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「ふしぎ」な現象

121種類もある!「雪の結晶けっしょう」の形から
空のようすを推理すいりしよう!

雪の結晶けっしょうにはいろんな形があって、空からのメッセージを伝えてくれるらしい。
スマホでって見てみよう!
121種類もある!「雪の結晶」の形から空のようすを推理しよう!

画像提供:藤野丈志

  • 外で雪を観察するときは安全な場所で行いましょう。寒さ対策たいさくをしっかりして、転ばないよう足元にも注意しましょう。

探検たんけんメンバー

  • 隊員りりか
    ふしぎ探検隊たんけんたいが行くよ!
    隊員りりか
  • 荒木健太郎さん
    この人に聞いたよ
    気象を研究している
    荒木健太郎あらきけんたろうさん

結晶けっしょうの形のヒミツ

  • 雪の結晶けっしょうって六角形でかわいいよね。どうしてあんな形をしているの?
  • 雪は生まれたときから六角形なんだよ。
  • どんな風に生まれるの?
  • 雪は雲の中で生まれる。もともとは水なんだ。最初は水の分子が集まって手を取り合うようにくっつく。高いところにある雲の中はとても寒いから、水分子たちは液体えきたいの水ではなく六角柱の形をした氷の結晶けっしょう氷晶ひょうしょうになる。これが雪の最初の形だよ。
雪のはじまりは六角柱の形をした氷の結晶けっしょう
  • 水分子くんたち、なかよしだね! どうして六角柱になるの?
  • 六角柱が一番構造こうぞう的に安定するからなんだ。
  • たしかに三角や四角よりも安定感がありそう。
  • そうしてできた氷の結晶けっしょうが、雲の中にある水蒸気すいじょうきをたくさんって成長して「雪」になるんだ。
氷の結晶けっしょうが成長して「雪」になる
  • 成長して、重たくなったら地上にふってくるのかな?
  • うん。地上が0℃に近い寒い日だと雪のままふってきて、そうでないときは、とけて雨としてふってくるよ。
  • あれ? ということは、雲の中では雪は一年中生まれているのかな?
  • そうだよ。積乱雲せきらんうんのようなの高い雲の上のほうでは、夏でもマイナス数十℃くらいと寒く、たくさんの雪や氷の結晶けっしょうが雲を作っているんだ。
  • へ〜。ふってこないだけで、空にはいるんだね! 夏には「ひょう」がふってくることがあるけれど、あれも雪の仲間なの?
  • 雪が成長したものではあるけど、雪とは少しちがうんだ。
  • 「ひょう」はどうやってできるの?
  • 雪の結晶けっしょう過冷却雲粒かれいきゃくうんりゅう(0℃以下でもこおらない水滴すいてき)をくっつけて成長して落ちてくるのが「あられ」。
    このあられが0℃以上の温かいところまで落下して表面がとけ、積乱雲せきらんうん上昇じょうしょう気流によってまた冷たい上空へ持ち上げられて、とけた表面がこおる。それが過冷却雲粒かれいきゃくうんりゅうをくっつけて成長しながら落下して、また持ち上げられてこおる。この上下運動をくり返して大きな氷のかたまりになるんだ。それが「ひょう」。5ミリ未満だと「あられ」というよ。
「あられ」や「ひょう」のでき方

「ひょう」は大きな氷のかたまりだから夏でもとけずにふってくる。当たって死傷ししょうすることもあるくらい危険きけんなので、必ず避難ひなんしよう。

画像提供:荒木健太郎

結晶けっしょうの形から空のようすを推理すいりできる?!

  • 雪の結晶けっしょうにはいろんな形があるの?
  • みぞれ*やひょうなどもふくめて、全部で121種類があるよ。* 雨と雪がまざってふってくるもの。
  • そんなにたくさん?! どんなちがいがあるの?
  • 六角柱の形をした氷の結晶けっしょう水蒸気すいじょうきって雪に成長する、という話をさっきしたけれど、そのときたてに成長する子もいれば、横に成長する子もいるんだ。
  • へー! 形のちがいは何で決まるの?
  • 「気温」と「水蒸気すいじょうきの量」で決まるよ。だから雪結晶けっしょうの形を見れば、それが生まれた空のようすを知ることができるんだ。
結晶けっしょうの形は「気温」と「水蒸気すいじょうきの量」で決まる

