親子でやってみよう

親子でやってみよう

焚き火を囲んで子どもとの絆を深めよう!
はじめてのキャンプ

自然の中で過ごすキャンプは、普段の便利な生活しか知らない子どもにとって、そのすべてが新鮮で刺激的な体験。そこには、多くの発見と学びがあります。また、ゆったりと流れる時間を一緒に過ごすことができるので、子どもと向き合う絶好の機会にも。星空の下、焚き火を囲んで語り合えば、家では聞けない子どもの本音を聞くことができるはずです!ここでは親子ではじめてキャンプをする際に知っておきたい、焚き火のコツをご紹介。好奇心を刺激し、親子の絆が深まるキャンプに出かけてみましょう!

キャンプには普段体験できない「イベント」がたくさん!

自然の中で過ごす開放感とゆったりと流れる時間の心地よさ。この非日常感こそが、キャンプの魅力。キャンプ場に着いたらテントを設営し、リビング、キッチンを好きなようにレイアウト。遊んで、ワイワイ調理をして、おいしいご飯を食べて、夜は静かに星を見ながら焚き火をする……。普段は体験できないイベントがたくさんあります。
その反面、さまざざまなことが快適で便利な日常と同じようにはいきません。でも、その経験こそが子どもを大きく成長させます。もしかしたら子どもの方が早く環境に順応し、そのたくましさに頼もしさを感じるかもしれません!

Let’s Challenge!!

チャレンジした親子

奈美榎ちゃん
(小学5年生)

お父さん

教えてくれたのは?

倉川真吾さん

キャンプラビットオートキャンプ場の管理人さん。日本オートキャンプ協会認定・キャンプインストラクターの資格を持つ、キャンプのエキスパート。

子どもにキャンプの醍醐味を体験させるには、
一緒に焚き火をするのがおすすめ!

キャンプの醍醐味に焚き火を挙げるキャンパーは多くいます。ゆったりとした空間の中で燃え続ける炎、パチパチと薪が爆ぜる音、ただ何もしなくても見続けることができる、焚き火にはそんな不思議な魅力があります。
火を扱うため子どもを遠ざけたいと思うかもしれませんが、キャンプでは臆せず子どもと一緒に焚き火をしましょう。重要なのは、しっかりと大人がヤケドなどリスク回避のサポートをすること。火の扱いは面白さや気づきの宝庫で、子どもの発想や感性を刺激します。子どもは焚き火に興味を示し、自発的に行動してくれるはず。その中で「どうやったら火が長くもつか」、「料理をする場合にはどうするか」など、さまざまな気づきと今後の応用や活用法が見えてきます。
テントの設営や本格的な野外調理は、はじめてのキャンプで子どもが主役になるのは難しいですが、焚き火は簡単。コツさえつかめばあっという間に火がつきます。ぜひ一緒にチャレンジして、子どもにキャンプの醍醐味を体験させてあげましょう!

焚き火台が必要なキャンプ場が多い!

焚き火というと、地面に直接薪をくべて火をつけるイメージがあるかもしれませんが、直火は多くのキャンプ場でNG。そこでぜひ用意しておきたい道具が焚き火台です。火床が地面から十分に離れている焚き火台があれば、熱によって地面にインパクトを与えず、汚さず、あらゆるフィールドで焚き火を楽しめます。
なお、本格的な焚き火の炎にするうえで必要となる太めの薪は、キャンプ場で購入できる場合が多いので、事前の準備は不要。キャンプ場に到着してから購入すればOKです。
※キャンプ場によって薪の販売をしていない場所もあります。事前に確認をしておきましょう。

木を扱う際はグローブや軍手を着用しよう!

焚き火台と薪以外で必要な道具は、手を保護するためのグローブと、着火用のライターと着火剤、そして火がついた薪を動かす際に使うトング。グローブは、ヤケド防止のために耐熱性のあるものを1つは用意しておきたいところ。また、木を扱う際はトゲに注意が必要です。焚きつけの枝を拾ったり、大きめの薪を扱う際は、トゲから手を保護するために軍手を着用しましょう。軍手は人数分用意し、子どもにも忘れずに着用するように。トングは長さに余裕のあるタイプがベター。ライターは柄付きのものが使いやすく便利です。着火剤は大きく固形、ジェル状の液体と分類されます。着火法に関してはどちらも変わりはありませんので、使いやすさや収納状態などを考慮し、お好みで選びましょう。

はじめての焚き火、失敗しないポイントは?

①焚きつけを拾おう!

