ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論女子プロはなぜ250ヤードも飛ぶの?今綾奈プロがその秘訣を解説

2020.10.01

女子プロは一般男性よりドライバーの距離が出ることが多いですが、これぞまさしく「ゴルフは力ではない」ことを証明しているといっていいと思います。ただ振り回すだけならアマチュアの男性だって十分勝負になりますが、道具であるクラブをうまく使いこなす彼女たちはしなやかなスイングで250ヤード飛ばしてきます。今回は人気急上昇中の今綾奈プロに、ドライバーを飛ばすコツを教えてもらいました。


― 今プロはドライバーを飛ばすイメージが強いのですが、何か意識していることはありますか?

 私には飛ばなくなってしまう悪い癖があって、それが出ないように意識しています。

どういう癖かというと、ダウンスイングで右ヒジを体に寄せてしまうんですね。こうなってしまうとインパクトは詰まるし、体が起き上がってしまうので、物凄く不安定なショットになります。

― いわゆる「タメをつくる」ような動きだと思いますが、それがショットのクオリティーを下げる原因になると…?

 もともとドローヒッターで、インサイドからクラブが下りてくるタイプだったんです。それを繰り返しているうちに右ヒジを絞るような動きが身に付いてしまったんですね。

 この癖が出るとクラブが上から入るので、バックスピンが増えてしまい距離を損します。そこからタイミングを合わせてコントロールできたとしても、球質はあまり良くないですね。

― 三觜喜一プロに改善策を習ったとか?

 はい。コーチに切り返しで飛球線後方に出力することを教えてもらいました。


 最初は物凄く違和感があったのですが、クラブを後ろに振り出したほうがスピードも出るし、軌道も安定するのを実感しています。まずは出力して、そこから体を使ってインパクトまで持っていくんですが、そこは腹筋を使うし頑張りどころですね。

 こうするとタメがほどけてしまうような気がしますが、そんなことはなくて、むしろハンドファーストにとらえられるので強い球になります。うまくできたときはかなり飛びますよ。

― 「逆もまた真なり」ですね。この動作をするときのポイントを教えてもらえますか?

 アドレスで骨盤が右に寄らないように気を付けています。右腰が出ていると、切り返しで左に戻る動きが起こるので右に出力しにくいんです。

 骨盤を左に寄せておけば、すっとクラブを上げてそのまま右に出力できます。

― 最後に、女子プロのように飛ばしたいと思っているアマチュアにアドバイスをお願いします。

 ゴルフ全般に言えますが、ドライバーは特に力では打てませんし、ボールに意識が行ってしまうとぶつけるようなインパクトになって球質が悪くなります。
右に出力すれば遠心力が発生してクラブが自然に走るので、ぜひこの感覚をつかんでください。手の力ではうまくいかないことがわかればドライバーは上手くなりますよ!

解説
今 綾奈プロ

三觜喜一プロに師事する「チーム三觜」の一員でルックスに似合わない勝負強さが持ち味。得意クラブはドライバーとパターで飛距離は約250ヤードとトップクラス。1998年4月20日生まれ、東京出身。ELECOM所属。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。


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