ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論やさしそうなのにミスが出る!
本当は怖い斜面からのアプローチ

2022.10.13


グリーン手前からの一見イージーなアプローチでザックリ! スコア的にもったいないのはもちろん、精神的なダメージも大きい場面ですが、実はこのミスには理由があるんです。というのも、グリーンの手前は上り傾斜(アップヒル)になっていることが多く、この斜面がミスを誘っているのです。警戒せずいつものように打つとウェッジの刃が地面に刺さってチャックリ…。そんな悲しいことにならないよう、ショートゲームが得意な野澤竜次プロに打ち方を教えてもらいました。

上り傾斜を頭に入れないとミスが出ます


― 気付いていない人もけっこう多いようですが、アップヒルのアプローチってミスがよく出ますよね。

野澤 アマチュアの方は苦労されているようですね。何も考えずに打つとミスは出ると思います。多いのはボールを右に置いてクラブを上から入れるパターン。これだと高確率でザックリが出ちゃいます。かといって、すくい打つとトップしやすいですし、やはり斜面に応じた打ち方を知っておくことが大事ですね。

― アップヒルのアプローチの打ち方、ぜひ教えていただきたいと思います。

野澤 構えが大事です。オープンスタンスにして、ボールはセンターからボール1個ぶん左に置き、フェースは少し開いておきます。こうすると体が開いた状態で構えることになりますが、これがポイント。要はアドレスでインパクトの状態をつくっておくんですね。

― スイングするときの注意点はありますか?

野澤 斜面と平行にクラブを動かすことです。上からヘッドを入れると、実際はかなり鋭角にアタックすることになりますから、地面に刺さるのはいわば必然です。右手首の角度を変えないようにして、地面と平行にスイングすればうまく打てるはずです。

アップヒルの打ち方

下り傾斜はカット軌道で打つのがポイント


― 斜面なりに振ることが大事なんですね。下り傾斜(ダウンヒル)はどうなりますか?

野澤 左足下がりはそもそも難しいですが、斜面なりに構えることがまず大事ですね。体重配分は、左足6・右足4の6対4でクローズスタンスにします。右足を引くことで、右斜めにスペースができるのでクラブを振りやすくなるからですが、これが最大のポイントですね。フェースはやや開き、クラブを振っていく軌道はアウトサイドイン。絶対に前傾姿勢を崩さないように注意して、カットに打てば対応できます。

ダウンヒルの打ち方

アプローチの基本練習は
片手打ちです

アプローチショットが上手くなるには、片手打ちの練習が効果的です。使用クラブはサンドウェッジ。約15ヤードを両手の場合と同じぐらいの精度で打てるように頑張って練習してください。

ポイントは手元が腰、シャフトが地面と平行のトップを丁寧につくり、そこから左のお尻の回転でボールをとらえることです。実際に打つ場合は、バックスイングが平行ポジションよりも上がりますがそれは構いません。手を使わず、左のお尻でリードする体の回転でボールをとらえることにフォーカスしましょう。

右片手打ちのポイント


左片手打ちのポイント

指導
野澤竜次プロ

ゴルフの名門東北福祉大ゴルフ部出身で、今後の活躍が期待されるツアープレーヤー。300ヤードを超えるドライバーだけでなく、精度の高いショートゲームが武器。京都府出身。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。


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