ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論なぜクラブフェースは
開いてしまうのか?

2021.01.14

なぜゴルフでミスが出るのかというと、大きな理由はインパクトでフェースが開いてしまうから、と言っても過言ではありません。もちろん閉じてしまってのミスもありますが、一般的なゴルファーのミスのほとんどはフェースが開くことによって起こり、ボールが右に飛んでトラブルに見舞われます。

では一体なぜフェースは開いてしまうのでしょうか? それはクラブの構造がそうなっているからです。何も考えずに振ればフェースは開きます。
「自然にフェースターンするようにできているんだよ」という見方もできなくはないですが、それはクラブの使い方を知った上での話。ゴルフをやったことのない人にクラブを渡し「これで気持ちよくボールを打ってごらん」と言うと、ほぼ間違いなくフェースは開くのです。
すると「あれ? 当たらない!?」とビックリするものですが、次は当たるように工夫した結果、グリップを力任せに握りしめ、フェース面を動かさないようにしてボールにぶつけようとします。これならなんとか打てますが、本来の使い方ではないのでボールは飛びませんし、大抵はスライスします。そこでまた工夫をして、クラブを左に引っ張り込んで曲がり幅の大きいスライスボールでターゲットに運んだり、腕をねじってフェースターンを行い、まっすぐ飛ばそうと試みます。こうなるとかなりこじらせ状態で、変則スイングからなかなか脱却できないということになります。

哀しいゴルファーあるあるですが、これはそもそもフェースが開いてしまうことが根源にあるわけで、右手でフェースを操作しようとしているうちはこの段階から抜け出せないのが現実です。右手の感覚で「フェースをターンしよう」「ハンドファーストにインパクトしよう」としても、実際には逆にフェースが開いたり、すくい打ちになってしまうのがゴルフの難しさ。ここは左手に登場してもらったほうがよさそうです。

もし「どうしてもフェースが開いてしまう」とお悩みなら、スイングに左手の感性を入れることをおすすめします。
やり方は簡単で、左手の甲が下を向くようにダウンスイングし、そのままインパクトするのです。実際には左手の甲は下を向くわけでなくターゲット方向を向きますが、このイメージで打てばフェースは開きませんし、ボールが右に飛ばなくなります。
といっても、アベレージゴルファーには難しいでしょうから、最初からイメージを作っておきましょう。

まず左手でクラブを持ち、甲を正面に向けながらクラブを垂らすように持ち上げてください。こうすると左手首は掌側に折れ、おばけが「恨めしや~」と登場するときの形になります。これが「掌屈」であり、この形でボールをとらえればフェースは開きません。

ダスティン・ジョンソンやジョン・ラームは左手を掌屈したトップからガツンとボールを叩いてフェードボールを打ってきますが、イマドキのクラブにはよくマッチした打ち方といえます。要は掌屈したまま振り下ろし、甲を下に向けたイメージでインパクトすればいいのです。


スイングに掌屈を採り入れた
練習方法

テークバック直後

アドレスしたらテークバック直後に左手を掌屈してトップを作る。このときのポイントはクラブを垂らすように手元を持ち上げる。


重さを感じてトップ

右胸は開き、左手甲を飛球線後方に向け、右手は指に力を入れず手のひらにクラブを乗せているような形。クラブヘッドの重さが右手を支点に左手の甲に伝わっていればOK。


掌屈インパクト

このコンパクトなトップからクラブを振り下ろすが、手元とクラブの形は変えず、左手の甲を下に向けるイメージでインパクトする。

このときふだんから右手が強い人は右手の力を使わないように気を付けてください。体をターンしながら、左腕のリードでクラブを振り下ろしましょう。正しく行えば、フェース面がスクエアな状態でインパクトを迎えるので、ボールはまっすぐ飛び出すはずです。

フェースが開く癖がある場合はこの練習を繰り返し行って、悪い癖を直してしまいましょう。その次の段階では、どのタイミングで左手を掌屈するかということになるのですが、まずはフェースが開かないインパクトを覚えてしまうことが大事です。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。


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