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  • 2021.01.28

自動撮影カメラで身近な動物を調べよう!

自動撮影カメラで身近な動物を調べよう!
森の達人より
こんにちは。ツインリンクもてぎ内にある自然体験施設「ハローウッズ」のキャストの境野です。寒さが増すにつれて虫や植物を見かける機会が減ってきました。冬は生きもの観察はお休みという人も多いのではないでしょうか? じつは冬は動物観察にはぴったりの季節です。動物の軌跡や行動を知るチャンスでもあります。そこで今回は、センサーカメラというアイテムを使った観察方法をご紹介します。
境野 圭吾
ハローウッズ
キャスト境野 圭吾
ツインリンクもてぎの自然体験施設
「ハローウッズ」へ行ってみよう!

ほとんど知らない近所の動物

皆さんは自分の家の周りにどんな野生動物が暮らしているのかご存知ですか?「裏山にタヌキがいるよ」「昔はキツネがいたんだけどな……」など具体的な動物を想像できる人もいるかもしれませんが、「全然知らない」という人も少なくないと思います。

それもそのはず、野生動物(哺乳類)のほとんどは夜行性。ハローウッズのある茂木町ではドングリを食べているイノシシや道を素早く横切るイタチやテンなどをたまに見かけることができますが、それはだいたい夜にクルマを運転しているとき。野生動物たちは、夕方から早朝の暗い時間帯に人知れず活動しているため、「全然知らない」という人が多いのも無理ありません。

ある程度の知識と経験があれば動物の足跡やウンチなどの痕跡(フィールドサイン)から、どんな動物がいるのか知ることができますが、初心者にはハードルが高いのが現実です。とは言え、科学技術の進歩とネット通販の普及のおかげで、誰でも簡単にどんな野生動物が暮らしているのかを調べることができます。それが今回ご紹介する「自動撮影カメラ」を使う方法です。特別な知識がなくても、コツさえつかめば動物の姿を写真や動画に収めることができるかもしれません。

センサーカメラとは?

自動撮影カメラは、野生動物を撮影するためのデジタルカメラです。呼び方はさまざまで、トレイルカメラやセンサーカメラとも言われます。カメラと赤外線センサーが一体化されていて、カメラの前を熱を発するものが通過すると自動でシャッターを切ります。

従来は調査などで使用される高価な機械という印象でしたが、最近は価格も下がり、ネット通販の普及と合わせてだいぶ手に入れやすくなってきました。もちろん値段によって性能は異なりますが、安いモデルだと5,000円ほどで購入できるのが魅力です。
基本的には、ほとんどのカメラが夜間も撮影可能なので、夜行性の動物の姿をばっちり捉えることができます。また多くが頑丈かつ防水仕様になっているため、野外に置きっぱなしにすることができます。気になっている場所にカメラを設置すれば、あとはカメラが勝手にそこを通る動物に反応して撮影してくれます。
中には4Kなどの高画質をウリにしているモデルもありますが、これからチャレンジするという初心者の方はそこまで気にする必要はありません。お手頃な値段のものから始めて、目的に合わせて買い替えたり買い足したりしていくとよいでしょう。

カメラ設置のコツ

せっかくカメラを仕掛けるなら、劇的なシーンをできるだけ多く撮りたいと思うでしょう。そのためには動物がよく通る場所を知ることが必要です。設置の際は以下を参考にしてください。また、カメラを固定する高さや向きも大切です。試し撮りをしてみて、動物が通る道がちゃんと写真に入るかどうか確認し、場合によっては三脚などを使って良いアングルを探しましょう。

●動物がよく通る場所 その1 ー 池や水たまりなどの水場
動物たちも私たち人間と同じで、生きていくために水は欠かせません。安定した水場はさまざまな動物が利用します。そして開けた場所よりは、周囲が草木に囲まれていたり、水面上を枝葉が覆っていたりする場所がおすすめです。運がいいと、捕食(エサとなる動物を捕えて食べること)の場面やヌタうち(イノシシなどが泥浴びすること)の場面を撮影することができるかもしれません。
●動物がよく通る場所 その2 ー けもの道
野生の動物たちは、やみくもに森や山の中を行き来しているのではありません。動物たちなりに「道」を決めて、そのコースを通って移動しています。そんな「けもの道」の目印になるのが轍(わだち:土や草が何度も踏まれることで窪んだ跡になっていること)です。

