ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論正しいアドレスの作り方|プロとアマの最大の違いは立ち方にある!

2021.07.08


プロやコーチに「ゴルフスイングで最も大事な要素は?」と尋ねると、かなりの確率で「アドレス(=構え)」という答えが返ってくるものです。スタートポジションであるアドレスはそれぐらい重要であり、「アドレスを見れば腕前がわかる」といわれるほどなのですが、世のゴルファーはバックスイングの練習やトップの位置を作るのに一生懸命で、アドレスまでは手が回っていないことが大半です。構えにこそ上達の秘訣があるのに勿体ないことこの上ありません。

アドレスとは、ゴルフボールを打つ際の構えのこと。プロのアドレスが美しいのは立ち方が優れているからで、そこにも技術があることを知ろう。

コースでボールをうまく打ちたいならアドレスの技術を上げることが近道です。いくらクラブを上手く振れるようになっても、土台であるアドレスが崩れてしまったら元も子もないのです。

アマチュアに多いのは突っ立っていたり、頭が下がっていたり、ヒザが曲がりすぎているアドレスです。このような構えだとスイングの途中でおかしな動作が入ってしまい、ジャストミートするのが難しくなります。

こんな姿勢で構えていませんか?
よくあるアドレスの間違い

突っ立っているアドレス

クラブを上に振り上げて下ろすことしかできないので、基本的にスライスしか打てない。また、空中に向かって構えるので、ボールにエネルギーを集めることができず距離が出ない。

頭が下がっているアドレス

頭がブレーキになってバックスイングが上がりにくく、無理に動くと頭の重さで上体が振られ、手打ちになりやすい。

ヒザが曲がりすぎているアドレス

腰の位置が低いとヒザが動きやすく、体が左右にスエーする。力が入りそうだが、地面の反力を使いにくいので体のターンはやりにくい。

反り腰になっているアドレス

骨盤が前傾し過ぎて胸郭と向きが合わなくなっている状態。反り腰で構えると体のターンがスムーズにいかないし、腰に負担がかかって故障しやすい。

では、ショットを安定させるためにどういうアドレスをとればいいのかというと、ポイントは3つあって①お尻の高さ、②頭の位置、③骨盤のポジションです。

立ち方のポイント

① お尻を高い位置にかつテンションがかかるように
② 後頭部と背中のラインをまっすぐに
③ 骨盤を前傾し過ぎず肋骨のラインと揃える

まずお尻の高さですが、前傾したらお尻ができるだけ高い位置に来るようにしてください。なおかつ、両方のお尻にテンションがかかるようにするのがコツ。この姿勢だと地面に力がかかるので、地面からの反発を使って体を高速ターンすることが可能になります。
また、お尻を高くすると両ヒザが自然に伸びると思いますが、それでOKです。ヒザを曲げると体がスエーしやすくなります。ヒザはわずかに曲がるくらい、意識としてはまっすぐの感覚で立つとスイング中に体がぶれず、いつも同じ場所にクラブが下りるようになります。

頭の位置は前に垂らさず、背骨から後頭部のラインがまっすぐになるようにします。こうすることでバックスイングが大きく取れますし、回転がしやすくなるのでボディターンのスピードが上がり、飛距離が伸びるでしょう。

骨盤は前に倒し過ぎないようにします。骨盤前傾が深すぎると腰に負担がかかり、故障のもとなので適度な前傾を心がけましょう。
目安はまっすぐ立った状態から自然に骨盤を前傾させること。肋骨の前傾と角度が大体揃っていればOKです。腹筋に力が入るようなら正しく立てている証拠です。

前傾姿勢のつくりかた

① 両足を肩幅程度に広げ背筋を伸ばしてまっすぐ立つ
② ヒザを曲げずに骨盤を前傾
※この時必ずヒザは軽く曲がるが、曲げていない感覚で立つことが大事

この通りにアドレスするとほとんどの方は違和感を覚えると思いますが、そこがプロとアマの違いです。突っ立っているのは論外としても、安定させようとどっしりと腰を落とした姿勢が実はスエーを招いてしまうように、良かれと思ったことが正しい動きを阻害しているのは、ゴルフでよくあることです。

ヒザを伸ばすと動けないように感じますが、それこそがプロのアドレスの感覚です。もちろん、見た目にはヒザは軽く曲がっているのですが、選手自身は「曲げていない」感覚なのです。一方、アマは動きやすい姿勢を作ってしまうのでスイングが安定しないのです。

腹筋に力が入り、足の裏で垂直に地面を押している状態を作れれば、手先でクラブを振らなくなるので、自然に体を使ってスイングするようになります。体がブレず手先を使わないので、スイングの再現性が高まるというわけです。練習しているのにスイングが良くならないと悩んでいる方は、プロのアドレスをコピーすることから始めてみてください。必ずそこに上達への気付きが生まれるはずです。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。


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