

どこにでも生えると思われがちな雑草だけど、意外と人間が種を植えて育てようとしても、なかなか芽を出さない。
生き方いろいろ
雑草キャラずかん
人間と同じように、いろんな個性をもち、いろんな生き方をしている雑草がいるよ。
きみはどの雑草が気になる?
つらい経験を糧に幸せになる
「シロツメクサ」
葉を4枚もつシロツメクサは「四つ葉のクローバー」とよばれ、幸運のシンボル。人に踏まれることで葉っぱがふえるため、人通りの多い場所で見つかりやすい。つらいことを経験したから今があると考えるポジティブな子のような雑草。
自在に姿を変えて
まわりにとけこむ
「スズメノカタビラ」
ゴルフ場によくいる雑草で、見た目が悪いためゴルフ場にとっては天敵。刈られた芝生と同じ高さに穂を出して背丈を調整することで、刈られないようにしている。生き残るためにまずまわりにとけこみ、だんだん自分色に染めていく戦略。
天敵をも利用する
「コセンダングサ」
いわゆる「くっつき虫」「ひっつき虫」とよばれる雑草の代表。草むしりされると種が人の服にくっつき、遠くへ運んでもらうことで繁殖する。自分の目的を達成するためには天敵をも利用する、大胆不敵な雑草。
相手をまどわす可憐な小悪魔
「オオイヌノフグリ」
別名「星の瞳」。花がゆれやすい構造になっていて、蜜をもとめて来た虫は花にしがみつくしかない。もがいているうちに花粉が体につき、受粉を助けることに。利用されるとわかっていても引きよせられてしまう小悪魔のような雑草。
かわいい顔して実は裏ボス
「スギナ」
胞子は「つくし」とよばれる。浅い地下に地下茎をのばすため、草むしりしてもすぐ生えてくる。農家の天敵。ほのぼのとした雰囲気で相手を油断させつつ、裏では自分に有利に事が運ぶようばっちり根回ししているタイプの雑草。
人とちがっても気にしない
「ナズナ」
「ペンペン草」とよばれている。春にいっせいに芽を出すと人間に気づかれて刈られてしまうので、それぞれにタイミングを見計らって芽を出す。「みんなといっしょでなくても大丈夫」「十人十色」ということを教えてくれる雑草。
逆境を利用して力を発揮する
「カタバミ」
シロツメクサとまちがわれやすいが、葉の形がシロツメクサは卵型、カタバミはハート型。草むしりされるとその衝撃で実が破裂して、種が飛び散り繁殖する。かわいらしい見た目とはうらはらに逆境に強く、土壇場で力を発揮する雑草。
にくまれて強くなった
「ハルジオン」
もともとは園芸植物として愛されてきたが、人間のもとを逃げ出して野生化。除草剤が効かない個体が出現してふえた今は、すっかりきらわれ者に。めぐまれた環境を捨て自由に生きる道を選び、図太くたくましくなった元お嬢様のような雑草。
稲垣 真衣
雑草の生き方研究家