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グローバルな事業

各領域における商品開発の考え方

パワープロダクツ

「技術で人の役に立ちたい」 という創業者の理念に基づいたHondaのパワープロダクツ。農業・林業をはじめ、漁業や建設業など幅広い業態において、その作業をサポートする作業機械を提供しています。その開発については、使用時の快適性や操作性などの基本性能に重点をおきながら、使用環境や使用条件に応じた最適な商品を開発することを開発の基本的な考え方としています。

船外機

創業者・本田宗一郎の「水上を走るもの、水を汚すべからず」という理念をもってスタートした船外機開発は、2ストロークエンジン中心の船外機市場にHondaは環境に優しい4ストロークエンジンを搭載する船外機を開発して挑戦。多くのメーカーが4ストロークの船外機を開発・販売している現在の船外機市場の礎を築きました。

各地域にさまざまな商品を提供

Hondaは世界の各地域の要望に応えて、さまざまな完成機を開発・供給しています。

NORTH AMERICA / 北米

ハリケーンや大規模な水害などに対する危機意識の高い北米では、予備電源として可搬型発電機の需要が多く、また、アウトドアレジャーも盛んで、携帯型発電機や船外機の需要が大きいです。さらに、自宅の芝生の庭を自身で芝を刈ることがステータスでもあり、歩行型芝刈機の需要も多くなっています。

EU / 欧州

家庭に庭をもつことがステータスな欧州においては、庭を整えるための芝刈機をはじめ、ヘッジトリマーやブロワといったハンドヘルド作業機が支持されています。最近では、この庭の維持管理にロボット芝刈機を利用する人々も増え、需要が拡大しています。

JAPAN / 日本

日本では豪雪地域を中心とした除雪機や、個人で行う家庭菜園で使用する耕うん機などの個人需要が安定的にあります。また、建設工事の現場やお祭りの屋台などの商売の現場など、業務用としての発電機も高い需要があります。

DEVELOPING COUNTRY / 発展途上国

暮らしに欠かせない飲料水の確保や農業における水を供給する水ポンプや、自宅や作業場所に電気を供給する発電機は、生活にとって必要不可欠な商品となっています。また、東南アジアを中心に汎用エンジンをボートに装着して動力源とするロングテールボートの需要があります。

グローバルな生産体制

パワープロダクツ事業では、汎用エンジンや完成機を世界11カ国13拠点で、年間で合計600万台以上生産しています。Hondaの生産拠点は、現地で生産して現地に提供する地産地消拠点と輸出を中心とした輸出拠点の二種類に大別されます。北米にあるHonda Power Equipment Mfg.,INCが最大の生産拠点で、主に北米市場向けの芝刈機と汎用エンジンを生産しています。

生産累計1億5千万台達成

パワープロダクツ事業では、2019年に生産累計1億5千万台を達成しました。これは、1953年の生産開始から66年を経て達成したものです。1953年から生産累計1億台を達成(2011年)するのに58年の時間を要したことを考え合わせると近年の急激な拡大が見て取れます。

各地域のマーケットサイズ

パワープロダクツにおける全世界の年間市場規模は約3,500万台です。そのうちHondaの年間販売台数は約600万台(シェア:17%)です。地域別では、北米が293.2万台を占め、次いでアジア・大洋州が108.5万台、欧州が86.6万台、中国が57.7万台の順になっています。