ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論自作のゴルフ練習器具で効果抜群!
ハンガー練習法のやり方・作り方

2022.04.07


身の回りに普通にあるもので、昔からゴルフの練習に活用されてきたものといえば洋服のハンガーです。ベテランのレッスンプロにハンガーを振らされた経験がある、なんて人も少なくないのでは?

実際のところハンガーはいまなおゴルフレッスンの現場によく登場し、使われ方もさまざまなのですが、ここではイマドキの練習法をご紹介しようと思います。スライスが出なくなるだけでなく、ハンドファーストなインパクトも身に付くという一石二鳥の練習法ですよ!

グリップにハンガーを取り付ければ準備OK

用意するものは100円ショップで売っているシンプルな作りのハンガーと養生テープ(布テープでもOK)、それからゴルフクラブ(ウェッジがおすすめです)だけです。

写真のようにグリップにハンガーを取り付けるのですが、必ずグリップの右の側面にハンガーの下部を押し当てるようにしてから養生テープで固定してください。向きはフェース面に対してまっすぐかやや右向きです。ズレないためには、パンツをかける部分が平らになっているハンガーがベターかもしれません。

なぜ右向きがいいかというと、構えたときに左右の腕に当たらないニュートラルなポジションに来てほしいからです。通常はややハンドファースト気味に構えるので、まっすぐ取り付けると左腕に近づきやすいのです。やや右に向けておくことによってハンガーが左右の腕の真ん中あたりにきますが、それで準備OKです。

製作した練習用クラブでアプローチを打つ

このようにして、グリップにハンガーを装着しただけのクラブが驚くほどの効果を発揮します。やり方は簡単で50ヤード前後のアプローチショットを打つだけ。ただし1つルールがあって、スイングを通してハンガーが右腕に触れないということを守ってください。バックスイングしたときにハンガーが右腕に触れたらフェースが開いているということですし、手首のアクションも間違っています。

バックスイングのどこかのタイミングで左腕にハンガーが触れたら、そのままの状態をキープしたまま、振り下ろしてボールを打ってください。こうすることで、手元がクラブヘッドよりも先行するハンドファーストな形でインパクトすることができます。

球がつかまらない人は、フェースを開いて使うことに慣れているので、ハンガーが左腕に触れる動作には違和感があるかもしれませんが、これが正しいスイングだということをまずは知りましょう。そしてバックスイングを上げてもハンガーが左腕と離れていたら、意識的に手首を動かして触れるようにしてください。このときの左手が「掌屈」といって、手首が内側に折れた現代型のスイングで肝となる形です。フェース面はスクエアかやや閉じた状態になっているので、そのまま何もせず体のターンで下ろしてくれば、ハンドファーストにボールをとらえることができます。

ハンガーが右腕に触れない
フェースコントロールを覚えよう

そこそこクラブが振れているのにスライスしたり飛距離が出ないという場合、フェースが開きっぱなしということが考えられます。実際アマチュアの多くはそうなっているのですが、その間違った手首の動作を根本的に変えるには、このハンガーを使った練習が効果的です。

近年はクラブヘッドの性能が向上し、手元の操作でフェースを開いて閉じることで飛ばす必要がなくなりました。フェース面をスクエアかやや閉じ気味に使いながら、体の回転でガツン! と当てていけば飛ばせるようになったので、ハンガーで学べるフェースコントロールはますます重要になっているといえるでしょう。アプローチで要領をつかんだらフルスイングにも挑戦してみてくださいね。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。


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