ーー河原さん:
いちばん多いときはひとりでクルマを7台(笑)。乗り継いできた台数は多いけど、大きいクルマとか高級車は乗ってない。Honda車で一番印象に残っているのは、シティ・カブリオレ。デザイナーのピニンファリーナのバッジがついてる唯一のクルマ。ホントにカッコいい! 実は以前、エンリコ・フミアというピニンファリーナから独立したデザイナーにインタビューする機会があって、そのときには、シティ・カブリオレはもちろんピニンファリーナによるものなんだけど、ビートのデザインにもピニンファリーナが関わっていたと聞きました。公表はされていませんけど、さすがだなぁって。だってビートが出たとき、スーパーカーかと思いましたもん(笑)。Hondaのちっちゃいクルマが大好きですね。
Hondaは、他のメーカーとは、まったく異質だった。
ーー河原さん:
Hondaにハマったのは、学生時代に初代シビックSB1のGLを買った時からですね。バイトして貯めに貯めて初めて買った新車。どこかヨーロッパ車に近かったイメージ、Hondaってこんなにいいクルマを創るんだって驚きました。でも当時、親父から「お金出すから日産かトヨタにしろ」と言われるくらい、まだHondaのクルマは認知されてなかった。でもね、小さいけど中が広くて、乗ったらすごい良い。こんなクルマを創れるのはHondaしかないって思ってハマっちゃいました(笑)。他のメーカーとは、まったく異質でしたから。
ーー河原さん:
自慢のHondaとの思い出は、モーターマガジン社の取材で行ったビートの発表会のとき本田宗一郎さんの真横にいたこと。横にピタッとくっついて(笑)。すごく話が面白かったですね。その後お亡くなりになったので強く記憶に残っています。でも僕は、宗一郎さんというより四代目社長の川本さんファン。何回かインタビューもさせていただいて、すっかり好きになりました。
そうそう、インテグラ TYPE Rの試乗会に行ったときも思い出深い。もうずっとここにいたいって思うくらい楽しかった。えーこんな楽しいクルマを創っちゃったんだ!? って感じ。試乗会に一日中いましたもん。それで今はもう亡くなった女房に、「これ欲しいんだけど」って言って乗せたら「固い」って。それでもう泣く泣く諦めたんです……。