ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論飛距離アップに効く体幹トレーニング

2018.12.20

ゴルフの飛距離アップに取り組むとき、必要になってくるのが瞬発力です。瞬発力があるというのは「力の立ち上がり速度」が速いということであり、全身の筋肉が一同に会して使われている状態です。もちろん可動域は大切ですが、可動域を改善するのは柔軟性だけではありません。
たとえば野球のピッチャーの場合、肩回りの柔軟性があったとしても背中の筋肉がなければ大きく振りかぶれませんし、ダンサーも体が柔らかいだけでは足が高く上がらず、必ず足の筋力が必要なのです。要は柔軟性と筋力の両方が必要だということであり、ゴルフでもそれは変わりません。ですから、柔軟性を前提としながら筋力をアップしていき、全身を使って速く動けるようになることが重要ですし、そのような運動を筋肉が学習することが飛距離アップへの道といっていいでしょう。
今回は瞬発力を高め、回旋運動がスムーズに行えるようになるためのトレーニングを紹介します。

トレーニング1

チョップスクワット

●ステップ1
スクワット運動に体の回旋運動を加えたトレーニングです。スクワット動作が入ると反動が使えるので、腹斜筋と肩甲骨回りの筋肉の可動域を伸ばしましょう。最初は小さな動きから始め、徐々に動きを大きくしていきます。

①両手をまっすぐ伸ばして手のひらを合わせ、しゃがみながら体をねじり、斜め下に両手を切り下ろす。
②立ち上がりながら体を逆方向にねじり、両手を切り上げる。この動作を連続して行う。
回数:左右10回1セットを1~3セット

●ステップ2
水を少量入れたペットボトルを持ってチョップスクワットを行うと、水の動きでリズムが取れますしスピードを上げることができます。ペットボトルを振り上げたときに筋肉が伸びますから、伸張反射で縮む動作が行いやすくなります。

①水が少量入ったペットボトルを両手で持ち、しゃがみながら体をねじり、斜め下にペットボトルを振り下ろす。
②立ち上がりながら体を逆方向にねじり、ペットボトルを振り上げる。この動作を連続して行う。
回数:左右10回1セットを1~3セット

トレーニング2

トーソーローテーション

バックスイングおよびダウンスイングで胸郭から動かすことは三次元的なゴルフスイングの重要な要素ですが、その動作を筋肉に学習させると共に腹筋を鍛えるトレーニングです。体がぶれてしまうと意味がないので、頭および背骨の軸を動かさずに胸郭を左右に動かしましょう。

水が少量入ったペットボトルを両手で横にして持ち、体の中心を動かさず左右に連続して素早く動かす。
回数:10回1セットを1~3セット

トレーニング3

ローテーショナルランジ

ゴルフスイングでは肩甲骨が動くかどうかがクオリティに大きくかかわってきますので、そのためのトレーニングは欠かせません。肩甲骨を後ろに引きながら、もう片方の肩甲骨を前に出す動作はバックスイングおよびフォロースルーの動きをスムーズにし、スイングのスピードをアップします。

①直立して両手をまっすぐ前に伸ばす。
②左足を深く踏み込みながら右手を前に伸ばすと共に、左ヒジを後ろに引く。このときヒジを引くのではなく、肩甲骨を後ろに動かすようにする。同様に手も肩甲骨を動かして前に伸ばす。手とヒジをなるべく引き離すようにする。
③直立した状態に戻ってから今度は右足を踏み込み、左手を前に伸ばすと共に右ヒジを後ろに引く。
回数:10回1セットを1~3セット

トレーニング4

ジャンピングジャック

全身の筋肉を使って瞬発的に動くことを学習するには、ジャンピングジャックから始めるといいでしょう。このトレーニングは動作の性質上、筋肉を引き伸ばした後にすぐ切り返して収縮させる動作を繰り返す「プライオメトリクストレーニング」として分類されます。

かかとを上げたまま、左右の足を開閉しながらジャンプする。両手は足を開くときに上げ、閉じるときに下げる。
回数:10回1セットを1~3セット

トレーニング5

タックジャンプ

しゃがんでからの伸び上がり動作は飛距離アップに直結しますが、全身の筋肉を無意識に使えるという意味においてジャンプはシンプルかつ効果的なトレーニングです。突っ立っている状態からはジャンプできませんから、必ず重心を落とすといった予備動作が入りますが、ゴルフスイングでも瞬発的に立ち上がるには予備動作が必要です。

①直立して手を前に出し、手のひらを下にしておく。
②その場でジャンプし、左右の膝を手のひらにぶつける。
回数:10回1セットを1~3セット

トレーニング6

サイドジャンプ

ロングヒッターはスピードスケートのような下半身動作を行うものですが、その動きを学べるのがサイドジャンプです。前傾姿勢をキープしたまま行うのがポイントで、主に中殿筋を使って左右にジャンプします。

両手を合わせて前傾姿勢をとったら、正面を向いたまま左右にジャンプする。正面を見ると顎が上がってしまうので、目線は斜め下に固定するとよい。

水が少量入ったペットボトルを持って行うと動きやすくなる。

回数:10回1セットを1~3セット

トレーニング7

ワイドプッシュアップ

肩甲骨の可動域が広がると腕を振り回すことなくクラブのスピードを上げられるようになります。ゴルフスイングではかなり重要な要素であり、肩甲骨の可動域が広がるトレーニングはやってもやりすぎるということがありません。ワイドプッシュアップは、肩甲骨の左右の動きを学習します。

両ひざをついた状態で腕立て伏せをする。意識を腕ではなく肩甲骨に持ち、左右の肩甲骨を引き寄せながら上体を沈め、引き離しながら元の位置に戻る。
回数:10回1セットを1~3セット

トレーニング8

リバースプッシュアップ

自重を使って肩甲骨の下制筋を鍛えるトレーニングです。

両腕を後ろに回して椅子に手をつき、お尻を浮かせた状態で肩甲骨を挙上および下制させる。ヒジを曲げ伸ばすのではなく肩甲骨を上下に動かしてお尻を上げ下げする。
回数:10回1セットを1~3セット

トレーニング9

プライオメトリックプッシュアップ

肩甲骨の動きを意識した腕立て伏せにジャンプの要素を加えたトレーニングです。ハードなので無理をせずできる範囲で行いましょう。

左右の肩甲骨を寄せながら上体を沈めたら、肩甲骨を引き離しながら手で床を押してジャンプする。
回数:身体能力に応じて3~10回

トレーニング10

プランクウインドミル

体幹の側屈と回旋動作はゴルフスイングにおける重要な動作であり、ふだんからその動きに慣れておくことはスイングの質を高めてくれますし、もちろん飛距離アップにも貢献します。このトレーニングでは手を天井に伸ばすときに逆サイドの胸郭と骨盤を寄せるのがポイント。腹斜筋を使って体を持ち上げたとき、もう片方の脇腹では側屈が行われています。

プランクの状態から片方のヒジを曲げて天井に突き上げ、そのまま体を回旋させて指先を天井に向かって伸ばす。元のプランクに戻ったらもう片方のサイドでも同じ運動を行う。
回数:左右10回ずつ1セットを3~10セット

トレーニング指導
「タイカンズ」チーフトレーナー中川祥太朗

NSCA-CSCS、NASM-PES、NLPプロフェッショナルコーチ。オリンピック選手も指導できるストレングストレーナーで、これまでに1万人以上のアマチュアを指導している。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

撮影:阪上恭史 協力:タイカンズ新宿御苑店

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