自由研究

もし1日電気が
使えなかったら?

停電ていでんはとつぜんやって来る。
もし停電ていでんになったら、どんなことにこまるだろう? どんなそなえがあれば乗り切れるかな?
対象学年
しらべがくしゅう
もし1日電気が使えなかったら?

調べ方

毎日どれくらい電気を使っているか、調べてみよう

毎日どんなことに電気を使っているかな?

いつも使っている電気製品せいひんを書き出してみよう。また、それぞれの電気製品せいひんはどれくらいの電力を必要とするのか、商品にはられているシールや説明書の消費しょうひ電力」らんをチェックして調べてみよう。
POINT
起動電力もチェック!
電気製品せいひんのシールや説明書に「起動電力」突入とつにゅう電流」と書かれていることがあるよ。電気製品せいひんの中には、スイッチを入れた直後だけ消費しょうひ電力が大きくなるものがあり、それが「起動電力」や「突入とつにゅう電流」とよばれる数字。モーター(電気を動力に変える装置そうち)などを使う機器に多いよ。

毎日どれくらい電気を使っているかな?

毎日どれくらいの量の電気を使っているか、調べてみよう。契約けいやくしている電力会社のWebサイトの会員向けページや「電気使用量のお知らせ」の紙などを見ればわかるよ。

電気使用量の例

1ヶ月の電気使用量
7月の電気使用量(4人家族)=
約370kWh
1日あたりの平均へいきん
1ヶ月の電気使用量(7月)約370kWh÷31日=
1日あたり平均へいきん 約12kWh
POINT
「kWh」って?
「kWh」は「キロワットアワー」と読むよ。1kWhは、1kW(1,000W)の電力を1時間使用したときの電気の量。hは「hour」のりゃくで「時間」を表す。「1,000」を「1K」と表すのは動画サイトやゲームの世界でもおなじみだね。
わかったこと・気づいたこと
わたしたちは生活の多くを電気にたよっている。冷蔵庫れいぞうこのように1日中、動かしているものもある。冷房れいぼう機器や暖房だんぼう機器はたくさんの電力を必要とするので、特に夏や冬は電気の使用量がふえる。
停電ていでんはどんなときに起こるのか、調べてみよう

停電ていでんはなぜ起こる?

事故じこ火災かさいで、電線がきずついたり電柱がたおれたりして停電ていでんになることがあるよ。また、地震じしん・台風・大雪などの自然災害さいがいによって、たくさんの電柱がたおれたり、配電設備せつびがこわれたりして停電ていでんになることもある。電柱や配電設備せつびが無事でも、大地震じしんなどで「発電所」が被害ひがいを受けると、被災ひさい地以外の場所でも大きな停電ていでん が発生することがあるよ。こうした停電ていでん復旧ふっきゅうまで時間がかかることも多い。
自然災害さいがいによる停電ていでんにはどんな例があるか、ニュースサイトなどで調べてみよう。

自然災害さいがいによる停電ていでんの例

東日本大震災しんさい(2011年3月)
東北電力管内で3カ月間にわたり最大約466万戸停電ていでん。東京電力管内で4日間にわたり最大約404万戸停電ていでん
北海道胆振東部地震いぶりとうぶじしん(2018年9月)
北海道で2日間にわたり最大約295万戸が停電ていでん。全道停電ていでんという異例いれい事態じたいに。
令和元年台風第15号(2019年9月)
関東地方を中心に2週間以上にわたり最大約93万戸停電ていでん
わかったこと・気づいたこと
自然災害さいがいの多い日本は、いつでもどこでも大きな停電ていでんのリスクがある。また、地震じしんのように予測よそくできない災害さいがいによって、とつぜん停電ていでんが起こることもある。
停電ていでんになるとどんなことにこまるか、考えてみよう

特にこまることはなんだろう?

