OCEAN MASTER STORY

世界のプロが選んだHonda

世界で活躍するHonda船外機の
知られざるストーリー

2022.03.30
名匠一族の新たなる挑戦 28

HondaブースにSANO31 RUNABOUT "RIGBY"出展
第61回ジャパンインターナショナルボートショー2022

Honda船外機BF250Dを搭載したオールマホガニーの美艇がインターナショナルボートショーHondaブースに登場!

走航性能と美しさを追求した究極の美艇であるSANO31 RUNABOUT "RIGBY"(サノ31ランナバウト"リグビー")は当初2020年のボートショーに出展予定だったが、ご存じの通り新型感染症の影響で開催中止となり、翌年2021年のオンラインボートショーで動画によるお披露目を行った。
佐野造船所によってワンオフ艇として建造されてきた24フィート、25フィートのマホガニー製のランナバウトシリーズはファンが多く、新造された31フィート艇を見たいと望む声が多くあった。
そして今年ようやく、ボートショーのHondaブースで実艇が展示されることになった。

設計と建造を担ったのは佐野造船所10代目の佐野龍也氏。

龍也氏が子どものころ見た、父である佐野造船所9代目社長の佐野龍太郎氏が建造した22フィートのランナバウトの恰好良さが忘れられずに建造することを決意した。

SANO31 RUNABOUT "RIGBY"の見どころはたくさんある。

鋭く波を切りながらもソフトな乗り心地と定評のある佐野造船所伝統のボトムには、30フィート近い長さを持つ一本物のマホガニーから削り出されたキールと、鉋(かんな)を駆使して手作業で削り上げたシャープなフィンが備わる。特に設計者の思惑を船底に見ることができるのが、幅広のチャインだ。高速走航中に沸き起こる無骨なスプレーを見事に叩き落とし、美しいウエーキを海面に残すことを計算した。


今回は屋内展示なのでボリュームのあるバウからトランサムに向かって、ねじるように絞りこまれていくタンブルホーム形状のハルを見ることができる。その艶めかしい曲線は、チーク(1層目)とマホガニー(2層目・外板)の二層構造で建造されているのだが、強度の違う二種類の木材を曲げ合わせる至高の技術がそこにある。
もちろんトランサムにはHonda船外機のフラッグシップ、DBW仕様のBF250Dが2基搭載されている。チョッピーな東京湾で実測値として40ノットを弾き出した。


そして華やかなバウデッキ。丁寧なコーキングが施され、特注品やイタリアから取り寄せた艤装品に飾られている。ランナバウトを建造する各国の造船所が力を入れる「見せ所」である。
さらにマホガニーを全面に活かしつつ、アルミ削り出しのスイッチを配置するなど機能美を追求したコントロールステーションは、建造中に龍也氏がイタリアに行き、最新トレンドを見極めて造り上げた。
ダッシュパネル上にはGPSプロッタ魚探が隠され、スイッチひとつでスルスルとせり出してくるというギミックもある。

世界から木造船建造の技術が認められている佐野造船所の究極の美艇を、是非ボートショーで見ていただきたい。

第61回 ジャパンインターナショナルボートショー2022
横浜ベイサイドマリーナ & パシフィコ横浜
2022年3月31日(木) ~ 4月3日(日)
(SANO31 RUNABOUT "RIGBY"が展示されるHondaブースはパシフィコ横浜会場)

SANO31 RUNABOUT "RIGBY" 今年のボートショーでいよいよ実艇のお披露目となる。

エンジンはHondaのフラッグシップ船外機、BF250Dが2基搭載される。
DBW(電子リモコン)仕様だ。

フレームから外板まで、佐野造船所の技術を駆使してマホガニーで建造された。

2基のHonda船外機BF250Dは、31フィートの艇体を40ノットまで引っ張る。

洗練されたプロフィールとマホガニーの豪華さを実艇で確認していただきたい。

設計・建造者の佐野造船所10代目の佐野龍也氏。

SANO31 RUNABOUT "RIGBY"
第61回 ジャパンインターナショナルボートショー2022、Hondaブース(パシフィコ横浜会場)に登場。

取材協力:(有)佐野造船所(http://www.sano-shipyard.co.jp/index2.htm)
文・写真:大野晴一郎