イマドキの大型ヘッドドライバーは、右方向へのミスが多いことはみなさん実感されていることと思います。
パーシモンやメタルウッド初期の時代はヘッドが小さかったため、振り回すことはさほど難しくありませんでしたが、460ccのヘッドをフィニッシュまで振り切るのにはコツが要ります。どうしてもボールにぶつけにいってしまうので、プッシュアウトやスライスボールが出やすいのです。それを嫌って左を向いたり、クラブを左に引っ張りながら打つと余計にミスが大きくなったり…。進化したとはいえ、あいかわらずアマチュアにとってドライバーが難しいクラブであることは変わりません。そこで今回は、ドライバーのスライスを簡単に直す方法を紹介しようと思います。先生はみなさんよくご存知の三觜喜一プロです。
― ドライバーがスライスし始めたらどうすればいいですか?
三觜 人によって症状は違うので一概には言えませんが、スライスとフックの打ち分け方を知っておけばいいと思います。
― なるほど!スライスを直すのではなくフックボールを打てばいいんですね!
三觜 どうやって打ち分けるかというと、胸の面がポイントです。ゴルフはクラブを振り子運動させて打つのが基本ですが、アドレスで胸を左に向けておいて、胸の面通りに振り子運動させるとスライスボールが打てます。逆に胸の面を右に向けておいて、その面に沿ってクラブが振り子運動するとボールにフック回転がかかるんですよ。
― 胸の面を右に向けるんですか!右が怖いゴルファーにとっては勇気が要りそうですね。
三觜 右が怖くて左を向くと余計にスライスしてしまうので、ここは知識が必要な部分ですね。また胸の面を右に向けるときにはボールの位置をやや右に置くのですが、そのときにクラブフェースを少し開くのを忘れないでください。アマチュアはフックを打とうとするときにフェースをかぶせてしまう人が多いですが、必ずフェースは開きます。開いておいてインサイドからクラブを振ると、ボールは右に飛び出して左に戻ってきます。
― フェースを開いて右へ振るんですか!まさに「逆は真なり」という感じです。
三觜 バックスイングが上がったときにボールとグリップが物凄く近い方がいますが、あれもスライスになる原因なのでやめたほうがいいですね。
― いわゆる「クラブを担ぎ上げる」ようなバックスイングですね。
三觜 「早く当てたい」という気持ちがそうさせるのでしょうが、そういうトップオブスイングのポジションからだと、いったんクラブヘッドを後ろに振り出してから下ろしてこないと球はつかまりません。アマチュアには難しい技術なので、ほとんどの場合クラブが外から入ってスライスするか、体が突っ込んでダフリやテンプラになりますね。
― せっかく胸の面を右に向けても、台無しになってしまう…。
三觜 その通りです。ですからバックスイングで右の肩をしっかりと引いてボールと右肩の距離をとるようにするといいでしょう。そうすれば思い切り振り下ろしても自然にクラブヘッドがボールのある場所に戻ってきます。当てようと途中でアジャストしなくなるので、振り子運動がスムーズに行えるようになりますよ。