出前お願いしまーす!
#1『スーパーカブ』。

Supporter Life
Supporter Life
出前の味『スーパーカブ』。
長年愛される老舗の飲食店の店先。出前機の付いた『スーパーカブ』を見かけることが多い。もともと『スーパーカブ』の最初の広告も「お蕎麦屋さん」だった。でも近年「出前」を個人経営のお店で行う店も減ってきた。そこで編集部は、今でも『スーパーカブ』で出前を続けるお店に、ご愛用いただいている御礼を伝えるとともにお話を伺いに。
町中華
『銀龍』
『スーパーカブ』を2台使っている町中華。
訪れたのは。東京・志村坂上の住宅街にひっそりと佇む『銀龍』。昭和46年創業、地域に愛され50年以上続くお店。亡くなられた先代の増渕文男さん(以下、オヤジ)から、現在は甥である増渕省三さんに引き継がれ、40年以上働くベテランの河野良治さんとともにお店を続けている。ちなみに『銀龍』のおすすめは、チャーハンと醤油ラーメン。昭和的なネオンの看板の店先には2台の『スーパーカブ』。


ーー省三さん:
今では、住宅街ですけど、創業当時は工業団地が広がっていてね。そこに勤めていた従業員が、よく食べに来ていました。すっかり町は変わりましたけど、今でも親子三代で来てくれるお客さんがいたり、近くの高校の卒業生が定年になった今でも食べに来てくれています。
ーー河野さん:
先代の味と人柄を気に入って通っている方が多いですから、みなさん、いつも決まったメニューですね(笑)。私もオヤジの男気に惚れて、血は繋がってはいないけど店を継いだんだ。先代の味を今も守っています。
オヤジの意志を継いで
カブでの出前を続ける。


ーー省三さん:(写真:先代のオヤジさん)
カブでの出前は30年前から。今でも近くの団地だったり一軒家のお宅に出前することが多い。2台使う理由? 一応、パンクなど緊急な時にも対応できるようにしていますけど、カブは頑丈だから、ほぼそういうこともない。この店には欠かせない存在ですし、自分の手足と言ってもいいくらい(笑)。オヤジも、80歳までカブを使って出前をしていました。

ーー河野さん:
出前やるならカブが一番。馬力もあって乗りやすい。今では町中華で出前をやっている店が少なくなってきましたけど……跡を継ぐ人もいなくなったり。でも、オヤジがずっとカブを使って出前をしていたので、オヤジの意志を継いでカブでの出前を続けていこうと思っています。カブとオヤジは、もうセットみたいなもんですから。



蕎麦屋
『すぎ栄』
一人前からでも出前をしてくれる「お蕎麦屋さん」
次に東京・浅草橋へ。一人前からでも出前をしてくれる「お蕎麦屋さん」があると聞いて、鳥越神社の近くにお店を構える『すぎ栄』へ。昭和44年11月創業で50年以上続くお店。先代が日本橋で修行したのち開業。現在は二代目の名倉伸一さんと奥さんの二人でお店を切り盛りしている。年季の入った暖簾をくぐると、穏やかな口調の店主が笑顔で出迎えてくれた。取材の最中にも出前の電話がひっきりなしに鳴る人気店。独自の味のカレーせいろと、天ぷら蕎麦がおすすめ。


ーー名倉さん:
うちの店は普通の下町の蕎麦屋で、いい意味で変わらない。でも蕎麦といえどモノづくりですから、基本はしっかり。愛情込めて、日々、工夫しています。元々、子どもの頃から手伝いをしていたし、倅だから当たり前のようにこの店を継ぎました。中学の時には近所に出前に行っていたので16歳でバイクの免許を取ってカブで出前できるようになった時は本当に楽でうれしかった(笑)。ちなみに、最初に自分で買ったバイクはHondaのVT250Fでしたよ。
親父はとにかくカブを
大切にしていた。
ー 名倉さん
カブを2台使って出前をしていました。
かれこれ10台ぐらい乗り換えているのかなぁ。
ずっとカブなので、乗り換える時もバイク屋さんに
色を指定するだけですね(笑)。
カブから他には換えられません。
乗りやすいし、出前で積める量が他とは全然違う。
こんなバイクは他にないですよ。
ーー名倉さん:
鳥越神社「水上祭形代流し」では、ご祈祷が終わった後に、健康に長生きできるように、縁起物として蕎麦を食べていまして、ある時100人前を運んだんですが、カブじゃなきゃ出来ませんでしたね(笑)。出前は昔に比べてだいぶ減りましたけど、浅草橋近辺は一人暮らしのお年寄りも多いので、出前は一人前からでも受けるんです。元気な限りカブでの出前は続けますよ。
快く取材をお受けいただき、ありがとうございました! 取材を通じて感じたこと、それは「時代の変化で出前が減ってきても、これからも”一人ひとり”に味を届けたい。そのためにスーパーカブは必需品」そんな声をいただきました。
高出力で頑丈、かつ乗りやすさを目指し開発されたスーパーカブも発売から65年。その役目はまだまだ続きそう。今日も町の食を支え、店主とともに走ります。


なお「うちのカブも取材して」そんなご希望の方、編集部までご連絡ください!



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