「Hondaって、マリンもやってるんだ?」そんな声を聞くことがあります。
実はHondaは、船を動かすエンジンである「船外機」も開発しています。海や湖、川など世界中の水辺で、多くの人の仕事やレジャーに使われているのですが、日本ではクルマやバイクのHondaは知っていても、船外機については知らないという方が多いようです。
そこで今回編集部は、Honda船外機とともに日々を過ごす2組のお客様を訪ねました。一人は、茨城県の利根川でスズキ漁を営む高橋弘一さん。もう一人は、山梨県・山中湖で、ワカサギ釣り体験を提供する「丸一荘」の長田良浩さん。漁師とレジャー。一見まったく異なる仕事ですが、その現場には共通する想いがありました。
もともと魚にも船にも
興味がなかったんです
――夕方の利根川。漁に向かう船上で、高橋さんは少し意外な話をしてくれました。
「魚も船も、まったく興味がなかったんですよ」
――釣り好きだったわけでもない、漁師の家系でもない。
「きっかけは、保育園からの同級生の伊藤哲也さん(MGマリーン鹿島)だったんです。漁師をしながら、マリーナ運営や船舶販売・整備もやっていて。そんな伊藤さんから漁の話を聞いていたら、“なんだか面白そうだな” と思ったんですよね。それで直ぐに、船の免許を取ろうと本格的に考え始めました(笑)」
――今では、漁師歴5年、年間70回ほど利根川へ船を出し、スズキ漁やシラスウナギ漁に携わっています。
「やっぱり最初はうまくいかなかった。3ヵ月は本当に魚が獲れなかったんです」
――他の漁師が同じ川で同じように漁をしているのに、自分は成果が出ない。場所なのか、時間なのか、網の入れ方なのか。仲間と何度も何度も話し合いながら試行錯誤を重ねたそうです。
魚より人に
助けられました
「自然相手だから正解がないんですよね」
――魚が獲れない日もある。悪天候で船を出せない日もある。夏は暑い、冬は厳しい寒さ。それでも漁を続けてきた理由を伺うと、高橋さんは少し考えてから答えてくれました。
「人ですね。きっかけも伊藤さんだったし、漁仲間と楽しくやれている。魚というより、人(笑顔)」
安心して乗れる。
それが一番

――高橋さんの船の船外機はHonda「BF150」ですが、Hondaを選んでいただいた理由は?
「漁のきっかけをくれた伊藤さんの推しですね(笑)。『燃費がいいし静かだから、Hondaがいいぞ』ってずっと言われていました。長年、船舶整備に携わってきた人なので、その言葉には説得力がありましたね」
――実際に使ってみていかがですか?
「燃費は本当に助かっています。一回の漁で使う燃料が変わると、積み重ねで大きな差になりますから。それに静かなので、走っているときも普通に会話ができます。それと、排気量が大きいからかトルクがあるので、以前の船と比べて漁獲が多い日もよく走ってくれますね」
――長く使っているからこそ感じる魅力もありますか?
「やっぱり壊れないことですね。仕事で使うので、船が出せないと困るんです。だから安心して乗れるというのが一番大きいと思います」
――漁は仕事です。船が出せなければ、その日の収入にも関わります。だからこそ、トラブルなく動き続けることが何より大切だと高橋さんは話します。また、高橋さんたちの漁では、夜間の照明や漁に使う機器へ電力を供給するため、発電性能も欠かせません。
「魚を獲るための機械がしっかり動いてくれないと困りますからね。充電能力に余裕があるので、船上で高圧洗浄機なども使えるようになってとても便利になりました」
またホンダを
選ぶと思います
――取材の最後に、こんな質問をしてみました。――高橋さんにとって船外機とは? しばらく考えたあと、高橋さんは静かに答えました。
「命を預けるもの、ですかね」
――川や海の真ん中でエンジンが止まれば、自力では帰れない。仕事の道具である前に、安全を支える存在。だからこそ信頼できるものを選びたい。
「これがダメになっても、またHondaを選ぶと思います」
冬にも
何かできないか
――場所は変わって山梨県・山中湖。ワカサギ釣り体験を提供する「丸一荘」の長田良浩さんを訪ねました。現在では冬の風物詩として知られるワカサギ釣りですが、その始まりはシンプルな発想でした。
「冬にも何かできないかなと思ったんです」
――夏は水上スキーやウェイクボードで賑わう山中湖。一方、冬になると観光客は大きく減ります。
「夏だけじゃなくて、冬も山中湖を楽しんでもらいたかったんです」
――そこで考えたのが、暖かいドーム船で楽しむワカサギ釣りでした。家族や仲間だけで楽しめる貸切型の小型ドーム船を船メーカーへ提案。現在の丸一荘のワカサギ釣りスタイルを作りました。
水上のカブ
みたいなもの
――丸一荘のボートにはHonda「BF2」が搭載されています。導入したのは2005年、20年以上前のこと。
「当時、4ストロークで選ぶならHondaしかなかったんです。20年超えていますけど、メンテをしていれば、まったく問題ないです。さすがHondaですね」
――そして今も使い続ける理由を聞くと、長田さんはこう話してくれました。
「これ、水上のカブみたいなものなんですよね」
――シンプルで壊れにくい。扱いやすくて、誰でも使える。必要以上に気を使わなくても、ちゃんと応えてくれる。まるでスーパーカブのような存在だといいます。
「特別なことはなく、ちゃんと日々、動く。それが一番なんですよね」
氷点下10度でも
安心なんです
――長田さんが評価するポイントのひとつが空冷エンジンです。一般的な小型船外機は水冷式ですが、BF2は空冷式。山中湖では真冬に氷点下10℃を下回ることもあります。
「空冷なら真冬も大丈夫です。メンテナンスも圧倒的にラクですね」
――船に詳しくない人でも扱いやすく、管理もしやすい。年間を通して多くのお客様に貸し出す現場だからこそ、その価値を実感しているそうです。
お客さんでもラクに運転できる
――長田さんは、もうひとつ印象的な言葉を聞かせてくれました。
「免許不要というだけでなく、Hondaの船外機は説明が一番ラクなんです」
――理由は操作性です。遠心クラッチによって、スクーター感覚で扱えるため、初めて船に乗る人でも理解しやすい。
「操作について初心者に説明しなければならないことが少ないんです」
――家族連れや観光客が多い現場だからこそ、誰でも安心して楽しめること。それが長田さんの大切にしている価値でした。
お二人の求めたものは同じだった
漁を営む高橋さん。ワカサギ釣り体験を提供する長田さん。仕事も環境も、船外機に求める性能も違います。それでも、お二人の話を聞いていると、共通していることが。
必要なときにきちんと動いてくれる、信頼性、そして安心して長く使い続けられること。それは船外機に限らず四輪や二輪も同じ。Honda製品が約束する本質なのかもしれません。
「命を預けるもの、です」そう語った高橋さん。
「特別なことはなく、日々、ちゃんと動く。それが一番」20年以上使い続けているBF2を見ながら話してくれた長田さん。
Hondaの船外機、それは、水辺で生きる人たちの仕事や挑戦の“相棒”でした。
※プロ指導のもと安全に配慮し撮影しております。
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