1951年、Honda創業者の本田宗一郎は「造って喜び、売って喜び、買って喜ぶ」を「三つの喜び」として社報で発表、これは、今日に続くHondaの基本理念となっています。 困っている人を見たら放っておけない。人を少しでも楽にする。常に人間中心に、技術で人々の生活に役立ちたい。後に続々と誕生する、耕うん機、発電機、船外機、ポンプなどHondaのパワープロダクツは、技術で労働を軽減し、人々に喜んでいただくために、生活の中に溶け込んでいきました。この思想は現在のパワープロダクツ事業に引き継がれています。
(出典・参考文献「語り継ぎたいこと チャレンジの50年」本田技研工業株式会社)
パワープロダクツ事業は、動力源としてさまざまな作業機械に搭載が可能な汎用エンジンの開発・製造・販売からスタート。その後、この汎用エンジンを搭載した様々な製品(完成機)の開発に取り組みました。そして現在では、エンジンだけでなく電動商品や持ち運び可能なバッテリーなどの領域まで範囲を広げ「移動と暮らしに新価値を提供する」事業へと可能性を広げています。
1953年に農機具メーカーから“噴霧器”用のエンジン開発を依頼されHonda初の汎用エンジン「H型エンジン」を開発したのがパワープロダクツ事業のスタートとなります。そして、現在のHondaのパワープロダクツ事業の主力商品が、この汎用エンジンです。Hondaの汎用エンジンは自社の完成機に搭載するとともに、世界各国の多種多様な完成機メーカーに対して動力源としてOEM*1供給しています。
*1 Original Equipment Manufacturerの略。
汎用エンジンに代わる環境に優しい動力源として電動の「e-GX」を開発し、2021年6月より完成機メーカーに対してOEM供給を開始しました。2022年にリースを開始した株式会社小松製作所の電動小型ショベルカー「PE-01」には、動力源として「e-GX」と、可搬型の「Honda Mobile Pawer Pack e::ホンダモバイルパワーパック」がバッテリーとして搭載されるなど、新たな動力源としてのOEM供給の可能性を広げています。
※2021年6月より日本でOEM供給を開始しました。
草刈り(刈払機)や落葉の集積(ブロワ)など
庭園などの管理作業を行うための完成機が
ハンドヘルド作業機です。
Hondaの主な動力源 | ガソリンエンジン | 電動モーター |
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Hondaの着脱式可搬バッテリー
Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック e:)を
使用して電気を供給する完成機が
着脱バッテリー式ポータブル電源です
パワープロダクツ事業のはじまり
Hondaは1946年に、創業者の本田宗一郎が旧陸軍の無線機用小型エンジンを自転車用の補助エンジンに転用したことに始まります。この補助エンジンは評判となり、小型農機メーカーから背負式散粉機用にエンジン提供の依頼を受け、1953年に初の汎用エンジンH型を開発し、パワープロダクツ事業の礎を築きました。
パワープロダクツ事業初の完成機
創業者の本田宗一郎は、戦後で女性や高齢者が中心の農家が重労働で困っている姿を見て、女性や高齢者でも取り扱いが容易な耕うん機の開発に着手し、1959年にHonda初の耕うん機F150の販売を開始しました。
様々な商品の投入
その後、当時のソニー株式会社の井深社長から本田宗一郎に依頼されたポータブルテレビ用の電源開発をキッカケとして1965年にポータブル発電機E300の販売を開始しました。また、1964年には船外機ビジネスにも進出しました。さらに1978年に芝刈機HR21を北米市場で販売開始したことによって、グローバル事業としての確かな基盤を築くことになりました。