小林禎作博士による小林ダイヤグラム
画像提供:荒木健太郎

  • 温かいところやすごく冷たいところだとたてに成長して柱のような形になり、マイナス10℃〜20℃くらいのところだと横に成長して板のような形になる。水蒸気すいじょうきの量が多いほどはりのような形になったり、さらに成長して木のえだのようにえだ分かれした形になったりするよ。
  • 樹枝状じゅしじょうの雪の結晶けっしょうの絵はよく見るけれど、ほかにもいろんな形があるんだね。おもしろーい! 雪の結晶けっしょうを見るにはどうしたらいいの?
  • スマホのカメラにマクロレンズをつけてといいよ。スマホ用のマクロレンズなら100円ショップでも買えて、だれでも簡単かんたんれるんだ。
マクロレンズでった雪結晶けっしょうの写真

角板かくばん

雲粒うんりゅうが付着した十二花じゅうにか

広幅六花ひろはばろっか

樹枝六花じゅしろっか

画像提供:荒木健太郎

  • わぁ、きれい! 顕微鏡けんびきょうがなくてもこんなにくっきり見えるんだね!
  • 結晶けっしょうは同じ名前のついた種類でも、わずかな気象条件じょうけんちがいでちが姿すがたになるから、雪の結晶けっしょうは二つとして全く同じ姿すがたをした子はないんだ。観察すると発見がたくさんあっておもしろいよ。
結晶けっしょうの種類(グローバル分類)
針状結晶しんじょうけっしょう
はり
束状針 そくじょうしん
針集合 はりしゅうごう
鞘状結晶さやじょうけっしょう
さや
束状鞘 そくじょうさや
鞘集合 さやしゅうごう
砲弾状結晶ほうだんじょうけっしょう
角錐 かくすい
砲弾 ほうだん
骸晶砲弾 がいしょうほうだん
砲弾集合 ほうだんしゅうごう
角柱状結晶かくちゅうじょうけっしょう
角柱 かくちゅう
骸晶角柱 がいしょうかくちゅう
巻込骸晶角柱 まきこみがいしょうかくちゅう
細長角柱 ほそながかくちゅう
角柱集合 かくちゅうしゅうごう
角板状結晶かくばんじょうけっしょう
角板 かくばん
厚角板 あつかくばん
骸晶角板 がいしょうかくばん
非対称板状結晶ひたいしょうばんじょうけっしょう
非対称板状 ひたいしょうばんじょう
複雑多重角板 ふくざつたじゅうかくばん
樹枝状結晶じゅしじょうけっしょう
星六花 ほしろっか
樹枝六花 じゅしろっか
羊歯六花 しだろっか
立体状結晶りったいじょうけっしょう
立体扇付角板 りったいおうぎつきかくばん
立体樹枝付角板 りったいじゅしつきかくばん
立体扇付樹枝 りったいおうぎつきじゅし
立体樹枝付樹枝 りったいじゅしつきじゅし
複合板状結晶ふくごうばんじょうけっしょう
角板付六花 かくばんつきろっか
扇付六花 おうぎつきろっか
角板付樹枝 かくばんつきじゅし
扇付樹枝 おうぎつきじゅし
枝付角板 えだつきかくばん
扇付角板 おうぎつきかくばん
樹枝付角板 じゅしつきかくばん
分離・多重六花状結晶ぶんり・たじゅうろっかじょうけっしょう
二花 にか
三花 さんか
四花 よんか
十二花 じゅうにか
十八花 じゅうはちか
二十四花 にじゅうよんか
放射状結晶ほうしゃじょうけっしょう
放射角板 ほうしゃかくばん
放射樹枝 ほうしゃじゅし
扇状結晶おうぎじょうけっしょう
扇六花 おうぎろっか
広幅六花 ひろはばろっか
柱状・板状の不規則結晶ちゅうじょう・ばんじょうのふきそくけっしょう
角柱・角板・交差角板の不規則結晶 かくちゅう・かくばん・こうさかくばんのふきそくけっしょう
骸晶状結晶がいしょうじょうけっしょう
骸晶四角形 がいしょうしかくけい
多結晶骸晶四角形 たけっしょうがいしょうしかくけい
多重骸晶四角形 たじゅうがいしょうしかくけい
複雑骸晶多角形 ふくざつがいしょうたかくけい
骸晶角柱・交差角板 がいしょうかくちゅう・こうさかくばん
砲弾集合・四角形 ほうだんしゅうごう・しかくけい
多角形骸晶集合 たかくけいがいしょうしゅうごう
