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OCEAN MASTER STORY

世界のプロが選んだHonda

世界で活躍するHonda船外機の
知られざるストーリー

2015.06.26

信頼性と耐久性の証明。
BF250の3基掛けで、
過酷なパワーボートレースへ。

BF250を3基搭載し、初陣に出場し完走を果たしたチーム・コルトの88号艇。
2015年5月、愛知県蒲郡市海陽町のラグーナビーチ沖で行われた「2015日本グランプリパワーボートレース in 蒲郡」(主催:日本パワーボート協会/愛知県マリンスポーツ連盟)に、BF250を3基掛けしたチーム・コルトの30フィートカタマラン艇(艇番88)が出場した。
パワーボートレースは、艇長、搭載エンジン、排気量などにより、細かくクラス分けされた中で競われるが、今回のレースには、F550、F3000 、V850、V3000、OFF4、OFF2、OFF1、OFF0の8クラスに62艇がエントリー。サイドハルを鮮やかなライトブルーに塗った88号艇は大型艇が競うOFF1クラスに参戦。8㎞の周回コースで行われた60分耐久レースに挑んだ。コックピットに収まるベテランの乗り手に支えられ、初陣を見事完走した。
陸送してラグーナ・マリーナに到着した88号艇。
レース直前、海面に下ろされる88号艇。
コックピットにチーム・コルトのベテランメンバーが収まった。
強風のために海面がラフになったため、レースは50分に短縮して行われた。 88号艇は風波の中を無理をせず、後々のレースに活かすデータを取得するため、「初陣完走」を目指して走り続けた。 押さえた走りはべラテンメンバーにしかできないことだ。 レースの数日前には、シェークダウンを兼ねて神奈川県の浦賀沖で行っ た試走で、74〜75ノット(6300rpm)を記録している。「 これはOFF1クラスで勝てるスピードだ」そう語ったのは、BFのセッティングなど艇体の艤装を行った協立マリン(神奈川県横須賀市長瀬)の竹山政宏氏だ。
強風のレース海面を完走。1周8キロの周回コースを50分38秒78で9周した。
同クラスの229号艇(KEレーシング)と競う88号艇。
レースを見守るチーム・コルトの面々。
さらに竹山氏によれば、BF250をレース艇に搭載するにあたり、エンジン本体には一切手を加えていないということだ。海のF-1と称される過酷なレースに、市販のままのエンジンで戦った(BF250の情報はこちら)。 唯一、冷却水は船底に伸ばしたホースより取水することにした。写真のとおりだ。 これは一般的なプレジャーボートの走り方とは違って、高速で波間を飛ぶように走るレース艇が、冷却水を確実に吸い上げさせるための策なのだそうだ。
船底からエンジンに伸びる冷却水取水ホースに注目。拡大してみると従来の取水口は塞がれているのがわかる。
今年3月に開催された「ジャパンインターナショナルボートショー2015」のHondaブース。3基掛けされたBF250が注目を集めた。
今年2月、協立マリンにおいて、まずはボートショーのためのエンジンセットが始まろうとしていた。3基ならんだBF250の向こう側に、セッティングを待つ白いハルが見える。
ところでこの88号艇、今年3月に横浜で行われた「ジャパンインターナショナルボートショー2015」のHondaブースに展示された艇体と同一のものである。もちろんBF250 が3基セッティングされ、来場者の注目を集めていた。そのセッティングも協立マリンで行われた。ボートショー直前の2月下旬、まだデカールも貼られていない無垢の艇体にBF250 がマウントされ、さらに88という艇番シールが貼られ、ボートショーでお披露目された。竹山氏によれば、「このときのエンジンのセッティングは、あくまでもディスプレイ用。レースのための走らせるセッティングとは全く違う」とのことだ。
作業中の竹山氏。まずはセンターエンジン本体を取り付ける。
デカールはまだだが、エンジン3基がボートショーのディスプレイ用にマウントされた。
走らせるためのセッティングは、長年レースに挑んできたチーム・コルトのベテランメンバーのノウハウと、協立マリンの熟達した技術の中で行われた。 たとえば3基並ぶエンジンの切れ角。手動油圧により結びつく3基のエンジンだが、外の2基が30度切れても、センターエンジンの切れ角は27度に収まるように、1割減角セッティングされていることなどもそうだろうし、外側2基のエンジンのために、両舷のスポンソン内に250リッターの燃料タンクが装備されているのに対し、センタ—エンジンの燃料タンクは150リッターに留めてコックピット下に収めたことなど、無駄を省き、バランスを見据えた巧みな計算が見え隠れしている。

「(エンジンがマウントされる)ジャッキプレートは上下幅で6インチほどの可動幅があるけれども、走りながらセッティングを出していかなければならない」(竹山氏談)など、実走の中で求めるチューニングも多くある。「ペラも蒲郡では外側2基がピッチ34、センターが32で走らせたけれども、チューニング次第では変更する可能性もある」 初陣を完走した88号艇だが、目指すのは優勝である。最高のパフォーマンスを得るための準備は、すでに始まっている。
外側2基のエンジンとセンターエンジンは、切れ角が微妙に違うセッティングが施された。
チーム・コルト所属の117号艇はOFF-4クラスに参戦。BF225をマウント。
こちらもチーム・コルトの所属701号艇。OFF-2クラスに出場。エンジンはBF225の2基掛けだ。
取材協力:チーム・コルト、(有)協立マリン
文・写真:大野晴一郎