轍を見つけやすいのは河川敷や休耕田など草が生い茂った荒地のような場所。そこを注意深く見ると草が沈んだ道ができているはずです。そういった場所は、タヌキやキツネが通っている可能性があります。

河川敷の「けもの道」は、動物を見つけやすい一押しの場所。

河川敷の「けもの道」は、動物を見つけやすい一押しの場所。

林の中の「けもの道」を走り去るアナグマを捉えた一枚。

林の中の「けもの道」を走り去るアナグマを捉えた一枚。

●動物がよく通る場所 その3 ー 実がなる木の下
都市部、田舎に関わらず空き家の増えた昨今では、いたるところで果実が収穫されずに残ったままの果樹を目にします。柿やユズなどの果物のほか、ウメやクリなどもよく残されています。
こうした収穫されずに残った果実は、野生の動物たちにとってのご馳走です。木にぶら下がってなっているものを鳥たちや木登りが得意な動物が食べ、夜になると地面に落ちた残りの部分を狙って動物たちが集まってきます。

また、神社やお寺には大きなイチョウが植えられていることが多いですが、そこになった実(銀杏)も貴重な食糧になります。そこではタヌキなどが集まる様子を見ることができるかもしれません。

落ちたままのユズ。動物たちが食べに訪れることがあります。

落ちたままのユズ。動物たちが食べに訪れることがあります。

裏庭の柿を食べにきたタヌキ。昼間でも撮影されることがあります。

裏庭の柿を食べにきたタヌキ。昼間でも撮影されることがあります。

ハローウッズでは、モニタリングサイト1000(http://www.biodic.go.jp/moni1000/)という調査のもと、継続してツインリンクもてぎ施設内の哺乳類調査を行なっています。この調査においても自動撮影カメラが活躍しており、今年は10種類の動物を確認できました。

カメラを通してではありますが、動物の種類や行動が分かると私たちの生活が野生動物の暮らしと無関係ではないことに気づくことができます。人間が森を切り拓いたために野生動物の暮らしが脅かされていたり、逆に人間のいる場所に進出して人間界でエサを探す野生動物が出てきたり。
そんな人間と野生動物との関係性を、センサーカメラは切り取って見せてくれるのです。

またセンサーカメラで撮影することを覚えると、周りを見る目が変わってくるかもしれません。「あの草むらにけもの道があるな」「あ、あそこは怪しいな」など、それまで気にも留めなかった場所が気になりだして、センサーカメラを仕掛けたくなります。それはハンターの気分に似ています。思った通りに野生動物の姿をカメラに収めることができたとき、この上ない喜びを感じるのです。

ツインリンクもてぎの自然体験施設「ハローウッズ」へ行ってみよう!

ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。

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冬の里山キッズ研究員 ~カエルがよろこぶ池をつくろう編~

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    ミズスマシの沢にある池をキャストと一緒に大掃除。池の中に入って泥をとったり水草を抜いたりしてカエルが暮らしやすい池をつくります!
    ※現在は予定通り開催に向け準備を行っておりますが、新型コロナウイルス感染症状況を注視したうえで判断し、内容を変更して実施または開催中止の可能性がございます。ご理解くださいますようお願いいたします。

近隣の方が遊歩道のベンチで一休みできる
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埼玉県狭山市にある四輪車組立工場 “狭山完成車工場“ には、正門前の道路に沿って一般の方向けに遊歩道が整備されています。また森の内側にある従業員向け遊歩道には生きものを育む ”落ち葉のプール” が作られ、夏祭りで一般公開されて親子連れでにぎわいます。

本田技研工業(株)埼玉製作所 狭山完成車工場
本田技研工業(株)
埼玉製作所 狭山完成車工場

埼玉県狭山市新狭山1-10-1

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