複雑柱面構造 ふくざつちゅうめんこうぞう
鼓状結晶つづみじょうけっしょう
角板鼓 かくばんつづみ
樹枝鼓 じゅしつづみ
多重鼓 たじゅうつづみ
交差角板状結晶こうさかくばんじょうけっしょう
交差角板 こうさかくばん
連鎖交差角板 れんさこうさかくばん
放射交差角板 ほうしゃこうさかくばん
柱状・板状結晶ちゅうじょう・ばんじょうけっしょう
針付六花 はりつきろっか
角柱付六花 かくちゅうつきろっか
巻込骸晶付六花 まきこみがいしょうつきろっか
針付角板 はりつきかくばん
角柱付角板 かくちゅうつきかくばん
巻込骸晶付角板 まきこみがいしょうつきかくばん
砲弾・板状結晶ほうだん・ばんじょうけっしょう
角板付砲弾 かくばんつきほうだん
樹枝付砲弾 じゅしつきほうだん
角板付砲弾集合 かくばんつきほうだんしゅうごう
樹枝付砲弾集合 じゅしつきほうだんしゅうごう
鴎状結晶かもめじょうけっしょう
内側角板付鴎 うちがわかくばんつきかもめ
外側角板付鴎 そとがわかくばんつきかもめ
両側角板付鴎 りょうがわかくばんつきかもめ
内側鋸歯付鴎 うちがわのこばつきかもめ
外側鋸歯付鴎 そとがわのこばつきかもめ
矛先状結晶ほこさきじょうけっしょう
矛先 ほこさき
砲弾集合付矛先 ほうだんしゅうごうつきほこさき
交差角板付矛先 こうさかくばんつきほこさき
多重矛先 たじゅうほこさき
御幣状結晶ごへいじょうけっしょう
御幣 ごへい
砲弾付御幣 ほうだんつきごへい
交差角板付御幣 こうさかくばんつきごへい
角柱御幣 かくちゅうごへい
対称御幣 たいしょうごへい
氷柱御幣 つららごへい
多重菱形御幣 たじゅうりょうけいごへい
柱状結晶の併合ちゅうじょうけっしょうのへいごう
角柱・砲弾集合等の併合 かくちゅう・ほうだんしゅうごうなどのへいごう
板状結晶の併合ばんじょうけっしょうのへいごう
角板・樹枝状等の併合 かくばん・じゅしじょうなどのへいごう
柱状・板状結晶の併合ちゅうじょう・ばんじょうけっしょうのへいごう
柱状・板状・交差角板等の併合 ちゅうじょう・ばんじょう・こうさかくばんなどのへいごう
柱状氷晶ちゅうじょうひょうしょう
角柱氷晶 かくちゅうひょうしょう
扁平角柱氷晶 へんぺいかくちゅうひょうしょう
多面体氷晶ためんたいひょうしょう
十四面体氷晶 じゅうしめんたいひょうしょう
二十面体氷晶 にじゅうめんたいひょうしょう
板状氷晶ばんじょうひょうしょう
角板氷晶 かくばんひょうしょう
非六角板氷晶 ひろっかくばんひょうしょう
六花氷晶 ろっかひょうしょう
多結晶氷晶たけっしょうひょうしょう
角板氷晶集合 かくばんひょうしょうしゅうごう
複雑交差角板氷晶 ふくざつこうさかくばんひょうしょう
不規則氷晶 ふきそくひょうしょう
雲粒付結晶うんりゅうつきけっしょう
雲粒付柱状 うんりゅうつきちゅうじょう
雲粒付角板 うんりゅうつきかくばん
雲粒付六花 うんりゅうつきろっか
雲粒付立体 うんりゅうつきりったい
濃密雲粒付結晶のうみつうんりゅうつきけっしょう
濃密雲粒付柱状 のうみつうんりゅうつきちゅうじょう
濃密雲粒付角板 のうみつうんりゅうつきかくばん
濃密雲粒付六花 のうみつうんりゅうつきろっか
濃密雲粒付立体 のうみつうんりゅうつきりったい
霰状雪あられじょうゆき
六花霰状雪 ろっかあられじょうゆき
塊霰状雪 かたまりあられじょうゆき
枝付霰状雪 えだつきあられじょうゆき
あられ
六花霰 ろっかあられ
塊霰 かたまりあられ
紡錘霰 ぼうすいあられ
氷粒 ひょうりゅう
雲粒付雪粒 うんりゅうつきゆきつぶ
結晶破片 けっしょうはへん
氷粒 ひょうりゅう
雲粒付雪粒 うんりゅうつきゆきつぶ
結晶破片 けっしょうはへん
凍結降水とうけつこうすい
凍結雲粒 とうけつうんりゅう
連鎖凍結雲粒 れんさとうけつうんりゅう
凍結小雨滴 とうけつしょううてき
みぞれ
みぞれ
凍雨とうう
凍雨 とうう
ひょう
ひょう

