創業者から今のHondaにつながる想いを「挑戦する心」として紹介しています。
今号は、「色のことでは、忘れられない思い出がある」。
クルマやバイクなどHondaの製品に大きく関わる「色」。本田宗一郎は、こんな言葉を残しています。
「それは小学校三年生のときの天長節の日*だった。式があるというので、母がカスリの着物の上に、新しい緑色の帯をしめてくれた。僕は得意になって学校に行ったが、本田は女の帯をしめているといって、さんざん冷やかされ、泣いて帰ったことを覚えている。いま思うと、色に男と女の色があるというのはおかしい、あまり汚い色を使って人に不快な感じを与えない限りは、どんな色を使ってもいいと思う」
固定観念にしばられない考え方は、ダイバーシティー、多様性の時代をとらえる、今のHondaにとっても、大切な見識です。
∗現在の天皇誕生日にあたる祝日。
※本文中の本田宗一郎の言葉は、『ざっくばらん』(PHP研究所)より引用。