自由研究
用意するもの
①セーフライト または かい中電灯に赤いセロハンをはったもの ②黒白印画紙(2号/カビネサイズ(12.0×16.5cm))
③黒いガムテープ ④現像液 ⑤停止液 ⑥定着液 ⑦バット 4つ(印画紙より大きいサイズ) ⑧ピンセット または わりばし 4本 ⑨ストップウォッチや時計 ⑩10Wの電球をセットしたスタンドライト ⑪トレーシングペーパー ⑫ガラス板(がくぶちの中のガラスなど)
撮影と現像のやり方
暗室を準備する
光もれがあるとせっかくとった写真が台なしになる。おふろ場や洗面所、おし入れなど、外からの光が一切入らない場所を用意しよう。窓がある場合はダンボールでおおい、光もれがないようにしよう。
赤い光は印画紙に当てても反応しないので、セーフライトという赤い光だけはつけることができるよ。セーフライトがなければ、かい中電灯に赤いセロハンを巻こう。
暗室で印画紙をセットする
セーフライトだけがついている暗室で、ピンホールカメラに印画紙をセットする。印画紙を1枚、ツルツルの面を上にして、ピンホールカメラの箱の中(わっかにしてつけたマスキングテープの上)にそっと置く。
フタをしたら光が入らないように、フタと箱本体の合わせ目に黒いガムテープをはる。シャッターテープがきちんとついていることを確認したらOK。これで明るいところに出してもだいじょうぶ。
何をとるか決める
よく晴れた日に外でとるのがおすすめ。くもりや室内だと、暗くて写りにくい場合がある(
慣れてきたらチャレンジしてみてもいいよ)。ピンホールカメラはふつうのカメラとちがって、手で持ったままだとぶれてしまうので、ベンチや地面の上など動かない物の上に置いてとることになる。それを考えて何をとるか決めよう。
どんなものがとりやすい?
建物や木など動かない物はきれいにとれるけれど、電車やクルマなど、早いスピードで動いている物はなかなかうまくとれない。人をとってみるものおもしろいよ。
露出時間を決める
露出時間とはシャッターを開けている時間のこと。これは印画紙から穴までのきょりや、印画紙の種類、天気によって変わる。
今回つくったカメラの場合、目安は晴天だと15~20秒、くもりだと4~5分、雨や室内だと20~30分。でも実際に現像してみないとわからないので、いろいろ試してきれいに写る時間を記録していくといいよ。
写真をとる
カメラが動かない状態で置かれているのを確認して、シャッターのテープを完全にはがず。あわてずに、やさしくはがすこと。
STEP4で決めた時間をストップウォッチや時計ではかり、時間がきたらテープを元にもどす。これで撮影は終わり。
現像の準備
暗室で現像の準備をする(このときは部屋に光が入ってもだいじょうぶ)。現像現像液、停止液、定着液、水をそれぞれのバットに入れておき、ピンセットをそれぞれに用意しよう。
10Wの電球をセットしたライトにトレーシングペーパーをはる。ガラス板と新しい印画紙を用意しておく。
現像する
セーフライトだけをつけた暗室でピンホールカメラのフタを開け、印画紙をそっと取り外す。印画紙を現像液の入ったバットにつけ、ピンセットでムラなくひたすと絵がうき上がってくる。その後、停止液、定着液の順につけたら、最後に水につける。ひたす時間は使用する液によって変わるので、説明書を読もう。
ここまで終わったら、部屋に光を入れてもだいじょうぶ。水に5分つけた後、軽く水をきって、
洗たくバサミで
干してかわかす。
絵がうき上がってこない場合は?
真っ黒になる場合は露出時間が長すぎて、真っ白になる場合は短すぎたということ。失敗してしまったら、今度は露出時間を変えてチャレンジしてみよう。
ネガポジ反転
現像できたものは"ネガ"といって、白黒が反対になっている状態。これをライトを使って"ポジ"に反転する。
暗室に入り、プリント用の新しい印画紙をツルツルの面を上にして置く。その上に、
現像したネガのツルツル面が合わさるように重ねる。その上に、重さのあるガラス板をのせる。トレーシングペーパーをつけたライトで約1~4秒間照らし(30cm以上はなす)、ネガを焼きつける。ネガを焼きつけた印画紙を先ほどと同じように、
現像液、停止
液、定着
液の順につけ、最後は水で
洗う。
黒くなってしまったら?
光を長く当てすぎると黒くなってしまうので、当てるきょりや時間はいろいろ試してみよう。
完成
できあがった写真を見てみよう。写真をとったときの天気や露出時間、現像のタイミングによって、いろんな風合いの写真がとれるよ。
ピンホールカメラのしくみ
ピンホールカメラの「ピン」は「針」、「ホール」は「穴」という意味です。だから、針穴カメラともいいます。
物が見えるのは、光が物に当たってはねかえって目に届くから。ピンホールカメラの小さな針穴から入った光は、一つの方向からだけになりますが、それがピンホールカメラ内部の印画紙に写ります。上からきた光は下へ、下からきた光は上へ、右からきた光は左へ、そして、左からきた光は右へ。なので印画紙に写る景色は、下の絵のように、上下・左右が反対になります。
カメラ内部に余計な光が入ってしまうと写真がとれなくなるので、今回は"印ろう"という形状の、すきまのできない木の箱をつくりました。この"印ろう"というのは実は水戸黄門の印ろうのこと。ぴったりしまるので、昔からはんこや薬など、大切なものを入れて使われることが多かったようです。
木工工作の豆知識
監修
WOODWORK CENTER 相談家具屋
神奈川県逗子市にて、オリジナルの家具づくりを行う「相談家具屋」のメンバーが運営する木工DIYライフの発信拠点です。木工教室、ワークショップも開催しています。
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