ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論驚くほど距離が伸びる!
手の力を抜いて飛ばすコツ

2020.02.27

みなさんこんにちは。Honda GOLF編集長の小林一人です。実は最近ドライバーがぶっ飛んでいまして、ツアープロをアウトドライブしちゃったりと、50歳を過ぎて盆と正月が一緒に来たような感じになっているんです。それには理由がありまして、増田哲仁プロに習ったからなんですね。今回はみなさんにもぜひ飛距離アップしていただこうと思い、増田プロにあらためて飛ばしの秘密を聞いてみた次第です。それではどうぞ!

― 自分でも驚くほど距離が伸びているんですが、どうしてなんでしょう?

増田 体とクラブの使い方がわかったからでしょうね。飛ばし方を教えているつもりはなくて、そこが理解できたから飛び始めたんだと思います。アマチュアはどうしても手の力でクラブを振りたがりますが、それをやっているうちは飛びませんし、そもそもプロがどのようにボールをとらえているかわからないと思います。

― 最初に教わったのは手の力を抜くことでしたね。グリップを握らないようにしたらクラブが走るようになりました。

増田 体がターンするエネルギーはとても大きいものですから、それを生かして打ったほうがスピードは出せます。ただこのとき手に力が入っていると手首がロックしてしまい、せっかくのエネルギーがクラブに伝わらないんです。男性の方は特に、両手の力を抜くことから始めるべきだと思いますね。クラブを持っているのに持ってない感じ、誰かに引っ張られたらスポッと抜けるぐらいの力加減でいいんです。

― 手の力を完全に抜くとスイングは変わりますね。これはどんなスイング理論を学んでいるにせよ、やってみるといいいポイントだと思います。私の場合は手の力を完全に抜いて、体をターンするようにしたら物凄くスピードが上がりました。

増田 腕を振らないことも大事ですよ。バックスイングが上がったら、その腕の形のまま体をターンさせます。手の力が抜けていれば自然にタメができてリリースされるので、勝手にヘッドは走るんです。

― ダウンスイングでフェースを上に向けなさい、というのも目からウロコなアドバイスでしたが、あれをやると切り返しでクラブが寝て、軌道がシャロー(鈍角)になりますね。

増田 アドレスしたときクラブヘッドはシャフト軸の前にありますが、バックスイングすると後ろに回りますよね。アマチュアは振り下ろすとすぐにリリースしてクラブヘッドを前に戻してしまいますが、放り投げるように下ろすとクラブの持つ力がなくなるんです。たとえばもともとシャフト軸の手前にクラブヘッドがついていたら、誰でもリリースせずにタメをつくれるんですよ。ところがクラブの構造はそうじゃないから、訓練されていないアマチュアはどうしても外からボールに当てにいってしまいます。
そこでフェースを上に向けるイメージが必要になってくるんです。クラブヘッドをシャフト軸の内側にキープしながら下ろすと、クラブヘッドを外に投げ出さずタメるしかなくなるんですね。軌道もシャローになるし、何より大事なのはこのイメージで下ろすとひとつの「型」になる、ということです。




― スイングの再現性が高まるということですね。

増田 フェースを内側に管理できればつねに同じ動きができるようになります。そして、せっかく力がたまっているクラブを早くリリースするのはもったいないので、インパクト直前までフェースを開いておくのも大事なコツです。自然にフェースターンは起こってボールをとらえますから、自分で合わせにいかないというのがポイントで、この感覚がわかるようになると面白いようにクラブヘッドは走りますよ。

― そうやって下ろすと、クラブが長くなればなるほどうまく打てる感じがします。ドライバーを打つのが楽しくなりましたよ。

増田 クラブをうまく使えるようになったからです。ドライバーはクラブ自体の持つエネルギーが大きいから、使いようで大きく飛距離アップするし、ミスも減ります。ましてやティーアップできますし、比較的平らな場所から打てるわけですから、うまく打てないはずがないんです。体でリードして、地面に円を描くように振れば、いまのドライバーは誰でも飛ばせますよ。


指導
増田哲仁プロ

「歩くように打つ」で一世を風靡した元祖・カリスマコーチ。長年指導してきた「体でリードするシャロースイング」が世界のゴルフシーンの主流になっている現在、再び増田メソッドに注目が集まっている。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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