2024.11.29
この可愛い乗りものは『Honda Shogo(ホンダ ショーゴ)』という乗りもの。
これに乗る子どもたちは、入院中の病気と闘う子どもたち。本人やご家族の不安を和らげることを目的に、ホンダ・レーシング USAのエンジニアたちが開発した電動モビリティなんです。この特別な乗りものが、Hondaとホンダモビリティ南関東を通じて、日本で初めてトライアル導入されると聞き、「埼玉県立小児医療センター」に向かいました。
出迎えてくれたのは、「埼玉県立小児医療センター」大橋先生。アメリカの病院に導入されているネットニュースを見つけたのが、『Honda Shogo』を知るきっかけだったそうです。
きっかけは、
ネットの
ニュースでした。
大橋先生:
実は、入院中の子どもたちや、ご家族の不安を少しでも和らげたい想いで、手術室までの移動に、おもちゃの自動車を使っていました。子ども病院にくる患者さんって、重症の方が多いんです。一回手術して終わりではない。小さいお子さんが、何度も何度も手術しなければいけない、するとトラウマのようになるんです。そんな不安な気持ちをどうにか無くしていきたいと。
アメリカでも論文が出ていて、自分で運転していくことで前向きな気持ちになり、手術室へのストレスを軽減できる、というデータもいっぱいあるんです。それで、こちらの病院では、おもちゃの自動車を使っていました。
大橋先生:
でも、点滴や心電図などを付けていると、運転できなかったんです。ある日、ネットの記事でHondaさんがアメリカの病院で、点滴や医療機器も載せられる『Honda Shogo』という乗りものを創っているという、ニュースを見つけました。当時、フリードに乗っていた私は、すぐに縁のあったHondaの販売店さんに、どうにか、日本の子ども病院でも導入出来ないか? と相談したのがきっかけでした。
大橋先生:
でも、アメリカでの導入なので、日本では厳しいかも……と言われ、僕も諦めていたんですね。そうしたら、この春、Hondaさんから連絡があり、1台、埼玉の倉庫に来ていると!……本当にビックリしました。僕が勝手にお願いしただけだったのに、動いてくれていたんです。
アメリカから日本へ。
トライアルに
挑戦した理由とは?
――いきなり到着したんですね!
Hondaの社会貢献推進室 田中室長
いったいどういうことだったのですか?
田中室長:
実は、日本への導入は考えていませんでした。そもそも『Honda Shogo』のようなモビリティが、日本の病院でニーズがあるということ自体、知りませんでした。今回、大橋先生がHondaの色々なところにご連絡をくださったことと、私自身、何か少しでも、本当に困っている人たちの役に立ちたいと常々思っていたので、すぐにアメリカに連絡しました。ちょうどアメリカでは各州にデリバリーが始まった最中だったのですが、なんと、すぐに日本へと貸出してくれたんです。
きっと、大橋先生と病院の熱量が、アメリカのチームにも伝わったんだと思います。今回、大橋先生からの連絡が無かったら、日本への導入は実現していなかったかもしれません。
アメリカから空輸で送られてきて、すぐにはお渡しできませんでした。『Honda Shogo』を受け取ってから、日本のエンジニアたちの手で本物のクルマのように念入りな作動テストを行ったからです。そのために、トライアル導入開始まで少し時間がかかりました。
――もともと、どうしてHondaはこのクルマを創ろうとしたんですか?
田中室長:
子どもたちの入院生活の苦労を和らげ、いい思い出を提供したい、Hondaのモビリティを通じて何か出来ることはないのか?という想いから、インディカーのエンジンを開発しているアメリカのエンジニアたちが、ボランティアで集まり生み出しました。
でも、Hondaが創るものですから、おもちゃではなく、本物のクルマと同じようにこだわって創りました。今、アメリカでは、各州の病院に1台ずつ配置をしていく計画が進んでいます。
――今回、トライアル導入に尽力した、ホンダモビリティ南関東の高橋社長にもお話を伺いました。
高橋社長:
今回、Hondaの強みを活かして、困難な状況にいるお子様を応援できる機会をいただけたことに、大変感謝しております。お子様が『Honda Shogo』に乗ることで、不安やストレスを和らげることに繋げて、勇気と笑顔を与えたい。このトライアルで病院の皆さまにも、色々なご意見をいただきながら、本格始動できるように一緒に進めていきたいと思っております。
――大橋先生、今、目の前に『Honda Shogo』がやってきて、いかがですか?
大橋先生:
僕の思いつきから始まっただけの小さなきっかけでしたが、Hondaさんが国を越えて動いてくれたことが、凄い嬉しかった。『Honda Shogo』は、きっと一人でも多くの病気のお子さんを笑顔にしてくれる、そんなクルマだと思います。全国の病院に拡がっていくと、嬉しいですね。子どもたちは、我々の未来ですから。
――田中室長、今後、日本で広がる計画はあるんですか?
田中室長:
まずはトライアル導入ということで、ここからがスタートだと思っています。『Honda Shogo』は、販売店のサービススタッフのノウハウ、スキルがあれば整備ができますから、メンテナンスもHonda Carsで対応できるはずです。
できるなら今後、日本中の子どもたちに勇気を与えることができたらと思っています。そのためには、私たちHondaだけでなく、様々な方の応援や、企業を超えた取り組みが拡がっていくことが必要だと思っています。
――実際に、Honda Shogoに試乗した、鈴木さんご家族にお話しを伺いました。
鈴木さんご家族:
Hondaがこういうクルマも開発していることに、驚きました!試したうちの息子はまるで本当のクルマを運転するように真剣でしたね(笑)。以前、私たちの娘が手術室に行くときも、大泣きして辛かったので……あの時に『Honda Shogo』があったら良かったのにと思いました。もっともっと病気の子どもたちも笑顔になって、嫌な記憶が残らない未来につながれば親としては本当にありがたいと思います。
――『Honda Shogo』は、日本ではまだトライアル導入で 今後の展開の詳細は決まっていません。ただ今回は、埼玉県立小児医療センターと、ホンダモビリティ南関東、Hondaの三者の想いが集まり、アメリカから埼玉に届きました。
みんなの想いが詰まった『Honda Shogo』には、モビリティで移動する喜び、子どもたちを笑顔にするパワーがあることを感じることができました。
“入院中の子どもたちに勇気と笑顔を与えたい”
Hondaは、病気と闘う子どもたちを、応援しています。
今回の記事はいかがでしたか?
ボタンをクリック!
人気記事ランキング
編集部おすすめ