ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論【確実に上達】ゴルフが上手い人が
必ずやってきた3つの練習

2023.04.06


上手い人に「どんな練習をしましたか?」と尋ねると、必ずといっていいほど返ってくる答えがあるんです。①ショートアイアンを徹底的に練習する、②自宅でアプローチを練習する、③ハーフスイングで練習する。この3つの練習をみなさんが口を揃えるということは、確実に上達に直結するエッセンスを含んでいるわけで、真似しない手はありません。というわけで、これらの練習の一体何が良いのかを、野澤竜次プロに聞いてみました。

上手くなれる練習のポイント①

8番アイアンでスイングの基礎をつくる


― シングルになった人は8番アイアン、もしくは9番アイアンを徹底的に練習するそうなんです。「このぐらいの距離で確実にグリーンオンできればスコアが安定するから」というのが理由なんですが、野澤プロもそうでしたか?

野澤 確かに120ヤードぐらいからグリーンに乗れば、スコアはまとまります。自分もショートアイアンはかなり練習しました。みなさん7番アイアンでよく練習しているみたいですが、7番は僕の中ではミドルアイアンなので、アマチュアの方にはけっこう難しいと思います。また、9番はどちらかというとウェッジ寄り。そう考えれば、ミドルアイアンとショートアイアンの中間である8番でスイングを作るのは、とても理にかなっていると思います。

上手くなれる練習のポイント②

ハーフスイングはフォローの位置に要注意


― ドライバーを打ち込んだという人は少ないので、ショートアイアンでスイングの基礎をつくるべきなんですね。フルスイングではなくハーフスイングで練習するというのは?

野澤 いいと思います。みなさんアイアンを振り回し過ぎなので、ハーフスイングの意識でちょうどいいですね。

そのときひとつ気を付けて欲しいのがフォローの出し方で、ターゲット方向に腕を伸ばすようなフォローではダメなんです。左脇を開けずに腕と体を同調させることが大事で、そうすると腕が正面から見えない形になります。

左腕を体から離さないようにすると、フォローで手がどこのポジションにあるかわかりますし、そこに右手を持っていくと正しいフォローが理解できると思います。

上手くなれる練習のポイント③

アプローチ練習は落とし場所を意識して行う


― スイングの基本が身に付きそうですね! アプローチ練習に関してはどうですか? 56度か58度のウェッジで、3ヤードから5ヤード先に落とし場所を設定して練習するということなのですが。

野澤 それは僕もやりました。中学生の頃はガレージにカゴを置いて、そのカゴにボールを入れる練習をしていました。

また、夜の公園にマットを持って行って、薄暗い中頭につけた工事用のライトでボールを照らして打っていました。真っ暗なので、頭が動くとボールが見えなくなるんです。もちろんボールもはっきり見えているわけではなく、アドレスのときにクラブヘッドでボールをちょっと触って、ライの感じを探ってから打ちました。父が目標物のところにいて、寄ったとか寄らないとかを教えてくれるんですけど、あの練習でアプローチの感覚はだいぶ研ぎ澄まされました。

― 夜の練習は極端ですが、やはり上手くなる人は同じ道を通るんですね。

野澤 自分はそこからショットの精度にもつなげようと思い、インパクトゾーンを意識しながら短い距離を打つ練習をかなりやりました。

やっていくうちにボールの先に幅15センチぐらいの長方形がイメージできるようになり、その長方形にクラブを通せば目標に飛ぶという感覚が身に付きました。これはかなり自分の中では重要な感覚で、言ってみれば“出球を整える”ということなんです。その「出球を整えられる長方形」にクラブヘッドが通れば、ピンに飛ぶので、アイアンがとても得意になりましたし、クラブヘッド自体が自分の手のような感じになりました。そのうち、ドライバーでも長方形がイメージできるようになって、振り返ってみるとあの練習がターニングポイントだったのかもしれません。

上手くなれる練習のポイント+α

体ではなくクラブを動かして打つ


― シングルになった人がよくやる練習をさらにアレンジしたんですね。これら3つの他にも、上手くなる過程でよくする練習に「両足を揃えて打つ」というのがあります。これはやりましたか?

野澤 自分はそこまでやりませんでしたが、いい練習だと思います。なぜなら、体をあまり使えないので、クラブをしっかり運動させて打つようになるんです。両足を一足ぶん空ける狭いスタンスで打っても、アイアンの距離はあまり変わりません。ということは、そんなに体は動かなくていいということなんです。体を動かして打つと、その日の体調や筋肉痛などでショットが変わってきますから、プレーを安定させるためにもクラブを動かすということは大事です。

― 「手を使う意識がない」という野澤プロに「体を使わない」という感覚があるのが面白いところですね。

野澤 はい。重要なのはクラブを動かすことですし、インパクトゾーンの15センチで管理するということをやっています。クラブを動かしますが、フェース面はまっすぐ抜けていくような感覚です。みなさんも8番アイアンで同じことをやってみてください。

指導
野澤竜次プロ

ゴルフの名門東北福祉大ゴルフ部出身で、今後の活躍が期待されるツアープレーヤー。300ヤードを超えるドライバーだけでなく、精度の高いショートゲームが武器。京都府出身。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

撮影協力:ROYAL GREEN水戸

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