出前お願いしまーす!
— 第2話 —

2024.3.29
Supporter Life
出前の味『スーパーカブ』。
長年愛される老舗の飲食店の店先。出前機の付いた『スーパーカブ』を見かけることが多い。もともと『スーパーカブ』の最初の広告も「お蕎麦屋さん」だった。でも近年「出前」を個人経営のお店で行う店も減ってきている。
そこで、今でも『スーパーカブ』で出前を続けるお店に、ご愛用いただいている御礼を伝えるとともにお話を伺いにいきました。
中華料理
万味まんみ
『スーパーカブ』で、今日も出前に。
東京・小平市。一橋学園駅からほど近い商店街の一角に『中華料理 万味』はある。昭和50年に創業し、まもなく50年を迎える万味は、二代目にあたる小榑友之こぐれともゆきさん・充恵みつえさんご夫婦と、先代の奥様で切り盛りしている。そんな『万味』のオススメは、豆腐そばにザーサイ丼、気になるネーミングの品々だ。この日も忙しく『スーパーカブ』におかもちを載せ、出前に戻られたばかりの友之さんにお話を伺った。


――小榑友之さん(二代目):

両親がこの場所で店を開き、来年で創業50年になります。出前は創業直後からやっていましたが、今は、出前が6割、店が4割くらい。先代が抜けてからはひとりで出前に出ているので、店は妻に任せて僕は出前とおしゃべり専門です(笑)。最近は町中華が人気だからか、若いお客さんも増えましたね。
――小榑充恵さん(妻):

結婚するときからお店を手伝うことになるとは思っていました。もちろん最初から料理ができたわけでなく、時間をかけて覚えてきましたね。豆腐そば以外では、チャーハンやもやしそばもよく出ます。私もバイクには乗るんですが、出前は、若旦那(夫)に任せきりで……。おかもちを付けて走るのって、どんな感じなのかなと興味はあるんですけどね(笑)。
最近は町中華が人気だからか、
若いお客さんも増えましたね。


――小榑友之さん:

僕が店をやるようになってから、今のカブで6台目くらい。ガタが来る前に乗り換えていますが、走行距離が増えても頻繁には部品を換えないくらいですし、とにかく壊れない。このあたりは住宅街なので個人宅からの注文が多いんです。今はいろんな宅配サービスがありますが、『スーパーカブ』が町を走る。そんな店が残ってる町って何かいいですよね。

――小榑友之さん:

先代は70歳くらいまでカブに乗って出前をしていたので、自分もあと25年くらいは続けていきたい。ちなみに、たまには娘が店を手伝ってくれますが、常連さんから譲ってもらったモンキーに乗っているんですよ(笑)。そんな、バイクを譲ってくれる常連さんがいる、町に愛されるお店にしていきたいですね。



蕎麦屋
『水天宮 長寿庵』
高齢の一人暮らしの方にも
出前をしてくれる「お蕎麦屋さん」
次に、東京・水天宮。安産祈願で知られる神社「水天宮」にほど近いお蕎麦屋さん『水天宮 長寿庵』。昭和59年創業、40年続く町に根付いたお店。息子と両親の親子3人で切り盛りする店の人気のメニューは、熱野菜そばと、エビフライカレーそば。場所柄、寄席に出ている噺家さんも訪れる。歴史を感じる店構え、達筆な文字の看板をくぐり、スーパーカブとの縁を伺いました。


――田中智明さん(息子):

うちの蕎麦は、強い歯応えとつるんとした喉越しが特徴。今では扱っているお店も少なくなってきた茶蕎麦をやっています。でもコロナ禍の時は、本当に厳しかった……家族経営だから、何とか生き延びられた感じです。
そもそも、お店自体が狭いから、出前にも力を入れていて、近くの会社さんや高齢の一人暮らしの方に出前することも多い。パッと出前できるお店が意外に少ないので、うちはお客さんのためにも対応できるようにカブを使っています。
――田中一哉さん(父):

青山一丁目の『あおやま長寿庵』で修行して、うちはそこから暖簾分けしてもらっています。それこそHonda本社ビルが建つ前に。免許取って初めて乗ったバイクは、ホンダベンリイSS50でしたし、うちの息子も、お店に本田宗一郎の本があるくらいHondaのことが好きなんで、何か縁を感じますね……。なので、今回、取材の話が来た時 “Hondaさんからならお受けしろ” って息子に言ったほどです(笑)。
カブで出前を続けますよ。
待っている人がいるんでね。
――田中智明さん:

私が子どもの頃から親父はカブで出前をしていた。50ccから90ccに乗り換えはしましたけど、カブは全く不満が無い、出前の道具としたら最高なんです!やっぱり仕事柄、出前を運んでいる途中のトラブルは最悪ですからね。でも今まで一度もない。次もカブですよ。
もう良くも悪くも、カブはあって当たり前。“空気”みたいに馴染んでいます。時代が変わってもカブを換えるつもりもないし、出前も続けますよ。待っている人がいるんでね。
快く取材をお受けいただき、ありがとうございました! 今回、取材を通じて「時代が変わってもスーパーカブで出前を続ける」そんな想いを感じました。
高出力で頑丈、かつ乗りやすさを目指し開発された『スーパーカブ』。その役目はまだまだ続きそう。今日も町の食を支え、店主とともに走ります。


“うちのカブも取材して” そんなご希望の方、ぜひ、編集部までご連絡ください!



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