
ゴルフの魅力は何といっても自然の中でボールを打つ理屈抜きの爽快感と、工夫しながらゴールを目指すターゲットゲームとしての面白さです。年齢や腕前に関係なく一緒に楽しめますし、ルールやマナーが大切だという社会生活にも通じる基本も学べます。またプレー時間のほとんどを歩くことに費やすので健康に良く、会話も弾むのでお互いに仲良くなれるのも大きな特徴。プレースタイルには性格が出るので、お子さんの意外な一面を発見するかもしれません。
ゆづきちゃん
(小学2年生)
お父さん
Honda GOLF編集長
小林一人さん
スイング、ギア、コースなどゴルフのすべてのジャンルに精通するゴルフジャーナリストでHonda GOLFの編集長も務める。大学のゴルフ部出身で腕前はセミプロ級だ。
ゴルフはティーグラウンドからボールを打っていって、グリーンに開いている穴(ホール)に入れるゲーム。この繰り返しで行われますが、こうしたプレーの最小単位を1ホールと呼びます。一般的なゴルフコースは18ホールありますが、そのミニチュア版がショートコースです。本コースに比べて距離が短く、ホールの数も少ないのでビギナーでも手軽にプレーできますし、にもかかわらず雰囲気は本コースと同じなので、ゴルフの醍醐味を感じることもでき、デビューには最適です。
ゴルフで絶対に必要な道具は、ゴルフクラブとボール。ゴルフクラブはパターとアイアンが1本ずつあればOK。
ボールはなくなることもあるので多めに用意しておきましょう。それからティーアップするためのリフトティー、グリーンでマークをするためのコインがあればカンペキ。通常は片手(右打ちの場合左手)にゴルフ用の手袋をしますが、なくても構いません。
最初は9番アイアンがおすすめ!
ゴルフクラブには大きく分けるとウッドクラブ、アイアンクラブ、パターという3種類があります。ウッドクラブはメタル製の大きなヘッドがついていて、ボールを遠くに飛ばすときに使います。アイアンクラブはグリーンに乗せるためのクラブで、比較的小さなヘッドがついています。パターはグリーンの上でボールを転がすクラブで形はいろいろですが、ウッドクラブやアイアンクラブより短いのが特徴です。
ゴルフではこれらのクラブを14本まで使うことがルールで許されていますが、はじめてショートコースを回る場合にはパターとアイアンが1本あればいいでしょう。アイアンにはそれぞれ数字が書いてありますが、数字が小さいほど遠くに飛ばせるクラブです。ショートコースに向いているのは、ボールを浮かせる、転がす、どちらもやりやすい9番アイアン。コースによってはレンタルクラブがある場合もあるので、事前にチェックするといいでしょう。クラブはキャディバッグに入れて運びます。
サンダルはマナー違反!
服装は動きやすいものならなんでも良いのですが、ジーンズはやめておきましょう。靴は、革靴やサンダルはマナー違反。ソフトスパイクのゴルフシューズがベストですが、スニーカーでもOKです。キャップは暑さ対策のほかに、万が一の打球事故のダメージを軽くしてくれるから、かぶった方がベターです。
ボールを転がしてカップインさせるのがゴルフの原点。行く手をバンカーや木が邪魔すれば回り道をすればいいし、結局はそれが良い結果につながります。ウッドクラブやアイアンクラブもパターと同じ打ち方でOK。転がすつもりで打つとボールは勝手に浮き上がって飛んでいきます。飛ばそうとしてクラブを振り回すと当たらなくなるし、変な方向に飛んでいってしまうので、パターのつもりで打つことが重要なポイント。
スタートする前にパターでボールを転がしてみよう
ショートコースには練習用のグリーンがある場合が多いので、スタートする前にパターでボールを転がしてみましょう。はじめてのゴルフではパターが重要。両腕と肩がつくる三角形を崩さず、振り子のようにポンと打つイメージ。大振りせず小さな振り幅でしっかりヒットしましょう。当たったときパターのフェースが向いている方向にボールは転がるので、構えたとき目標にパターのフェースを向けておくことがポイントです。ねらった方向に転がせるようになったらコースへGO!
クラブの持ち方は?
