編集部が知っている
Nシリーズの秘密

2024.9.30
編集部が知っている、Nシリーズの秘密
Hondaの軽自動車「Nシリーズ」に「N-BOX JOY」が加わりました!チェック柄のシートがすごく新鮮に、編集部は感じました。

今回は、Nシリーズに新たな仲間が加わった機会に、Honda magazine編集部独自目線で、Nシリーズを振り返ってみたいと思います。
東京モーターショー2011
N-BOXの初登場は2011年のモーターショー(現在はモビリティショーに名称変更)でのお披露目でした。その場でHondaは一気に、N-BOX、N-BOX Custom、N-BOX+、N-ONEを披露。4台が同時にターンテーブルで回る姿は、壮観でした。

といっても、このときはまだ、N-BOX+、N-ONEという名前は発表されず、コンセプト3、コンセプト4という名称でした。さらにコンセプト3=N-BOX+は、クレイモデルのカットボディ(車体をバッサリ切って、内部が丸見え)だったんです。なぜ、そんなバッサリ切ったボディをHondaは展示したのか? みなさん、わかりますか?
その答えの一つは、内部の使い勝手の良さを見せるためだったのですが、もう一つの答えは……。それは、Nシリーズに共通するHonda独自の技術を見せるためだったのです。
濃いHondaファンなら、この答え、わかりますよね。その答えとは「センタータンクレイアウト」。前席の下に薄型化した燃料タンクを配置することで、軽自動車サイズでも、広い室内空間を実現できたことを見せたかったのです。

この技術、現在のNシリーズすべてに(もちろん今回の「N-BOX JOY」にも!)活用されていますが、実はさかのぼれば、2001年に登場した初代FITの開発で発明された技術なのです。
イラストはイメージです(2021 Vol.39より)
Honda magazine 2010 Autumn号で、フィットの初代開発責任者、松本さんにお話を伺ったとき、こんなことを話しています。

ー初代フィット開発責任者
「どうしたら室内を広くできるかと、図面を描きまくってました。朝から晩まで、考えて考えて。そんなある夜、鉛筆で真っ黒になった図面をぼんやり見ていたら、クルマの真ん中だけ白く残っているのに気がついて……あ! ここに燃料タンクを移せば、と思いついた。まさに、神が降りてきたような瞬間でした」
初代フィット開発責任者(2010 Autumn号より)
考えて考えて考え抜くと、神が降りてきたような瞬間って、本当にあるんだなぁと、編集部でも強く印象に残っています。

こうして、普通は後部座席の後方や下にあるのが常識の燃料タンクを、薄くして前席の下に配置したことによって驚くような広い空間を手に入れたFIT。そのセンタータンクレイアウトは、Nシリーズの開発にも活かされたのです。

さらに、燃料タンクを車体中央に配置することで低重心になり、安定感のある走りが可能に。この技術は、Hondaのさまざまなクルマに今も応用されています。
そしてさらにNシリーズには、Hondaが2003年のオデッセイで実現した技術も注がれています。燃料タンクの形や排気系レイアウトの工夫で、ミニバンの室内空間なのに低い全高を実現した3代目オデッセイ、その低床化技術も、継承されました。
初代N-BOX開発責任者(2012 Spring号より)
さらに、Nシリーズには独自の開発技術も。初代N-BOXのデビュー時のHonda magazineのインタビューで開発責任者の浅木さんは、こんな裏話を語ってくれました。

ー初代N-BOX開発責任者
「つぶれた状態からエンジンを設計するという前代未聞の挑戦をしました。室内を広くするために、エンジンルームを小さくしながら、どうやって空間を確保するか。考えた末に出てきた逆転の発想でした」


この発想により、衝突時に安全を確保しながらも、エンジンルームを小さくすることに成功したのです。
「N360」当時のカタログより
つまりNシリーズは、センタータンクレイアウト、低床化、エンジンルームを小さくする、といったHonda独創の技術により、軽自動車とは思えない室内空間の広さを実現したとういうわけです。

そして、これらの技術は、すべてのNシリーズに注ぎ込まれています。こうしたパッケージングの知恵やアイデアは、実はHondaがクルマ創りを始めた頃からの思想に基づいているのです。「M・M思想」=「人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に」という思想に基づき脈々と伝承される「Honda DNA」のひとつなのです。




今回は、Nシリーズの秘密を、編集部独自目線でお伝えしました。Nのオーナーなら、もう知っていたよ、という話も多かったかもしれませんが。最後まで閲読、ありがとうございました。これからのNシリーズにもご期待ください。


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