ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論「ローポイント・コントロール」とは?ミート率を上げる方法とコツ

2021.08.05


中・上級者になるまではどうしてもダフリが出るものです。練習場のマットならまだソールが滑ってそれなりに打てますが、コースではクラブがほんの少し手前に入っただけでもザックリ! のミスになるので、正確なボールコンタクトが必要です。

といっても、手先でボールに合わせにいくのではうまくいくはずがありません。アドレスの時点で、ジャストミートする確率を上げる方法があるのでご紹介しましょう。

スイングの最下点(ローポイント)を
管理しよう


それには、クラブヘッドがどこに落ちてくるかを知ることが大事なのですが、結論から言うとクラブヘッドは頭の真下に落ちるのが自然であり、この傾向を利用してインパクトを管理します。なぜ頭の真下にクラブヘッドが落ちるかというと、スイングの最下点(ローポイント)が頭の真下に来るからです。

スイング軌道の最下点(ローポイント)は頭の真下に来る

まっすぐ立っている限り、この法則が適用されることを知っておきましょう。アドレスした時点でどこにローポイントが来るのかをイメージできていれば、ジャストミートのみならず球を自在に操ることも可能になります。

たとえば、アドレスで体を大きく右に傾けている人がいるとしましょう。そのまま頭が右にある状態でスイングをすると、クラブヘッドは頭の真下に落ちます。右足辺りに、あらかじめボールをセットしていればジャストミートできますが、通常はスタンスの真ん中かもっと左寄りにボールがあります。当然ながらクラブヘッドはボールの手前に落ちるのでダフリのミスになるわけですね。

頭が右にある状態

逆にダウンスイングで頭が突っ込んだ場合も、クラブヘッドは頭の下に落ちます。頭が左に移動するので、クラブヘッドの落ちる場所も左に移動し、ボールの頭を叩くミスになります。
このように頭の位置とローポイントは連動するので、頭の管理はインパクトの質に直結するといっても過言ではありません。

頭が左にある状態

重たい頭を安定させるアドレスが重要


頭の位置とボールの位置にズレを生まないようにするには、アドレスの段階で頭の真下にボールをセットすることが大事で、そのための手順をご紹介しましょう。

①右足主体で立ち(左足はつま先立ち)、クラブを右手で持って、右足内側のラインに置いたボールにクラブヘッドをセットする

②右足からボール1個ぶん離れた場所に左足の位置を決める

③右足を2足ぶんスライドさせて右足の位置を決定

④クラブを両手で握りアドレス完成

ボールの位置をスタンスとの関係性で決めてしまうアマチュアは少なくありませんが、頭の位置がズレていては全く意味がありません。このような手順でアドレスすることで、頭が安定した位置に来ますので、スイング中にズレにくくなるんですね。上級者になれば、インパクトで頭の位置を微妙に変えることでダウンブローをきつくしたり、右足のスライド量を増やしてよりアッパーブローにとらえる、というテクニックを使うこともできます。

頭は体の中で最も重たいパーツなので、使いようによっては、スイングを安定させたりスピードを上げられる反面、不安定なポジションに置くと動作そのものを壊しかねません。ですからアドレスの時点で安定させておき、その真下に来るローポイントを管理することは、かなり重要度の高いテクニックといえるでしょう。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。


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