ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論ドライバーの打ち方|上手く打つために必須の動作はコレ!

2019.10.10

ドライバーが苦手だというゴルファーは多いと思います。なぜ難しいかというと、長くてクラブヘッドが大きいからです。ドライバーをいったん動かすと、大きな慣性モーメントが発生し、自分の思い通りに動いてくれません。手先の力でスイングプレーンをなぞろうと思ってもできないところに、このクラブの難しさがあるのです。
今回は、ゴルフクラブの特性を生かした指導で定評のある鈴木真一プロが、ドライバーを上手く打つコツを解説。鈴木プロによれば、ゴルフスイングの正体を知ることに、ドライバーを上手く打つ鍵があるそうです。いったいどういうことなのでしょうか?

― ドライバーを上手く打つコツを教えてもらいたいのですが?

鈴木 ドライバーに限りませんが、ゴルフクラブでボールを上手く打つには「運動を止めない」ことが鉄則になります。アマチュアのみなさんは、トップで止まってしまう場合がほとんどです。そうすると、動きの流れがなくなり、良いショットにはなりません。いったんテークバックしたら、止まることなくフィニッシュへ向かうのが、ゴルフスイングだと考えてください。これを実践するためには、クラブがどう動くべきかを知っていなければなりません。簡単に言うと、自分から見て右回転するのが、クラブの正しい運動です。

― 右回転とは?

鈴木 文字通りの右回転です。わからなければ、体の正面にクラブを持って、手元の位置を変えずに、クラブヘッドを右回転させてみるといいでしょう。クラブがこの運動をしているとき、クラブフェースが閉じながら上がり、下りるときにフェースが開きます。開いたままでは手元が詰まってしまうので、手首を返すことで旋回させます。これは一連のゴルフスイングで、必ず入る動作です。プロや上級者は、見た目の形は違えど、必ずこのようにクラブを振っているのです。これがゴルフスイングの正体ですね。

手元を動かさず、手首を柔らかく使ってクラブを右回転させる。

― プロはクラブを回転させながらボールを打っているのですか?

鈴木 バックスイングしたらトップで止めて、そこから振り下ろして、ということではないんです。運動を止めてしまうと、遠心力や慣性モーメントを操ることができず、特にドライバーでは上手く打てません。そういう方には「クラブを右回転させながら打つ」ということを、頭に入れておいて欲しいですね。もちろん、左方向にクラブを振り出すわけではありません。右方向にテークバックしながらも、クラブを右回転させて下ろしてくるのがスイングの本質です。となると、テークバックではフェースを閉じ、振り下ろすときにフェースが開くのが、正しいフェースの使い方になります。しかし、アマチュアのみなさんの多くは、逆の運動をしてしまっているのが現実です。

― テークバックでフェースが開くということですか?

鈴木 始動でいきなりフェースを開く方もいれば、バックスイングの途中で開く方もいます。開いたままでは打てませんから、当然ダウンスイングでフェースを閉じる動きが入ることになります。結果として、そのままボールに覆いかぶさるようにして当てる、いわゆる「ぶつけ打ち」になってしまうんですね。球がつかまらずスライスしたり、テンプラになるのはこのせいで、要は正しい運動の逆をやってしまっているということなんです。クラブを下ろすときにフェースが開いてきて、それを旋回させながら打つことで、しっかりとつかまった弾道が打てるんですよ。

手を返して腕とクラブを旋回させると、スムーズに右回転できる。この旋回運動が、ドライバーショットの肝。

― テークバックでフェースを閉じればいいのですね。

鈴木 その通りです。切り返しでフェースを開きたくなる流れを作ることが大事です。そのためには、始動でフェースを閉じておくことです。フェースに関していうと、閉じて→開いて→閉じると使うのが自然な動作の流れです。クラブを右回転させると、インサイドからシャローな軌道でボールにアタックするので、ドライバーが上手く打てます。理屈を考えてしまうと難しいような感じになりますが、大事なのは手首を柔らかく使って、クラブを回すということです。ボールよりも右でクラブを右に回してから、クラブを旋回してとらえる、そうすればドライバーは上手く打てますよ!

指導
鈴木真一

名古屋商科大学時代に中部学生ゴルフ選手権、中部オープンゴルフ選手権ローアマの2冠を達成。卒業後、ツアープロとして活動した後にティーチングプロに転向。三觜喜一プロに師事し、機能解剖学、 運動力学、クラブ力学、コンディショニングに重きを置くスイング理論を現在も学びながらコーチ活動を展開中。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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