ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論意外と知らないラフの打ち方

2018.08.02

夏場のゴルフで厄介なのが強い日差しとラフです。日差しは日傘や日焼け止めで対策するとしても、太くて長い芝が密集するラフに沈んだボールは打ち方を知らないとどうしようもありません。ところがアマチュアはラフの打ち方を意外と知らないもので、うまく脱出できずにラフからラフを渡り歩いたりします。それでも日本のコースに多い高麗芝のラフはボールが浮くので、むしろ打ちやすいという場合もありますが、ボールが深く沈んでしまうと、もうお手上げ。ボールが全く飛ばないということもあるのは、みなさんよくご存じでしょう。

なぜラフからうまく打てないのかというと、長い芝に阻まれてクラブがボールに到達しにくいからです。芝の抵抗に負けてクラブフェースが開いてしまうこともあるし、芝がネックに絡まってフェースが返ってしまうこともあります。また、フライヤーといって、ボールとクラブフェースの間に芝が挟まってバックスピンがかからず、飛び過ぎてしまうこともあります。このように、予測がつかないのがラフの難しさといえるでしょう。

というわけで、夏のゴルフはラフに入れないのが最善ですが、もちろんボールがラフに行ってしまうことは必ずあるので、何とかしなければなりません。その時はなるべくロフトのある番手、たとえば9番アイアンやウェッジで脱出を優先させるのが賢明です。ピンまで150ヤードあったとしても、50ヤード打っていったんフェアウェイに出すという選択が、大叩きを防いでくれるでしょう。100を切るか切らないかのレベルまでは、こうした「急がば回れ」作戦が功を奏すはずです。

その上のレベルになると、物理的に可能な場合にはグリーンを狙っていくという選択になりますが、そのときに大事なのがまず、芝に負けないようにグリップをしっかり握っておくことです。グリップを緩く握っていると、フェースが開いたり返ったりしやすくなるので、特に左手のグリップをしっかりと握っておいてください。それから、なるべく芝の抵抗を受けないようダウンブローに打ち込むこともポイントで、普段すくい打っている人がラフだと全く打てなくなってしまうのはこのためです。高麗芝のフェアウェイはボールが浮いているのですくい打てますが、ボールがラフで沈んでいるとクラブの刃で芝を起こしてしまって、力が伝わりません。また軌道がインサイドアウトでフックがきつい人も、芝の抵抗をまともに受けるのでラフが苦手な場合が多いといえます。クラブを上から鋭角に入れるフェードヒッターは比較的苦にしませんが、それこそがラフの打ち方のお手本かもしれません。ツアープロがラフからスライスをかけてグリーンに乗せてくるシーンをよく見るのは、そういう理由からなんですね。

プロが深いラフからスライスをかけて狙うシーンをよく見かけるが、そこにはラフの打ち方のコツが隠されているといえる。

とはいえ無理は禁物です。逆目だったりしたらまずボールは飛びませんし、順目でもクラブを振り抜く方向と芝の向きが違うとうまくクラブが入っていきません。ですから状況をよく見て、まずはボールを飛ばせるか飛ばせないかの判断をし、飛ばせないならウェッジで脱出、飛ばせるなら芝の向きに逆らわずにクラブを振り抜くことが大事です。

クラブフェースを開き鋭角に入れることで芝の抵抗を減らすことができる。グリップはしっかりと握っておこう。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

イラスト:橘田幸雄

「ゴルフ理論」の記事一覧へ