トミカ

プレリュードから拡がる HOBBYの世界【トミカ編】

プレリュードから拡がる
HOBBYの世界【トミカ編】


クルマを好きになる、そのきっかけとして、HOBBYの世界があります。5月に開催された「静岡ホビーショー」を訪れた編集部、タミヤから発売予定の新型Preludeのプラモデルの取材を終えたあと「タカラトミー」ブースで「新型Preludeのトミカ(ミニカー)」の展示を発見!こちらも今秋、発売予定との告知が。これは??

 
新型Prelude 開発責任者 山上智行(開発責任者=LPL)

――山上LPL、これは?

山上LPL 実はタカラトミーさんのトミカも、タミヤさんのプラモデルと同様に、実車との同時期発売を予定いただいているんですよ。

――そうだったんですね!

――そこで編集部は後日、タカラトミー本社の担当者 トミカ事業部グローバルブランド戦略課 田中昂義さんに、会いに行きました。

累計販売台数

10億台突破!

――トミカといえば、世界中で、すごい数が販売されていますよね?

田中さん 1970年に世に出てから、累計10億台を突破しました。

――10億台!! Hondaの二輪生産台数が、先日5億台を突破したんですけど、10億台とは、スゴいですね!

田中さん ありがとうございます。55年前に発売されて以来、展開してきたさまざまな商品シリーズの累計の台数です。ですから初期のトミカを購入された方たちが、今では大人になって、その方がお孫さんと一緒にとか、親子でトミカを楽しむ、といった背景も積み重なって、累計数が伸びているのではないでしょうか。

株式会社タカラトミー
トミカ事業部 グローバルブランド戦略課
田中昂義さん
  • トミカ_logo

――Hondaの開発者やデザイナーたちのインタビューでも、幼い頃にトミカで遊んだ原体験から、自動車メーカーを目指したという人も多いんですよ。55年前となると、田中さん自身が生まれる、ずっと前からあったブランドですね。

田中さん 私自身も幼い頃に、集めたり遊んだり。それが大人になって、つくる方になるとは思ってもいませんでした。そういう意味では、トミカを開発し拡げてきた先人たちにも感謝です。

――今回、新型Preludeのトミカが、実車の発売と同時期に発売されると聞きました。これはどうして?

田中さん 2023年頃、まだプレリュードと名前も決まっていない時に、山上さんから「カッコいいスポーツカーを出すんだ」と聞きまして、その後モビリティショーにコンセプトモデルの展示を見学に。「うわー! プレリュードなんだ! 復活するんだ」って、かなり驚きましたね。

――どうやら山上LPLは、タミヤさんと同時に、タカラトミーさんにも相談に伺ったようです。タミヤの模型とトミカのミニカー、それぞれ楽しみ方が違うHOBBY。それぞれの価値をわかったうえで山上LPLは、双方に相談に行っていたようです。クルマ自体の開発と同時に、HOBBY業界とも一緒に盛り上がりたいという、山上LPLの熱意を編集部は感じました。

田中さん 昭和のプレリュード、赤いデートカーのことは私も知っていましたので、モビリティショーで、「おお! 進化して先進的になったなぁ」と感じました。そこから同時期発売に向けた、今回の企画がスタートしました。

――ちなみに、Honda車も数多くトミカとしてミニカーになっていますが、全車種というわけではないですよね。これはつくる、つくらないという判断は、どのように?

田中さん 私たちには、子どもたちに自動車文化を伝えるという目的が根幹にあります。その意味で、かっこいいスポーツカーだけでなく消防車やパトカーなど、はたらくクルマもつくっています。そのスタンダードなシリーズが、1番から120番まで。その中で入れ替えていきます。色々なクルマ、乗り物があることを子どもたちに伝えたいので、SUVが多くなりすぎるとか、緊急車両ばかりになるといったことにはならないように気をつけています。そういう思想に基づいて、120種をセレクトしますので、残念ながらHondaさんの車種を全てミニカーに、というわけにはいかないのです。

  • トミカ・プラレールブロック CIVIC TYPE R
 

――でも最初は実車もない状態で、小さくしていくのは大変だったのでは?


田中さん 我々のトミカは対象年齢3歳のおもちゃですので、安全面を最も重視しており、ドアミラーなどの突起物はできるだけ付けず、必要な場合も小さくデフォルメするなど、ミニカーならではの工夫をしています。

そうした変更点について元々の車両のデザイナーさんたちに納得していただくには時間がかかりますが、3Dプリンターで何度も試作品をつくりながら意見をいただくという交流を、Hondaさんが非常に前向きに行なってくださったおかげで、良い挑戦ができたと思います。

――今回も結構、試作を繰り返したんですか?

田中さん すごく繰り返しました。特に、色=カラーはクルマの塗装と同じようにはいきません。トミカは、対象年齢3歳向けとして実車とは使用している塗料も異なるため、カラーの調整などではお時間をいただいてしまいました。でも、そういう作業を諦めずにお互いに話せて、1年半以上をかけて開発させていただけたので、私自身、このプレリュードには思い入れが深く、満足のいく仕上がりになったと思っています。

――そういえば、今年1月の東京オートサロンのHondaブースでは、開発途中段階のトミカの展示もありましたね。

田中さん はい、そういうチャレンジも初めてのことでしたけど、大きな話題になって嬉しかったですね。Hondaさんは開発者のみなさんのこだわりや熱意が凄いので、コミュニケーションが楽しいですし、今回の企画には思い出が詰まっています。新型Preludeのトミカが発売になったら、私も子どもたちに渡して、話を聞かせたいな、なんて思っています(笑顔)。

自動車の文化を

伝え拡げる

――世界で10億台を超えたトミカ。みなさん誰もが一度は、見たり買ったり遊んだり飾ったりしたことがあるのではないでしょうか。子どもたちが遊ぶだけでなく、大人がコレクションにする、さらにはトミカがきっかけで、自動車に関われる仕事に就く、まさに田中さんの言葉にあったようにトミカには「自動車の文化を伝え拡げる」役割があるように思いました。


今回は「静岡ホビーショー」の取材をきっかけに、新型Preludeから拡がるHOBBYの世界をお伝えしました。さぁ、同時期発売は、今年の秋の予定。タミヤファン、トミカファン、そしてHondaファンのみなさん、楽しみに待ちましょう!

今回の記事はいかがでしたか?
ボタンをクリック!

  • 面白かった!
  • イイネ!
  • イマイチ

Ranking

人気記事ランキング

Recommend

編集部おすすめ