ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論ドライバーが曲がる原因はコレ!
見落としがちな右肩の位置

2019.06.13

ドライバーがうまく打てない!という悩みを持つゴルファーは多いと思いますが、一度アドレスをチェックしてみることをおすすめします。なぜならアマチュアの多くがドライバーを打てる体勢を作れていないからで、「正しくセットアップできればドライバーはむしろやさしいクラブ」と岸副哲也プロは言います。

― ドライバーのミスの原因はアドレスにあることが多いというのは本当ですか?

岸副 はい。アマチュアのみなさんが見落としがちな盲点があって、そのために球が曲がってしまっている人が多いですね。

― 盲点とは?

岸副 前回、アドレスしたときに肩に角度がある必要があることをお話ししましたが、単に上体を傾けて角度を作ってしまうと肩のラインが閉じてしまいやすいんです。そのまま打つとひっかけますし、肩のラインをまっすぐにしようと思うと頭が傾きを作る前のポジションまで戻ってきてしまい、結局肩は傾きがない上に開いてしまうといったことが起きます。

― 上体を傾けることで肩のラインのスクエアが保てなくなるんですね。

岸副 そういうことです。角度があればあるほどその傾向は強くなりますから、アイアンよりもドライバーのほうが肩の向きがズレてしまいやすいという事実があります。アマチュアはそれを知らないので、アドレスの段階で曲がることが決定している場合が少なくありません。

― どうすれば肩をスクエアにできますか?

岸副 構えた時に「右手が左手の下にある」という意識が厄介なんですよ。そう思うから右肩が引けていても不自然に感じず肩が右を向いてしまうんです。でも胸の前で拳と拳を重ね合わせると右手は上にあるじゃないですか。ということは、右肩は上に出ているというイメージのほうが正しいんです。

― 右手が左手より下を握るから右肩はやや引けていて当然と思ってしまいますね!

岸副 それが錯覚です。左肩より右肩がやや前に来るのが自然だということに気づけば正しいアドレスに近づきますよ。

岸副 ポイントは、傾いた上体がターゲットラインに対してスクエアにセットすることですが、右肩の前面を平らにしてそれをしようとするとうまくできません。右肩が平らでも、左肩が出っ張っていると肩のラインは右を向いてしまうのです。そうではなく、左肩の前面を平らにして、右手が前に出ているぶん右肩もやや前に出ている感覚で構えて欲しいんです。

岸副 そうすれば右手は左手の下ではなく上という発想が出てきやすくなります。つまり肩のラインが傾いていても、その傾きの中で右肩を出すことが、ターゲットラインに対して肩をまっすぐセットする条件となるわけです。

― 右肩を前に出すと上体が起きたり、左を向いてしまいそうですが?

岸副 あくまでも上体はターゲットラインに対してスクエアです。肩に角度をつけた状態から右肩だけを前に出すことが大事で、そうすると背中に張りが出てきます。

岸副 肩に角度があればあるほど張りは強くなりますから、ドライバーではけっこう背中にテンションを感じてアドレスしてもらいたいんです。右肩と左腰が斜めに張り合う感じなんですが、これによって倒れた軸を意識してスイングすることができるんです。また背中が張っているとクイックな動きにはなりにくく、ゆったりと大きく動けるので再現性も高くなります。

― 背中に張りを感じることがドライバーのコツというわけですね!

岸副 そう言っても差し支えないと思います。安定しない構えから振り回しても曲がるだけなので、曲げずに飛ばすにはアドレスの段階で軸回転しやすい体勢を作ることが大事です。多少窮屈に感じるかもしれませんが、こういうルールを守ればドライバーの打ち方が見えてくると思いますよ。

指導
岸副哲也プロ

競技で結果を出すコーチングに定評のあるプロコーチで「スコア請負人」の異名を誇る。ジュニアから高校生時代まで指導した金谷拓実選手(2015日本アマ優勝、2019マスターズ出場)をトッププレーヤーに育て上げた手腕は高く評価されている。


モデル
香川ちよみ

岸副プロの教え子でプロ志望の女子大生。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

撮影協力:鹿島の杜カントリー倶楽部

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