ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論手で上げるバックスイングでは
意味がない!

2020.05.14

トッププロの間では、ゴルフスイングにおいて肩甲骨が重要だということはなかば常識ですが、アマチュアレベルではその事実を知っている人が少ないのが現実です。ということは、技術レベルを大きく分けるポイントがそこにあるということであり、それを知らないままでいるのは実にもったいないことなのです。そこで今回は、「歩くように打つ」でお馴染みの増田哲仁プロに肩甲骨の重要性について解説をお願いしました。

― 肩甲骨の重要性について教えてもらいたいのですが。

増田 クラブは当然手で持つわけですが、スイングしたときには体幹の動きが肩へと伝わり、そこから腕に伝わってクラブに伝達されます。そう考えると当然、腕を支える根っこ部分の肩甲骨周りが重要であり、パワーの源とも言えるんです。肩甲骨がズレたり、緩んだりしてしまうとスイングは安定しませんし、そこで力を出す準備をしていないとスイングは成り立たないというぐらい大事な部分だと言えるでしょう。

― 肩甲骨のどういう動きがスイングを台無しにしてしまうのでしょうか?

増田 よくあるのは肩甲骨が緩んで手が前に出過ぎるパターンですね。

増田 ボールに当てようとすると肩甲骨は緩みやすいのですが、これだとヒールに当たりますし、ヘッドも走りません。本人は当てようと思っているし、スピードを出そうと思っているのにもかかわらず、実際はまったく逆になってしまうという皮肉な結果になるんですよ。

― だから当てにいってはダメなんですね。

増田 それもそうですし、アマチュアはそもそもアドレスの時点で肩甲骨が緩んでいる場合がほとんどです。ボールが地面にありますから、構えた時点で肩甲骨が前に出てしまうんですね。こうなると体がリードして動きにくいので、どうしても手先でクラブを振るようになってしまいます。

肩甲骨が緩んでいると手先でクラブを操作するようになる

増田 そうならないためには肩甲骨を引き付けておくことが大事で、強い選手は意識的無意識的にかかわらずそのイメージがあると思います。

― 「肩甲骨を引き付ける」とは具体的にどういうことですか?

増田 歩いたり走っているときには誰だって無意識に肩甲骨を引き付けているんですよ。ゴルフでもその状態で構えればいいのですが、目の前にボールがあるとどうしても前に出してしまうんです。ですから最初は意識的にクラブを自分のほうに引っ張るようにして、背中に2枚の羽をつくります。

増田 これが肩甲骨を引き付けた状態ですね。そのまま前傾して肩甲骨の形が崩れないように腕を垂らします。

― スイング中は肩甲骨をどう意識すればいいですか?

増田 肩甲骨が緩んでいると手で上げたり、クラブだけ動かしたりしてしまいますが、肩甲骨を引き付けたまま始動すると、体とクラブ、腕が一体となって動きます。ということはつまり、アドレスで肩甲骨を意識していれば自然に体を使ってスイングをするんですね。「ゴルフは構えが大事」というのはそういうことです。

― スイング中は肩甲骨を意識して動かすということではない?

増田 アドレスで引き付けていれば勝手に動きます。逆に、手に力が入っていると肩甲骨はロックされて動かなくなってしまいます。ですから肩甲骨を引き付けたまま連続素振りするなどして、緩まない状態を知ることがまずは大事ですね。

増田 テークバックを手で上げてしまうとスイングは崩壊してしまうので、やはりアドレスのポジションが最も重要といえるでしょう。

― 自宅でできるエクササイズはありますか?

増田 胸の前でクラブを持って軸回転すればいいでしょう。肩甲骨を引き付けてクラブを持ったら前傾して、体を左右に回転します。この運動をいつもやっているだけでも肩甲骨は動くようになりますし、スイング中の体の入れ替えが理解できるはずです。また体の中心感覚も出てきますから、クラブを振ったら勝手に当たってしまうスイングになりますよ。

自宅でできるエクササイズ


増田哲仁プロ

「歩くように打つ」で一世を風靡した元祖・カリスマコーチ。長年指導してきた「体でリードするシャロースイング」が世界のゴルフシーンの主流になっている現在、再び増田メソッドに注目が集まっている。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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