構えたときに左手が上、右手が下になるように握るのが基本。手の合わせ方にはいろいろありますが、最初はテンフィンガーといって10本すべての指がグリップに振れている握り方がおすすめ。
形よりも重要なのは、クラブの棒の部分を回しやすい握り方であること。棒を左へ回せばクラブヘッドも回ってフェースが閉じる。この動作がゴルフスイングには重要。
初心者が実際にコースでプレーするときに心がけるべきなのは「速くプレーすること」。自分たちの前にも後ろにもプレーしている人たちがいるので、時間がかかってしまうとみんなに迷惑をかけてしまいます。速くプレーするにはボールを曲げないこと。それにはパターのように打つことが大事。実際にパターで打つのもあり!
スコアはつける?
最初のうちはスコアをつけなくて構いません。スコアは気にせず、タイムレースのつもりで楽しんでみてください。スムーズにプレーできるようになれば自然にスコアも少なくなります。数えるのはそれからで十分!
最初の1打を打つのは、前の組がグリーンからいなくなってから。この最初の1打をティーショットと言い、ティーショットだけはボールをリフトティーに乗せて打つことができます。 ここでも転がすつもりで打ちましょう。
ティーグラウンドには2つのティーマークがあってティーアップできる場所を示しています。ティーマークを結ぶ直線とクラブ2本ぶんの直線を2辺とする長方形の中ならどこから打ってもOK。
リフトティーとボールを一緒に持ち、ボールでティーを押して地面に刺します。アイアンの場合は指1本ぶんボールが浮けばいいし、ドライバーの場合はクラブよりボールのほうが高くなればOK。
ボールが右に飛んでしまう場合は?
ゴルフクラブはフェースが右を向きやすいので、ボールが右に飛んでしまうようなら意識してフェースを返してみましょう。棒の部分を回しながら打ち、打った後クラブヘッドが上を向いていればOK。
バンカーで打ち終わった後は、置いてあるレーキという道具で砂の表面をならしておくこと。自分の足あとを消して元の状態に戻しましょう。
バンカーから打つときは、ショットの前にクラブを地面(砂)につけてはいけないのがゴルフのルール。クラブを浮かせて砂に触れないように構えましょう。
グリーンの方向は高くなっていて、ボールを浮かせるショットが必要になりますが、初心者には難しい。最初のうちは転がしてでも脱出できる方向に打ちましょう。結局はそのほうが早く上がれる場合が多いです。ともあれバンカーショットは難しいので、バンカーに入ったらピックアップして芝の上から打つのもあり。
グリーンに乗ったらパターでカップインを狙います。方向も大事ですが、最初のうちは距離を合わせることがより重要。初心者は力加減がわからずカップをオーバーしてしまいがちですが、それはバックスイングが大き過ぎるからです。なるべく小さなバックスイングからカツン!と音が出るように打ってみましょう。そのときにボールが転がる距離を基準にして、そこから強く打ったり弱く打ったりして距離を調節します。
自分以外の人がパッティングするときは、自分のボールをマークしておくのがマナー。ボールの脇に目印(コインなど)を置いたらボールをピックアップしても構いません。自分の打つ番になったらボールを置いて目印をピックアップしましょう。
ボールがグリーンに乗ったらピンを抜くのですが、カップが見にくいときはピンを持ってもらうことができます。打ったらピンを抜きましょう。
カップインしたときの気持ち良さでゴルフが好きになる!
グリーンでのパッティングはゴルフの最も面白い場面といっていいでしょう。初心者でも長い距離が入ることも十分あるからです。グリーンに乗るまでは打ちやすい場所にボールを移すなどスピーディなプレーを心がけることが大事ですが、グリーンでは入るまで打ってボールがカップに落ちてコットーン!と鳴る音を聴かせてあげてください。
1ホールをプレーできるようになったら後はこれを反復するだけ。繰り返しになりますが、飛ばそうとせずグリーンに向かってボールを転がしながら進むこと。飛ばそうとしなくてもクラブが勝手にボールを飛ばしてくれる、それがゴルフのコツです。時間をかけないことを心がけながらプレーしているうちに、子どもだけでなく親も自然に上達しますし、楽しさもアップします。
ショートコースをスムーズに回れるようになったら本コースに挑戦してみましょう。自信がなければ子どもと一緒にゴルフレッスンを受けてみるのもいいかもしれませんね。子どもと共通の目標を持てる喜び。お互いに成長していくことができる楽しさ。ぜひコミュニケーションの一環としてチャレンジしてくださいね。大人になってからも楽しめますよ!
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