OCEAN MASTER STORY

世界のプロが選んだHonda

世界で活躍するHonda船外機の
知られざるストーリー

2016.01.06
名匠一族の新たなる挑戦 3

30フィートランナバウト、
いよいよ建造へ

コラム

佐野造船所の歴史Ⅲ

Hondaの4ストローク船外機、75TWINで機走する「ドーバーI」。
舵を握るのは8代目の佐野一郎氏。新木場周辺で出航途中か。
(写真提供:佐野造船所)
東京湾で総帆展帆する日本丸に続く「ドーバーII」。このヨットはフラッシュデッキ仕様のレース艇だった。後に龍太郎氏の知人に譲られ、この写真が撮影されてから40年経った今も、クルージング仕様にアレンジされて活躍しているそうだ。(写真提供:佐野造船所)
1970年代に建造されたヨット「ドーバーI」と「ドーバーII」

佐野造船所で貴重な写真を見せていただいた。
1973年に佐野造船所で建造された「ドーバー1」と、1975年に建造された「ドーバーII」の写真だ。江戸時代から続く長い佐野造船所の歴史の中で、初のヨットが「ドーバーI」。 これは8代目の佐野一郎氏の「お客さんに売る前に、まず自分で乗る船を造って乗りこまねばいけない」という教えの中で、佐野稔氏が自分で乗るために設計・建造したクルージング仕様のヨットだ。すでにパワーボートを建造していた佐野龍太郎氏は、1975年にレース仕様の「ドーバーII」を建造。1978年に神奈川県の佐島で開催が決定していたクォータートンワールドの国内予選に自ら参戦するためのヨットだった。 興味深いのは、40年ほど前の古い写真にある2隻のヨットには、どちらもHondaの船外機が補機として搭載されていることだ。「ドーバーI」には7.5馬力の75TWIN、「ドーバーII」には9.9馬力のBF100が搭載されている。「4ストローク船外機は海を汚さない」という理由で選ばれた。
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