ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論パターの盲点!ソールをぴったり地面につけるのがミスの原因

2018.05.24

「コースには平らなライはない」とはよく言われますし、だからこそ斜面からの打ち方を練習しておかなければならないことは、みなさんよくご存じだと思います。
しかし、意外と忘れがちなのは、グリーンにも斜面があるという事実です。こう言うと、「当たり前じゃないか。だから転がるボールは左右に曲がるんだよ」という方もいるかもしれませんね。でも、もしかしたらラインを読むことばかり考えて、自分の立っている場所が斜面であることに気付いていないのではありませんか? たとえば左に曲がるフックラインのときは、自分がつま先上がり斜面に立っている可能性が高いですし、スライスラインならつま先下がり斜面に立っていることが多いのです。

これが何を意味するかというと、ラインを読むだけではなく、打ち方も斜面に対応する必要があるということです。たとえばつま先上がりに立っている場合、パターのソールをグリーン面にぴったり付けて構えると、ロフト角がついているのでフェースは左を向きます。フックラインなのでカップの右に打ち出そうとするでしょうが、このセットアップからだと、打ち出そうとする方向よりもボールは左に出てしまうのです。結果はカップの左に外れることになりますが、フェース面が左を向いていたことに気付かず「思ったよりも切れたな」などと考えて次のホールに向かってしまうと、また同じことが起こります。
スライスラインも同様に、パターのソールをぴったりと地面につけて構えると、その時点でフェースは右を向くのです。このからくりに気付かない限り、永遠にパターに苦しむことになるでしょう。

ではどうすればいいかというと、答えはパターのソールにあります。キャディバッグからパターを引っ張り出してソールの形を見てください。丸みを帯びていませんか? おそらくソールがまっ平ということはないはずです。ではこの丸みは何のために付けられているのでしょうか?

パターのソールにはラウンドがつけられているが、これは何のため?

勘のいい方はもうお気づきだと思いますが、傾斜に対応するための丸みなのです。狙った方向にフェースを向けるには、斜面なりにパターをセットするのではなく、重力に対してスクエアにセットすることが必要であり、そのためにはソールに丸みがついていないとマズいことになります。つま先上がりの場合にはヒールを浮かせるような状態になりますが、ソールのラウンドがないとトウ側がつっかえてしまうからです。つまり、つま先上がり、つま先下がりのどちらでもパターをスクエアにセットできるよう、パターのソールには中央を頂点とした丸みがつけられているというわけなのです。

(左)傾斜した地面で重力に対して垂直にパターをセットしやすいようにソールにラウンドがつけられている。
(右)斜面なりにセットアップしてしまうとフェースは左を向いてしまう。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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