ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論ゴルフレッスンに潜む大きな落とし穴

2019.12.05

ゴルフを熱心に追求しているにもかかわらず、いつまでたっても上手くならない人がいます。これにはさまざまな理由がありますが、ひとつの大きな要因として、多すぎる情報に翻弄されているという事実を見逃すことはできません。

ゴルファーの周りには、ゴルフ理論に関する膨大な情報があります。ゴルフ専門誌や書籍、ネットの記事、それからYouTubeなど、さまざまなメディアでいろんな先生がいろんなレッスンを展開しています。皆それぞれの視点から見たスイング論を語るので、実にさまざまなレッスンがありますし、指摘が真逆のこともあり得ます。「直線イメージで打て!」「円を描くように振る」「ボディターンで打つ」「腕を積極的に振る」などなど。情報を選別する力がない初・中級者は、それらをいちいち真に受けて、混乱してしまうことも少なくありません。ここがゴルフレッスンに潜む、大きな落とし穴といってもいいでしょう。

ゴルフスイングには「回転型」と「直線型」がある

ゴルフを学ぶ上で知っておかなければならないのは、ゴルフスイングには大きく分けて2種類あるということです。すなわち「回転型のスイング」と「直線型のスイング」であり、それらを混同すると、おかしなことになってしまいます。

回転型は、文字通り体の回転を意識するスイングです。このタイプのレッスンでは「ボディターン」という表現がよく使われます。体を左右に回転させながらボールをとらえるのですが、このタイプで特徴的なのはフェースターンを意識的に行わないことです。もちろん実質的にフェースはターンしますが、それは体の回転と同調するターンであり、意識的にシャフト軸をねじるということは行いません。

回転型スイングのインパクトメージ

一方の直線型では、積極的にフェースターンを行います。アームローテーションではなく、両手の操作でシャフト軸を回してフェースをターンしながらボールをとらえます。ダウンスイングでは、体を回転するのではなく、むしろ体を開かず、胸を右斜め前に向けているつもりで、腕をターゲット方向に振っていきます。回転型がクラブの円運動の中でボールをとらえるようなインパクトのイメージなのに対して、直線型は地面とターゲットをめがけてまっすぐエネルギーを出していきます。

直線型スイングのインパクトメージ

もちろん、ゴルフスイングをざっくり2つに分けるのは難しいのですが、「回転しながら打つ」ととらえているか「体を開かず打ち抜く」ととらえているかは、感覚の大きく異なるところです。ゴルフの先生は、どちらかの感覚を大前提として教えているものです。そのため、回転型の先生のレッスンと、直線型の先生のレッスンを、ごっちゃにするのは危険です。ともすれば「ボディターンしながら積極的にフェースターンした結果、ボールは左のOBに一直線!」ということになりかねません。ネットの記事や動画レッスンを見る際には、それがどちらの視点に立ったアドバイスかを、よく見極める必要があるのです。

どちらのタイプのスイングを教えるコーチかを見分けるには?

アドバイスの見極め方は、先生の使うワードに注目してください。「ボディターン」や「円運動」という言葉を使う先生は回転型ですし、「ダウンブロー」「縦回転」という言葉がよく出てくるなら、直線型の可能性が高いです。また「インパクトで体は開く」と教えるなら回転型で、「体を開かずにインパクト」というなら直線型。ここが一番はっきり分かれる部分かもしれません。

ゴルフスイングの対極軸には、他にも「腕を振る⇔腕は固定」「前傾姿勢キープ⇔前傾にこだわらない」などがあり、同じ視点からのレッスンを受けないと混乱するので、気を付ける必要があります。また、回転型の中にも前傾キープを重視する理論と、そうではない理論がありますし、そのほか細かく分けるときりがありません。少なくとも、初・中級者のうちは、回転型と直線型のレッスンを混同するのはやめましょう。

実際問題として、世界のトップ選手たちのスイングには、回転の要素と直線な要素の両方が内包されています。完成形は同じでも、その動作をどうイメージしているかは人それぞれであり、そこにゴルフスイングの、そしてゴルフレッスンの難しさがあるといえます。ただ、どんなメソッドで学ぶにせよ、自分に合った理論を見つけることが、上達の第一歩であり大前提なので、一度自分が取り組んでいることに統一性があるかをチェックしてみるといいでしょう。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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