もし電気が止まったら、家の中はどうなるか、どんなことにこまるか、考えてみよう。

電気が止まったら
困ることの例

照明
夜に停電ていでんして明かりがないと身動きが取れなくなる。特に地震じしんによる停電ていでんの場合、ゆかに物がちらばっていて、明かりがないとあぶない。
冷蔵庫れいぞうこ
停電ていでんすると冷気は数時間ほどで失われる。いたみやすい食材は早めに調理しないといけない。暑さ対策たいさくとして氷をつくったり、飲み物を冷やしたりすることもできない。
冷房れいぼう機器、暖房だんぼう機器
暑い日にエアコンや扇風機せんぷうきが使えないと熱中しょうになるおそれがある。冬場の暖房だんぼう機器の燃料ねんりょうが灯油やガスだったとしても、使用時に電気を必要とするものもあり、停電ていでんすると使えなくなってしまう。
IHクッキングヒーター・電子レンジ・電気ポット
お湯をわかしたり、加熱調理することができない。
おふろ
停電ていでん中は新たにお湯をわかすことができない。給湯器がガスの場合も、それを動かすには電気が必要なため使えなくなってしまう。
トイレ
トイレのタイプによっては停電ていでんでリモコンが使えず、水が流せなくなることがある。また、停電ていでん原因げんいん断水だんすいが起こることもある。
・テレビやパソコン
避難情報ひなんじょうほうなどの大事な情報じょうほうることができない。
各種機器の充電じゅうでん
スマートフォンの充電じゅうでんが切れたら、情報収集じょうほうしゅうしゅうや外部とのやり取りができない。
わかったこと・気づいたこと
何時間かなら乗り切れそうだけど、長引くと生活のいろいろな場面でこまりごとが出てくる。また、熱中しょうのように、電気が使えないことが命にかかわる場合もある。
どんなそなえがあれば停電ていでんを乗り切れるか、調べたり考えたりしてみよう

停電ていでんの体験談などを調べ、どんなそなえがあればよいか、考えて書き出してみよう

急な停電ていでんや、長引く停電ていでんそなえるために、どんなものがあればいいだろう? インターネットで停電ていでんの体験談を読んだり、家族と話し合ったりして、リストを書き出してみよう。

停電ていでんに必要なそなえの例

1週間分の水と食料
災害さいがいが起きてから支援物資しえんぶっしが来るまでに時間がかかることを考えて、できれば家族全員の1週間分、最低でも3日分の水と食料を用意しておきたい。
電池式の懐中かいちゅう電灯・ランタン
1人1台の懐中かいちゅう電灯を用意しておくと安心。さらに部屋に置く小型こがたのランタンもあるとよい。予備よびの電池も用意しておこう。
簡易かんいトイレ
ふくろ凝固剤ぎょうこざいがセットになったもの。電気や水がなくても使える。停電ていでんにともなう断水だんすいそなえて、家族全員の1週間分を用意しておくと安心。
電池式のラジオ
停電ていでんが発生してもラジオの放送は続く可能性かのうせいが高い。スマートフォン・パソコン・テレビなどが使えない場合の最後の情報収集手段じょうほうしゅうしゅうしゅだんとして重要。
充電じゅうでんみのモバイルバッテリー
情報収集じょうほうしゅうしゅうや外部とやり取りするために、スマートフォンはかかせない。
カセットコンロ
夏に生ものを食べるとおなかをこわしたり食中毒しょくちゅうどくになったりするおそれもあるため、火を通す調理ができるコンロがあるとよい。予備よびのカセットガスも用意しておこう。
暑さ対策たいさくグッズ
ふだんから冷凍庫れいとうこ保冷剤ほれいざいを入れておいたり、人数分のうちわを用意したりしておこう。また熱中しょう予防よぼうに、塩あめやスポーツドリンクのこながあると役立つ。
寒さ対策たいさくグッズ
毛布もうふなどのあたたかい寝具しんぐや使いすてカイロなどがあるとよい。日中の気温がマイナスになる地域ちいきの場合は、電気がいらない石油ストーブなどの準備じゅんび必須ひっす

停電ていでんに必要なそなえは、住んでいる場所の環境かんきょうや、家族の状況じょうきょうなどによっても変わるので、家族とも話し合って考えてみよう。

わかったこと・気づいたこと
もし災害さいがい停電ていでんになっても、家族が安心してごせるように、必要なものをそろえておきたい。だけど、やっぱり電気がない生活は不便だし、電気がないとできないことも多い。家に電気をためておくことができればさらに安心だ。
電気自動車の電力で
何日暮らせる?
Hondaの電気自動車「Honda e」があれば、クルマにためた電気を停電ていでんのときに使えるよ。
どんなふうに使えるのか、何日分くらいの電気が使えるのか調べてみよう。
やってみよう
  • 電気自動車が防災ぼうさいにどう役立つか、調べてみよう。
  • 乾電池かんでんちで動かせて防災ぼうさいに役立つ電気製品せいひんにはどんなものがあるか、調べてみよう。
監修かんしゅう

高荷智也備え・防災アドバイザー

「備え・防災は日本のライフスタイル」をテーマに、大地震や感染症などの自然災害から、ゾンビから身を守る方法まで、防災を楽しくわかりやすく解説する専門家。講演・執筆・メディア出演の他、防災YouTuberとしても多くの動画を配信中。 運営サイト:備える.jp