったけど、今回の方が、嬉しい。なんといっても、ホンダが表彰台を独占した嬉しい8耐だからね。
C.エドワーズ(3位)
レース序盤には、メカニカルトラブルが発生した。おまけに、ペースカーまで入って、波瀾万丈な1日だった。それでも、3位に入賞できて、ホンダのサクセス・ストーリーの一端となれたことを、本当に嬉しく思っている。
岡田 忠之(3位)
チームやペアライダーの変更があって、ごたごたしましたが、コーリン(エドワーズ)と組むことが決まってからは、ただ、レースに集中してました。負傷した左手首のことは、ちょっと、心配でしたが、なんとか、大丈夫でした。トラブルが出たことは、残念でしたが、それも、8耐だと思ってます。それでも、3位だったので、良かったと思っています。
武田 雄一(リタイア)
序盤はミスをしてはいけないと慎重に走っていたが、2回目はペースを上げていこうと思っていたら、大ちゃん(加藤)がマシンを押していることを知り、何のトラブルなのかと心配だった。もう、優勝は無理だと思ったけど、なんとか、完走したかったので、ライダーチェンジの準備をして待っていた。レースだから、いろいろなことが起こるのはわかっているつもりだけど、やっぱり、悔しい。来年の8耐も大ちゃんと組んで優勝を狙いたい。来年を待ちきれない気持ちだ。
加藤 大治郎(リタイア)
スタートしてから4台のバトルでは、ペースも良く走りやすかった。でも、2回目の走行中、ヘアピン立ち上がりで2速に入れたあたりで、急にトラブルが出てしまった。スプーンまでは、惰性で走ったが、その後マシンを押してピットに戻った。ヘトヘトになったが、早く帰って再スタートしたい一心で、マシンを押し続けた。どうしても、完走したかったから、すごく、残念。早く来年の8耐を走りたい。
吉村 平次郎(HRC総監督)
1-2-3フィニッシュは、やろうと思ってできることではないので、達成した喜びはひとしおです。これもスタッフひとりひとりと、ライダーが力を合わせ、ホンダチームの総合力でなし得た栄冠だと思っています。#100のリタイアはとても残念ですが、ホンダ創立50周年というプレッシャーの中、最高の結果を残すことができました。
これからもホンダは、勝ち続けるために努力をしてまいります。応援してくださったファンの皆さま、ご声援ありがとうございました。
岩城 滉一(カストロールホンダ&イワキ名誉監督)
感動の一言です。GPライダーのプロの仕事を目の前で見させていただき、とにかく感動させてもらいました。マシンに不慣れということもあり予選は10位という結果でしたが、いざ決勝が始まると着実に順位を上げて行き、終盤にいたっては守るどころかさらに攻めようとする両選手の姿に、プロとしての姿勢を感じ、とにかく感動しました。
高橋 国光(ラッキーストライク ホンダ名誉監督)
ライダーもチームもとても調子がよく意気込んでいたのに、早い時間のリタイアになってしまい、とにかく残念です。2人ともプロライダーなのでこれもレースと分かっているようですが、もっと走りたかったでしょうし、とにかく無念だったと思います。この気持ちをバネに再度挑戦し、次のレースへの活力にして欲しいと思います。
頑張ってくれたチームの皆さんと応援してくださったファンの皆さんに感謝しています。
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