ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論意外と知らない斜面からの打ち方

2018.09.20

「練習場シングル」という言葉がありますが、練習場では上手くボールを打つのにコースに行くとからっきし…というような人は、斜面からのショットが苦手だということが考えられます。コースに行けば平らな場所から打つことはほとんどなく、ティーグラウンドさえも傾斜していることが多いのですから、斜面からの打ち方を知っておくことはスコアメークの必須条件といえるでしょう。

まずつま先上がり斜面にあるボールですが、英語でBall Above Feetと表現するように、ボールが足元よりも高い位置にあります。この状況は極端に高くティーアップしたボールを打つのと同じで、フェースはライ角の影響で左を向きますし、ボールが体に近いぶんクラブを短く持つ必要があります。また、横振りになればなるほどフェースが開閉しやすくなるので、油断するとシャンクやひっかけが出ます。これらのことに留意しながら、目標を右めにとり、コンパクトなスイングで打つことがつま先上がりの斜面のコツになります。大振りすると後ろにのけ反ってしまうので、アドレスの時点から左軸を意識してスイングすべきですし、振り抜くとフェースが返ってしまうので、ライン出しショットのようなイメージで打ちましょう。フルスイングしないぶん大きめの番手で打つのも忘れずに。

つま先上がり

つま先上がり斜面は物凄く高くティーアップしたボールを打つようなもの。構えた時点でフェースが左を向くので目標を右めにとろう。

つま先下がり斜面はBall Below Feetと表現し、文字通りスタンスよりもボールが低い位置にある状況です。木箱に乗っかってボールを打つイメージですが、クラブを長く持つという手は使えないので、両ひざを曲げてボールに合わせるしかありません。実際にやってみるとわかりますが、下半身を使えないので上体だけでクラブを振らなくてはならず、ここにこの斜面の難しさがあるといえます。また、セットアップしたフェースが右を向くのでスライス回転がかかりやすいのですが、傾斜がきついとネックが地面にひっかかって、フェースが返ってしまうことが多いのも現実です。ですから通常のショットに近いイメージで打てる状況なのか、それとも足がロックして上体だけで打たなければならない状況なのかをしっかりとジャッジして、左右に曲がるリスクをヘッジする必要があります。逆球が出るくらいならはじめからフック回転をかけて狙う、というのも悪くない作戦です。

つま先下がり

つま先下がり斜面は台の上に乗っかってボールを打つようなもの。下半身を使えないので距離が極端に落ちるぶん大きめの番手で打とう。

左足上がり斜面は比較的打ちやすいというアマチュアが少なくありませんが、これはクラブが下から入っても大丈夫なためです。とはいえ上手く打てているというわけではなく、バックスイングで右に重心を移動し過ぎて戻れず、トップしてしまうことが多い斜面です。なので、最も気を付けるべきなのは体がスエーしないことであり、そのためにはあらかじめ左軸を作ってアドレスし、左軸でスイングします。クラブの抜け所がないので無理にフォローを出さないのもポイントで、特にショートアイアンでは地面に突き刺さってしまうことも多く、注意が必要です。斜面なりに振り抜く手もありますが、ロフトが寝てしまい距離感を合わせるのが難しくなります。そもそも目標が高い位置にあって実質的な距離が長い上に、傾斜の影響でロフトが寝たり、フルスイングしないことなどで距離が落ちるので、思い切って番手を上げることが良い結果につながります。

左足上がり

左足上がり斜面はバックスイングで右にスエーし過ぎることに注意。あらかじめ左軸を作っておいて打つとミスが少ない。

最後になりますが、左足下がり斜面は多くのアマチュアが苦手とするライです。なぜかというとダウンブローに打てないからで、すくい打つとボールの右側の高い地面にクラブがぶつかり、ダフリのミスになります。ですのでアーリーリリースを修正し、ダウンブローに打てるようになるしか根本的な解決はないのですが、応急処置的にはクラブを上から入れられる体勢をつくっておく、ということになります。それにはアドレスの時点で右ヒザを内側に絞っておくことで、こうするとバックスイングが高い体勢になるので、上からクラブを入れやすくなります。またこのライでは右足にボールを寄せたくなりますが、それだと球が上がる可能性がなくなってしまいますので、斜面なりに構えてボールを左に置きましょう。左軸が取りやすいので正しくスイングできればむしろ打ちやすく、ボールを左に置けばこの斜面からでも球は上がります。

左足下がり

左足下がり斜面でボールを右に置くと球が上がるチャンスがなくなってしまう。斜面なりに構えボールを左に置いて打とう。

以上4つの斜面からの打ち方を紹介しましたが、共通するのは体を揺さぶらずに打つことで、ふだんから左軸をキープしたまま打って距離を出せるような練習をしておくことが大事です。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

イラスト:野村タケオ

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