ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論ゴルフスイングは「後ろ大きく
前小さく」で飛ばすのです

2020.05.21

野球の世界では「後ろ大きく前小さく」という理論があるそうです。メジャーリーグのホームラン王バリー・ボンズも実践していたという打法なんですが、それがゴルフでも有効だというのが今回のお話。筋トレなんかしなくても、このコツさえつかめば面白いようにヘッドが走り、ボールを遠くに飛ばすことができるのです。ではさっそく増田哲仁プロにそのメカニズムを聞いてみましょう。

背中側ではクラブで大きな円を描き、体の前では小さな円を描くイメージで振る。

― 「後ろ大きく前小さく」とはどういう意味ですか?

増田 ダウンスイングの初期にクラブを背中側に通す時間をしっかり作ることで助走距離をとり、インパクト付近では体に引き付けることでクラブヘッドに遠心力を効かせるスイングです。「後ろ大きく」といっても、決してオーバースイングがいいというわけではないので誤解しないようにしてください。
ポイントはボールに向かって手や腕を伸ばしていかないということであり、逆に自分のほうに引き付けることでクラブの軌道は真円を描くということです。クラブに遠心力がかかると軌道は真円になります。

― 遠心力をかけるために前を小さくするんですね。

増田 自分より後ろの背中側でクラブが通る軌道の円を大きくして、自分よりも前の軌道では円を小さくするということです。あくまでもイメージなんですが、そうやろうとすることできれいな円が描け、クラブヘッドを走らせることができます。

― 前側の円軌道を小さくするためには、どういう動作が必要ですか?

増田 背中側にあるクラブを自分のほうへ肩甲骨を使って引き付けます。バックスイングで左脇を開けておくことが必要なのですが、クラブを引き付けることで左脇が締まり、クラブヘッドには遠心力がかかりながらフェースターンの挙動が起こります。つまり、引き付けることで球を遠くに飛ばせて、なおかつつかまる条件が揃うということです。バックスイングで左脇を締め続けてしまうとこの動作はできないので、慣れないうちは意識的に左脇を開けるようにするといいでしょう。

左の肩甲骨を後ろに引くことで脇が締まり、クラブヘッドに遠心力が発生する。

― よく言われる「手を体の近くに通す」こととは違いますか?

増田 大きなとらえ方では同じといえるかもしれません。しかし、引き付ける動作がないと遠心力が発生しないことは知っておいてください。最悪なのはボールに当てにいって手が外に振られてしまうことです。この動作をやるとスイングの安定性はいつまでも得られませんし、思ったほどスピードも出ないんです。

― スイングアークを大きくしてヘッドスピードを上げようとすると、どうしても腕を伸ばしてしまいがちですが、あれは逆の動作なんですね。

増田 腕のアークは大きくなるかもしれませんが、バットやクラブは速く動いてくれません。手や腕の力でスピードを出そうとしているうちはなかなか上達しませんね。遠心力でヘッドを走らせるコツをつかんだ人が上手くなるのがゴルフといっていいでしょう。

増田哲仁プロ

「歩くように打つ」で一世を風靡した元祖・カリスマコーチ。長年指導してきた「体でリードするシャロースイング」が世界のゴルフシーンの主流になっている現在、再び増田メソッドに注目が集まっている。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。


マンガ:蝦名いくお

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