ピンまで150ヤードを切るぐらいの距離からは、きっちりとグリーンに乗せたいもの。ライもいいし、風の影響もさほどない。そんな状況で打つ7番アイアンや8番アイアンではスピンをかけてピタッと止めたいですよね。
そんなときみなさんはどういうことを意識しますか? ダウンブローに打ち込む? そう考える人は多いと思いますが、そこには落とし穴があるというのが今回のテーマ。
「グリーンで球が止まらない!」
竹内美雪プロに何が起こった!?
そんな落とし穴を試合で痛感したのが竹内美雪プロ。ショットの精度には定評のある選手ですが、スピンをかけようと上から打ち込んでいたところ、意に反してボールは止まらずピンの奥へ。グリーンオーバーしたり、左に外れるようになって、調子を崩してしまったそうです。
得意なはずの8番アイアンでバーディチャンスにつかないと、持ち味が発揮できません。いったい彼女に何が起こったのか?
「私の勘違いだったんです。上からダウンブローに打てば、球が上がってスピンもかかると思っていました。でも実際には、落ちてから予想以上に転がってしまうんですね」

「距離感が合わずスコアにならないのでコーチの三觜喜一プロに相談したら、打ち込んでいるから止まらないんだよと言われて…」
三觜喜一プロに指摘された
「止まらない理由」とは?
三觜プロの見立ては次のようなものだったそうです。
「男子プロなら打ち込むことでスピンをかけてホップするような高い球を打てるが、女子プロはそこまでスピンをかけられないので球も上がらないし、落ちてから前に飛ぶ弾道になってしまう」



「だからダウンブローではなく、むしろレベルブローのイメージでロフト通りにとらえるようにする。そうすれば高さが出るし、地面に落下する角度(ランディングアングル)が大きくなりグリーンに止めることができる」




「計測器を使って練習していたんですけどね…」と苦笑する竹内プロ。スピン量はチェックしていたものの、落下角度は見逃していたようです。
勘違いに気付いた竹内プロはボールをとらえるイメージを変えてグリーンに止まる弾道をゲットしましたが、彼女のケースは他人事ではありません。最近のアイアンはロフトが立っているものが多いですし、ボールも低スピン化しています。女子プロにヘッドスピードが近い一般男性は、適正なスピンを入れるのが難しいのが現実なのです。
ですから「グリーンで止まらないな」と思ったら、無理に打ち込むのをやめて、気持ち良く振り抜いてみてください。そのほうがヘッドが走りますし、弾道も高くなります。
2種類のインパクト

スピンで止めるのではなく、落下角度で止めるようにすれば、よりボールをコントロールできるようになるはずですよ!