荒木健太郎『ろっかのきせつ』(ジャムハウス、2018年)より
©️Kentaro ARAKI / Kana Ozawa

結晶けっしょうをスマホでって見てみよう!

用意するもの

  • スマホ(カメラが付いていれば何でもOK)
  • スマホ用マクロレンズ(100円ショップでも買えるよ)
  • 暗めの色の生地(黒・こん・青など。外で冷やしておくといいよ)
  • ものさしや硬貨こうか(大きさがわかると研究に役立つ)

り方

スマホのカメラを最大ズームにして接写せっしゃ(レンズを近づけてる)。
手ブレしやすいので連写するといいよ。

マクロレンズなしでった写真

ピントが合う距離きょりは10センチくらい

マクロレンズでった写真

ピントが合う距離きょりは2〜3センチくらい

画像提供:荒木健太郎

  • 積もっている雪はつぶれたり再凍結さいとうけつして、もとの結晶けっしょうとは形が変わってしまう。上空のようすを知るには今ふっている雪をることが大事だよ。

キミのった雪結晶けっしょうの写真が人助けになる!

関東にはあまり雪がふらないから、ふると大きな災害さいがいになることがある。関東にふる雪の仕組みはまだわかっていないことが多く、予測よそくむずかしい。雪の仕組みを調べて予測精度よそくせいどを上げるにはたくさんのデータが必要なんだ。そのデータというのは、みんながった雪結晶けっしょうの写真!関東でふる雪に出会ったら写真をって投稿とうこうしよう。みんなの力で災害さいがいふせごう!
投稿とうこう方法はこちら(気象研究所「#関東雪結晶けっしょうプロジェクト」)
http://www.mri-jma.go.jp/Dep/fo/fo3/araki/snowcrystals.html

しも」や「つゆ」でも練習できるよ

雪がふらないときは、しもつゆ撮影さつえいの練習をするといいよ。しもは秋から冬にかけて、晴れて風の弱い朝(目安は最低気温2℃以下)に、地面に近いところにある草の葉の表面などに見られるよ。春や夏は同じように朝露あさつゆを見つけてってみよう。美しい光景に出会えるよ。
ミクロの世界はこんなに美しい!

しも

凍結水滴とうけつすいてき

つゆ

画像提供:荒木健太郎

荒木さんからのメッセージ
  • みんなと同じように、雪の結晶けっしょうにも個性こせいがあり、二つとして同じ姿すがたをした子はいないよ。いずれとけて蒸発じょうはつして空にかえってしまうから、出会いは一度きり。身をもって空のようすを伝えてくれるかれらの姿すがたをこの目で見て、メッセージを受け取ってあげてね。
まとめ
  • 冷たい雲の中で水分子が集まってできた「氷の結晶」が雪の最初の形。
  • 六角柱の氷の結晶がたてや横に成長して、さまざまな形の雪結晶けっしょうになる。
  • 形のちがいを決めるのは「気温」と「水蒸気すいじょうきの量」で、全部で121種類もある。

Profile

荒木健太郎

荒木健太郎あらきけんたろう

雲研究者

気象庁気象研究所所属。博士(学術)。防災・減災のために、豪雨・豪雪・竜巻などによる気象災害をもたらす雲のしくみ、雲の物理学の研究に取り組んでいる。著書に『雲を愛する技術』(光文社新書)、『世界でいちばん素敵な雲の教室』(三才ブックス)、絵本『せきらんうんのいっしょう』『ろっかのきせつ』(いずれもジャムハウス)などがある。
詳細プロフィール
http://www.mri-jma.go.jp/Dep/fo/fo3/araki/
Twitter
https://twitter.com/arakencloud