「ふしぎ」を見に行こう
- 山や川などへ紅葉を見に行くときは、かならず大人と一緒に行きましょう。
危険な場所には決して近づいてはいけません。
- 葉っぱを採集するときは落ちている葉っぱをひろうようにしましょう。
探検メンバー
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- ふしぎ探検隊が行くよ!
- 隊員はると
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- この人に聞いたよ
- 樹木にくわしい
安藤 伸彦さん
街や山で探してみよう! 日本で見られる「紅葉」の種類
- 安藤さんは木のお仕事をしているの?
- うん。木のお医者さんとして活動したり、自然を守るための仕事をしているよ。子どものころは木の上に秘密基地をつくって遊んでいたんだ。今日は秋に向けて「紅葉」のふしぎについて話をしようか。
- うん! 「もみじ」も「こうよう」も、漢字で書くと同じ「紅葉」なんだね。
- 秋になって木の葉が赤や黄色に色づくことを「紅葉」や「もみじ」と言うね。
- 「もみじ」は木の名前じゃないの?
- そうだね。「もみじ」はカエデの木を指して言うことも多いね。
- カエデ?
- カエデというのはムクロジ科カエデ属の木をまとめて指す言葉で、特にカエデの中でも名前に「もみじ」がつく「イロハモミジ」「オオモミジ」「ヤマモミジ」の3つを「もみじ」と言うことが多いよ。
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このもみじ(カエデ)をおぼえておこう
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イロハモミジ

寒いところでは
あまり見られない。
オオモミジ

太平洋側で
よく見られる。
ヤマモミジ

日本海側で
よく見られる。
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画像提供:林 将之 樹木鑑定サイト「このきなんのき」
きれいに色づき、「紅葉」を代表する種類であることから、「もみじ」は「紅葉」の代名詞になった。
- カナダの国旗にかかれた葉っぱもカエデだよね?
- うん。あれは「サトウカエデ」という種類で、木の幹からメープルシロップとよばれる、あまい樹液がとれることで有名だよ。あれも秋にはきれいに紅葉するんだ。
- それ以外の木の葉も秋に紅葉するのかな?
- うん。木には冬に葉を落とす「落葉樹」と、一年中葉をつけたままの「常緑樹」があって、秋にいっせいに紅葉するのは「落葉樹」なんだけど、秋はいろいろな落葉樹の紅葉が見られるよ。
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いろいろな紅葉
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ハウチワカエデ

コハウチワカエデ

メグスリノキ

ハナノキ

ブナ

ナナカマド

イチョウ

トウカエデ

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画像提供:林 将之 樹木鑑定サイト「このきなんのき」
- イチョウやトウカエデは街路樹でよく見るね。その他は山に行くと会えるのかな?
- うん。ハウチワカエデは葉っぱが大きくて、真紅に紅葉するから山で目立つよ。コハウチワカエデはそれより小さめで、切りこみが深くて丸みのある形がぼくのお気に入り。この2つは国内で広く見られるんだ。
- ぼくはメグスリノキも気になる!
- メグスリノキは名前の通り、昔は目薬に使われていたらしい。サーモンピンク色に紅葉し、葉っぱの形もめずらしいね。山でさがしてみよう。ハナノキのように地域限定の紅葉もあるよ。これは長野・岐阜・愛知の湿地で見られる絶滅危惧種なんだ。
- それは貴重だね。
- ブナは東北地方の日本海側の山などでよく見られ、はじめは黄色くなって、だんだん褐色になるんだ。ナナカマドはきれいに赤くなるから、山の景色によく映えるよ。
- 山に行くといろんな紅葉に出会えるんだね。
- 山で気をつけたいのはヤマウルシやハゼノキなどのウルシの仲間の木。どちらも真っ赤に紅葉するから目立つけど、肌の弱い人は近づくだけでかぶれてしまうんだ。
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山に行くときは、この紅葉に注意!
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ヤマウルシ

ハゼノキ

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画像提供:林 将之 樹木鑑定サイト「このきなんのき」
- わぁ、こわい。ところで、この木の葉たちはどうして秋にいっせいに色づくのかな? あざやかな色の正体は何なんだろう?
- それは葉っぱの中の色素が関係しているよ。紅葉のしくみをくわしく見てみよう。
どうして赤くなるの? 紅葉のしくみと美しく紅葉する条件
安藤さんからのメッセージ
- 木は早春に芽ぶくときも赤っぽい色になり、それは「春もみじ」といって、ぼくはそっちの紅葉も好きなんだ。そこから新緑になっていく様子もすごくきれい。紅葉をきっかけに木に興味をもったら、一年を通して木に親しんでみてね。
まとめ
- 主に落葉樹が秋に赤・黄色・褐色などに色づくことを「紅葉」という。
- ゆるやかに寒くなるより一気に寒くなるほうが、あざやかな赤になりやすい。
- 日光がよくあたり、適度に湿度のある場所だときれいに紅葉しやすい。

安藤 伸彦
株式会社環境指標生物 技術士(森林部門・建設部門)・樹木医