太い薪にいきなり着火剤で火をつけようとしても、着火剤が燃えるだけで薪にはなかなか火はつきません。焚き火は細い木から太い木へ、少しずつ炎を移していくのがコツ。太い薪をナタで割って細くする方法もありますが、子どもと一緒に楽しむ場合はキャンプ場内を散策して枯れ枝を拾うのが、安全面の上でもおすすめです。
着火に使う素材なので、できるだけ乾燥している枝を拾いましょう。分量は、お互いに片手で無理なく持てる程度でOKです。「極細、やや細い、太め」の3段階くらいの太さの枝があればGOOD。また、乾燥した松ぼっくりは非常に燃えやすいので、見つけたら拾っておきましょう。

太さは3段階くらいあるとGOOD

同じ太さの枝ばかりではなく、「極細、やや細い、太め」の3段階くらいの太さを拾うようにしましょう。子どもと分担して集めるのもおすすめです。

松ぼっくりは乾燥しているかチェック!

自然の着火剤ともいえる松ぼっくりですが、湿気ているものは火にくべると爆ぜてしまうので要注意。乾燥しているものを探しましょう。ほかに、松葉や白樺の皮、ススキの穂なども燃えやすいので見つけたら手に入れましょう。

枯れ枝拾いの注意点

必ずキャンプ場の敷地内で行うこと。また、夢中になって他のキャンパーのキャンプサイトには立ち入らないように注意。滑りやすい斜面など危険エリアがある可能性もあるため、周囲の状況を把握し、ゆったりとした気持ちで安全な行動を心がけましょう。

②「差し掛け型」でやろう!

薪の組み方はたくさんありますが、とても簡単ではじめての焚き火におすすめなのが、太い薪を枕のように配置する「差し掛け型」。その着火の手順をご紹介します。

差し掛け型の着火手順

①焚き火台の火床に太い薪、そして着火剤を配置します。

②太い薪に、細い枝から太い枝の順序で差し掛けます。この際、空気の通り道を作るよう、枝は多く載せすぎないようにしましょう。

③あとは柄付きのライターで着火剤に点火すればOK。炎が枝に燃えうつるまで、様子を見ましょう。

細い枝から燃え始め、太い枝、薪へと炎がうつります。簡単に着火できました!

差し掛け型を横から見るとこう。すき間があることで空気の流れができ、燃焼を効率的に促してくれるんですね。
着火後の薪の追加は、焚き火台からはみ出ないように注意して載せましょう。「燃焼効率=空気の流れ」となるので、しっかりと薪に火がついたら差し掛け型を崩してもOK。長く火をもたせるなら少し空気の流れを意識し、ほぼ平らにならしましょう。

焚き火の位置はどこがいい?

焚き火はテントやタープからは十分な距離をとり、風下に配置しましょう。生地が化繊のタイプは火の粉や爆ぜた薪が触れると穴が開いてしまいます。隣接するキャンパーがいる場合にも配慮をしましょう。

格別なおいしさ! 焼きマシュマロにチャレンジ

ひとしきり焚き火を楽しんだら、とっておきのオヤツタイム。焚き火の炎で焼きマシュマロを作ってみましょう。外はカリッと、中はトロットロの不思議な食感を味わえます。作るといっても金串に刺したマシュマロを遠火でクルクルまわしながら炙るだけのシンプルなもの。
その美味しさを味わったら、もっといろいろなものを焚き火で焼いてみたくなるはず。子どもと一緒に、さまざまな焚き火料理にチャレンジしてみてください。普段はあまりお手伝いをしない子も、焚き火での料理が楽しくなり、積極的に料理に参加してくれるようになると思います。

③火を消す際、水を一気にかけるのはNG!

大きくてたくさんあった薪がキレイに燃え切ると、こんなに少量の炭や灰になります。理想はすべてを灰にすることですが、なかなか難しいのでできる限り燃やし切る意識を。最後は水をかけて完全に鎮火させるのですが、水は必ず少量ずつかけるようにしてください。炎がたっているときに大量の水をかけると、熱い水蒸気が発生してヤケドをする恐れがあるので注意しましょう。

消火したら所定の灰捨て場へ

キャンプ場には灰捨て場が用意されています。消火してから所定の灰捨て場で処理をしてください。燃え切らない中途半端な薪が残ってしまった場合には、キャンプ場の管理人さんに処理する場所を相談しましょう。

子どもの成長に触れる!いろいろなキャンプ場へ行ってみよう!

「よっぽど楽しかったのか、火をつけてからずっと子どもが焚き火から離れず火の番をしていました。どこかその姿は誇らしげで、まさに焚き火の管理人さん(笑)」とお父さん。はじめての経験を多く詰ませることができるキャンプは、普段は見られない、子どものたくましい姿を見られるかもしれませんね。
キャンプに興味を持ったら、いろいろなキャンプ場へ出かけてみましょう。日本にはとても多くのキャンプ場があります。どんなキャンプ場に行って、どんな遊びをして、どんなおいしい料理を作ろうか……。考えるだけでもワクワクしませんか。快適なキャンプの理想は、自由気ままに、好きなことをマイペースで。親子共通の趣味として、アウトドアで過ごす楽しさを広げていきましょう!