星空をキレイに写真にしたい。でもなかなか、うまくいかない。そこで、“星景写真”の第一人者 飯島 裕 (いいじま・ゆたか)さんに教えてもらいました。


6月に編集部とともに行った山梨県の西湖で撮影。あいにく雲がかかっていましたが、さすがの作品です。
【カメラ情報】
カメラ:OLYMPUS OM-D E-M1X
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
シャッタースピード:20秒 絞り:F2.8 ISO:3200

編集部女子が入門機で挑戦! してみます。初め、オートのままで撮ってみたら、ほとんど真っ黒(泣)。かろうじて明るい木星だけが。

でも先生に教えてもらったら、ここまで撮れました! 撮影したのは深夜12時!
【カメラ情報】
カメラ:OLYMPUS PEN E-PL9
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
シャッタースピード:30秒 絞り:F3.5 ISO:1600

先生に質問:特別なデジタルカメラが必要ですか?
飯島先生「ミラーレスや一眼レフの入門機でOKですよ。ただし、ピント、露出をマニュアル設定できるものがいいですね。ちなみに、スマホでは上手に撮れませんね〜」
先生に質問:コツは?
飯島先生「撮影中に揺れないことが大事です。ですから三脚を使うのがベスト。できるだけしっかり固定した方がいい。手持ちではムリですね」
先生に質問:どんな夜がいいですか?
飯島先生「大きな月が出ていると星はほとんど見えません。月齢の情報をアプリなどで事前に確認をした方が良いでしょう」

飯島先生直伝、星空の撮り方! を教えます
カメラを手動で設定します。オートのおまかせ設定のままでは、星空は撮れません。
カメラを手動で設定する5つのポイント!
(1) 撮影モードを、M(マニュアル露出)に。PやSやAでは、撮れません。
(2) シャッタースピード(露光時間)を、30秒に。
(3) 絞り(F値)は、一番小さな数値に。入門機はF3.5などが多い。
(4) 感度(ISO)を、3200に。
(5) フォーカス(ピント)を、AFではなくMF(マニュアルフォーカス)に。
※山や海など、街の光が少なくて星空がきれいに見える場所での値です。
試し撮りをしてチェック
[写真が暗すぎる場合] 感度(ISO)を、3200→倍の6400にするなど、調節する。
[写真が明るすぎる場合] 感度(ISO)を、3200→半分の1600にするなど、調節する。
さらに魅力的な写真を撮るには?
・ズームレンズの場合は、最も広角に。星空はそれでも入りきらないほど広い!
・セルフタイマーにする。シャッターを押す時、カメラがぶれるのを防ぐため。
・「手ぶれ補正」は「切」にする。三脚を使う場合「手ぶれ補正」はかえってジャマ。
・ホワイトバランスを「電球」に。写真が青くなり宇宙っぽさが出せる。
・空だけではなく風景を入れると魅力的な写真に。人物やクルマを入れて撮るのもオススメ。

飯島先生からみなさんへ
星空は、撮るのも楽しいですが、双眼鏡で見るのがオススメ。天の川を見ると、たくさんの星団が見えて、まさに絶景です。星の色の違いもよくわかって、面白いですよ。私も、クルマに仮眠できる装備を積んで、全国へ走って出かけます!